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2022-10-26

【BBMカードコラム(#2022-14)BBMベースボールカードプレミアム2022[ジェネシス]】熟成された「GENESIS」

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BBMカードの編集担当が自ら手がけたアイテムに込めた思いをお伝えする連載企画。
今回は「BBMベースボールカードプレミアム2022[ジェネシス]」です。



内野手→外野手→投手でカード化
 今回の「GENESIS」でレギュラーにラインアップされている中日の根尾昂は、投手としてカード化されている。「1stバージョン」では内野手、「2ndバージョン」では外野手で収録されており、これで今季コンバートされた全ポジションが網羅されたことになる。

 BBMカードの長い歴史においても、現役選手が1シーズンに3つのポジションでカード化されるのは、もちろん初めてのことだ。しかも、根尾はハイグレードインサートの「GAME CHANGER」でも投球シーンと打撃シーンの絵柄が角度によって変わる3Dカードとして制作されており、まさに今季のコンバートを象徴する1枚と言えるだろう。「GAME CHANGER」は50枚限定なので難易度は高いかもしれないが、内野手→外野手→投手のレギュラーカードをコンプリートしてみてはいかがだろうか。

GC05 根尾 昂(D)GC05 根尾 昂(D)
GC05 根尾 昂(D)

 さて、この根尾投手のレギュラーカード、実は、「GENESIS」のリストが確定した6月上旬の時点ではラインアップに入っていなかったのである。写真選定やカードデザインがすでに進んでいた6月21日に投手転向が発表され、急きょレギュラーに加えたのだが、「GAME CHANGER」も当初は別の選手が予定されていたのを、ギリギリのタイミングで人選変更したというわけだ。

 9月下旬に発売されるカードをそんな時期に作っているのかと驚かれる方もいるかもしれないが、特に「GENESIS」の場合、レギュラーカード もすべて箔エンボス加工で、さらに膨大な数のメモラビリアカードの制作にかなりの時間がかかるため、7月下旬にはすべての編集作業を終了していなければ発売に間に合わないという事情がある。そのため、制作担当の手を離れてから実際に商品が発売されるまで、約2カ月近いブランクがあるのは、致し方がないことなのだ。つまり、プロ野球シーズンが真っ盛りの7月後半から9月に、収録した選手が大記録を樹立したり、また逆にケガなどのアクシデントがあったとしても、カードリストの変更はできないわけである。


奇跡的にうまくいった“仕込み”
「山崎」や「響」、「竹鶴」といった銘柄の国産ウイスキーで例えれば、この2カ月は熟成期間にあたるわけだ。リストを固めるのは6月上旬だから、その時点の成績などから、発売時にあたる9月下旬の活躍を予想して、いわゆる“仕込み”をすることになる。活躍する見込みが高い選手やブレークが期待される選手を、よりレア度の高いカードにラインアップしていくのは言うまでもない。

 今年に関して言えば、6月上旬の時点では佐々木朗希フィーバーが吹き荒れていたので、カード構成も“令和の怪物”を中心に考えていた。ボックスやパックで使われている「怪物、襲来。」というキャッチコピーも、まさに佐々木を意識したものだ。

ブックレットカード 佐々木朗希(M)
ブックレットカード 佐々木朗希(M)

 しかし、シーズン終盤にかけて球界を席巻したのは、“怪物”よりも、むしろ“村神様”だった。ヤクルトの若き主砲・村上宗隆が日本人最多となる56本塁打をシーズン最終打席で達成し、史上最年少で三冠王を獲得。こんなスーパースターの誕生は、こちらの想像をはるかに超えていた。

 それでも、である。運よくというか、この村上もスーパーパッチカードやクロスサインはもちろん、直筆サイン&メモラなどのレアカードが“仕込まれて”いたのである。クロスサインやスーパーパッチカードにいたっては、シーズン開幕前には大方の年間ラインアップか組まれているので、今年の「GENESIS」は、奇跡的に“仕込み”がうまくいったということになるのだろう。

直筆サイン&メモラビリアカード 村上宗隆(S)
直筆サイン&メモラビリアカード 村上宗隆(S)

 今年の村上は極端なケースだが、この“仕込み”がうまくハマれば、2カ月の熟成期間で“旨味”がさらに増すことになる。逆に、こちらの見込みが外れれば、“鮮度”は大きく落ちるという結果になるわけだ。

 そして、この熟成期間は、もっと長期的な視点で見れば、発売後も続いていく。その“仕込み”にあたるのが、ルーキーカードだ。今年の「GENESIS」では、例年よりルーキーたちが多くラインアップされているのに気づいていただけただろうか。

 比較で言えば、レギュラーカードのルーキーを2021年版の7種から16種に増やしたのを皮切りに、ハイグレードインサートも7種から13種に、クロスサインは0種から11種、ボールサインも5種から10種と、それぞれルーキーの割合をアップさせているのだ。あまり目立たない“仕込み”かもしれないが、これから5年、10年の熟成期間を経て、彼らがスーパースターに成長していれば、その旨味や香りは、かなり濃厚で芳醇なものになっているだろう。

 そんな未来を想像して、今年の「GENESIS」を楽しんでいただければ嬉しく思う。個人的におススメする銘柄は、「怪物」や「村神」ではなく、もちろん「根尾」である。

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