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2022-10-18

【ボクシング】赤穂亮があのカシメロと12月韓国で野性の激突! 伊藤雅雪さん代表就任のTBプロモーション第1弾で開催

左から石井会長、赤穂、伊藤代表

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 本物のボクシングを魅せる!。17日、都内のホテルで行われた会見で、WBO世界スーパーバンタム級9位・赤穂亮(あかほ・りょう、36歳=横浜光)が元世界3階級制覇のジョンリエル・カシメロ(32歳=フィリピン)と12月3日、韓国・仁川(インチョン)のホテル、パラダイスシティで対戦することが発表され、新たなプロモート会社『TBプロモーション』設立、元WBO世界スーパーフェザー級チャンピオン伊藤雅雪さん(31歳)の同社代表就任も併せて発表。今回が同社開催の第1弾となる。

取材・文_本間 暁
写真_山口裕朗

本物のボクシングこそが宝

興行、YouTubeなど発想あふれる『A-SIGN』を提供する石井会長。本田明彦・帝拳ジム会長も大きな期待を寄せる若き異才だ

興行、YouTubeなど発想あふれる『A-SIGN』を提供する石井会長。本田明彦・帝拳ジム会長も大きな期待を寄せる若き異才だ

 先月3日に行われた“前哨戦”後の会見で、「ネリかカシメロ」と石井一太郎会長(40歳)がビッグネーム両名の名を挙げて交渉中であることを明言。山中慎介との経緯のあるルイス・ネリ(メキシコ)、井上尚弥(大橋)との因縁があるカシメロ。いずれにしても、常軌を逸したトラブルメーカーであり、もちろんただならぬ実力者で、以来話題を呼んでいたカードがようやく正式発表となった。
「あの試合の翌日にカシメロ・サイドと契約書を交わしましたが、開催地についてのやりとりがあって、ここまで時間がかかってしまいました」(石井会長)

海外経験も豊富で、行動力あふれる伊藤さん。代表にふさわしい人物だ
海外経験も豊富で、行動力漲る伊藤さん。代表にふさわしい人物だ

 日本でもフィリピンでもない第三国での戦いだ。今年4月に吉野修一郎(三迫)に負傷判定負けを喫し、7月に正式引退を表明した伊藤さん。「将来的にジムをやろうという思いがあって、でもビジネスをしなければならないと思っていた矢先、パラダイスシティの方を紹介されて。必ずボクシングに携わる仕事をしたいと考えていたし、恩人でもある石井会長と一緒に仕事をしたいと思っていた」とプロモーション設立、同地での開催の運びとなった。

 TB=トレジャーボクシング。トレジャー=宝。韓国最大のカジノを抱えるホテルでの開催で、一獲千金という言葉を連想させるが、伊藤さんの想いは「本物のボクシングを提供したい」という純粋なもの。「僕にしかできないかたちで、ボクシング界を変えたいし、貢献していきたい。僕自身も本物のボクシングをやってきたという自負がある。色物ではなく、実力がないと勝ち上がれない。それがボクシング。(耳目を集めるための)エンタメで惹きつけるやり方もあるだろうけれど、廻りまわって最終的には僕らのようなボクシングの提示の仕方に落ち着くはず」。その“オープニングバウト”として、こんなにふさわしいカードはない。伊藤代表によれば「来年4月か5月、そして夏以降も開催を続けていく。開催場所はパラダイスシティだけでなく、他にもいくつか海外で候補がある」と、ワイドな構想を計画しているという。

ともに類い稀な防御があってこその野性

18歳でプロデビューした赤穂も、はや36歳。「でも、オレはいまがいちばん強い」と分厚い経験を自信としている

18歳でプロデビューした赤穂も、はや36歳。「でも、オレはいまがいちばん強い」と分厚い経験を自信としている

「燃えています。勝っても負けてもこの試合が最後になってもいいくらいの気持ちで臨む。でもおそらく、ふつうに勝てるでしょ」。並々ならぬ決意を飄々と語り、しっかりと“赤穂節”の炸裂だ。
 親交があり、心酔するノニト・ドネア(フィリピン)にちなんで、ついたニックネームは“ジャパニーズ・フラッシュ”。まるで暴風のような荒々しい左フック、左右のアッパーカットは軽量級離れしたド迫力だが、ベースはステップを駆使しながら一瞬の隙を突くセンスにある。そして何より「攻撃のことばかり言われるけれど、自信があるのは防御。見る人が見ればわかるはず」というディフェンス・テクニックがある。
 ライトフライ級上がりで小柄(163cm)ながら、赤穂と似て野性味あふれるファイトが注目されるカシメロを、「彼も本当にいいのはディフェンス」とその真髄を見抜いている。「お互いパンチがあるって言われるし、自信もあるけれど、パンチ力を争う競技じゃないから。気持ちとスタミナはオレのほうが上」(赤穂)

昨年8月のギジェルモ・リゴンドー(キューバ)戦がカシメロの最新ファイト Photo/Getty Imeges
昨年8月のギジェルモ・リゴンドー(キューバ)戦がカシメロの最新ファイト Photo/Getty Imeges

ありえない角度から、あり得ないタイミングで放たれる赤穂のアッパー。カシメロとの交錯はスリリングになること必至
ありえない角度から、あり得ないタイミングで放たれる赤穂のアッパー。カシメロとの交錯はスリリングになること必至

自らの不始末で試合枯れ状態だったカシメロは、「アカホに勝って、ナオヤ・イノウエと戦う」とインタビュー映像で語った Photo/Getty  images
自らの不始末で試合枯れ状態だったカシメロは、「アカホに勝って、ナオヤ・イノウエと戦う」とインタビュー映像で語った Photo/Getty  images

 野性とは、決して荒々しさだけではない。目まぐるしい駆け引き、その中の瞬間を斬り獲る繊細さにこそ浮かび上がるもの。「もう、年も年だし、何度も(ボクシングを)辞めようと思ったときもあった。けれど、ようやくこういう相手とできる。格闘家は強い相手と戦いたいんです」。だからこそ、日々刻刻のトレーニングに真剣に、丁寧に励むことができるのだ。

 赤穂の戦績は43戦39勝(26KO)2敗2分。カシメロは35戦31勝(21KO)4敗。赤穂対カシメロはスーパーバンタム級10回戦で行われる。

年齢も近い3人は、息もピッタリ
年齢も近い3人は、息もピッタリ

 その他、元WBOバンタム級、WBCフェザー級王者ジョニー・ゴンサレス(41歳=メキシコ)対OPBFスーパーフェザー級8位・渡邉卓也(33歳=DANGAN AOKI)のスーパーフェザー級10回戦。元WBOアジアパシフィック&日本王者・松永宏信(35歳=横浜光)のスーパーウェルター級10回戦(相手未定)。増田陸(25歳=帝拳)、内構拳斗(うちがまえ・けんと、22歳=横浜光)の両ホープがそろってプロ2戦目。増田はジ・ミンユーとスーパーフライ級、内構はファン・キョンミンとバンタム級で6回戦を行う。石井会長によれば「松永も含めて」の3試合は日韓戦となる。

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