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2022-10-04

【ボクシング】岩田翔吉vs.重岡銀次朗、中谷正義vs.宇津木秀。火花散る豪華公開スパーリング

左から粟生トレーナー、岩田、中谷、田中トレーナー。11・1に向けて気合入るチーム

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 11月1日、さいたまスーパーアリーナでジョナサン・ゴンサレス(31歳=プエルトリコ)の持つWBO世界ライトフライ級王座に挑む岩田翔吉(26歳)と、WBOアジアパシフィック・ライト級王者・吉野修一郎(30歳=三迫)に挑戦する中谷正義(33歳)の帝拳ジムコンビが4日、スパーリングを公開した。

文_本間 暁
写真_山口裕朗

 岩田はWBCミニマム級1位の重岡銀次朗(22歳)、中谷は日本ライト級王者・宇津木秀(28歳)のワタナベジムコンビとそれぞれ3ラウンドこなした。

駆け引きの応酬を見せた岩田(左)と重岡
駆け引きの応酬を見せた岩田(左)と重岡

 ミニマム級では破格のパワーを有する重岡に、「本気でやらないと、体もパンチも強いので……」と、岩田は苦笑いさせた。ゴンサレスと同じサウスポーの重岡に対し、右ストレートのボディブローで機先を制し、それぞれ奥の手のパワーパンチの応酬から、岩田は距離を取って跳びかかるようにして放つ左アッパーを再三披露した。前の手のカウンターを狙い合うなど、駆け引きが見応えあり、互いに高め合う内容だった。

大胆な岩田の左アッパー
大胆な岩田の左アッパー

最軽量級とは思えない重岡の迫力ある右フック

最軽量級とは思えない重岡の迫力ある右フック

「(ゴンサレスは)背が低く、動き回る。しっかり捕まえて倒して勝ちたい」と岩田が言えば、粟生隆寛トレーナーは、「岩田は爆発力、意外性、スピードがあるオールラウンドな選手。しっかり追いかけまわして、仕掛けて、爆発力を生かして倒してほしい」と希望した。

中谷得意の左ジャブ
中谷得意の左ジャブ

宇津木を誘い、敢えてロープ際でスウェーバックしてみせた中谷

宇津木を誘い、敢えてロープ際でスウェーバックしてみせた中谷

長い腕を器用に畳んで放つ中谷のボディアッパー
長い腕を器用に畳んで放つ中谷のボディアッパー

 ド迫力のスパーリングを披露したのは中谷と宇津木だ。長身から繰り出す長い左ジャブ、右ストレートで中谷が先制すれば、宇津木はじわじわと距離を詰めて中谷にロープを背負わせてコンパクトな連打。体を密着させて打ち合ったり押し合ったりと、同階級だけに、静かな火花を散らしまくった。「(中谷のジャブは)反応できないわけではないけれど、タイミングが読みづらい。それに、腕を折りたたんで打ってくるボディアッパーが上手い。勉強になります」とは宇津木。
「(吉野は)穴が少なくて、接近戦が相当強い。みんなそこでやられてるので、その距離でどう戦うか」と中谷。宇津木を相手に、敢えて至近距離での戦いを演じてみせたのは、吉野を多分に意識した試行である。「中谷は完成度が高い。離れてもくっついても戦える。何より12ラウンドの戦いを何度も経験してきた。そのキャリアが大きい」と、田中繊大トレーナーは静かに自信を語った。

「ゴンサレスはテクニックもキャリアもあるけれど、僕は魂のこもった戦い方でそれらを凌駕したい。そういう試合を見ていただきたい」(岩田)

「厳しい闘いを覚悟しています。こういうチャンスをいただけて嬉しいけれど、勝たないといけないプレッシャーがあります」(中谷)

 アプローチの仕方こそ違えど、「その日にベストに持って行く」(岩田)メンタルの築き方が各々あるのだろう。本番まで、あとひと月を切り、ともにマイペースで歩んでいることを感じさせた。

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