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2022-11-17

【陸上】ミズノのイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」で飯塚翔太、ディーン元気、児玉芽生が施設設備を体験

「MIZUNO ENGINE」お披露目会に出席した水野明人社長(中央)とミズノトラッククラブの飯塚、ディーン、兒玉(左から)。右は名古屋グランパスの永井謙佑、内田宅哉、甲田英將(写真/毛受亮介)

11月8日、ミズノがイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」の稼働開始を発表し、お披露目会が行われた。ミズノの大阪本社(大阪市住之江区)敷地内に地上2階、延床面積約6500㎡の施設を総事業費50億円で創設。研究開発力の強化を目的とし、「はかる」「つくる」「ためす」ための特殊設備を一カ所に集結させた。開発のスピードアップと共に、ミズノ全グループ社員が組織の垣根を超えた意見交換、情報交換でよりよい製品づくりを加速させる。

ミズノの大阪本社の隣にできた新しい研究開発施設「MIZUNO ENGINE」(写真/毛受亮介)
ミズノの大阪本社の隣にできた新しい研究開発施設「MIZUNO ENGINE」(写真/毛受亮介)

今回お披露目となった施設「MIZUNO ENGINE」は、原動力を象徴する“ENGINE”とチームワークを象徴する”円陣“の2つの意味が掛け合わされ、「チームワーク良くミズノの成長の原動力となるイノベーションの創出の場にしていこう」という思いが込められている。

このお披露目会には、ミズノトラッククラブ100m、200mの飯塚翔太、兒玉芽生、やり投のディーン元気が参加し、施設を体験。

飯塚と兒玉は、屋内から屋外につながる90mのトラックでモーションキャプチャーなどを使い、動作解析を行った。兒玉は「地面への力の伝わり方、関節の伸び具合が走ってすぐに分かるのが良いと思います。練習をする上での参考データとして使いたい」と、課題のスタートのほか、フォームの改善などに役立てたいとした。飯塚は、「自分自身の感覚と数値とをすぐにすり合わせることができるので、正解にたどり着きやすくなると思う」と話し、来季の目標である世界選手権での決勝進出に向けて、前向きな姿勢を示した。

飯塚と兒玉が体験した設備では、トップアスリートのデータを参考にスパイクの開発ができるという。接地位置や力の入り具合を測定できることから、スパイクのピンの配置などを研究していく。

スパイク開発などで使用される90mの走路を使って動作解析を行った飯塚(右)と兒玉(左)(写真/毛受亮介)
スパイク開発などで使用される90mの走路を使って動作解析を行った飯塚(右)と兒玉(左)(写真/毛受亮介)

ディーンは、3Dボディスキャナーを使って身体を測定。上腕やヒジ、太ももなどの測定結果を見て「かなり細部まで測定されていて、身体の特徴がそのまま数値として表れている」とコメント。手で測るよりも正確に細部まで計測できるこの設備では、さまざまなニーズに対応したウェアの開発を中心に行うそうだ。

ディーンはウェア開発を中心に使われる3Dボディースキャナーを体験した(写真/毛受亮介)
ディーンはウェア開発を中心に使われる3Dボディースキャナーを体験した(写真/毛受亮介)

「ためす」設備は、飯塚と兒玉が体験した90mの走路のほか、体育館、テニスコートも完備。このほかにも「はかる」では、ディーンの体験した3Dボディースキャナーのほか、3D足形計測やマーカーレス動作解析システム、呼気ガス計測、「つくる」でも3Dプリンターや加圧プレス機など最新設備がそろっている。

名古屋グランパスの選手たちは体育館でマーカーレス動画解析システムを体験した(写真/毛受亮介)
名古屋グランパスの選手たちは体育館でマーカーレス動画解析システムを体験した(写真/毛受亮介)

また、施設内は壁が少なくオープンなつくりに。多種多様な「はかる」「つくる」「ためす」専門設備を一カ所に集めたことで、各分野の専門家の情報交換がより円滑に行われるほか、例えば外注すると2~3カ月かかっていた「はかる」「つくる」「ためす」の工程が早ければ2~3日に短縮できるそう。その分、これまでよりも多く「ためす」機会を設けることができ、より多くの意見を参考に製品開発が行える。

ミズノは「楽しく体を動かすこと」をスポーツの定義とし、「スポーツで人を幸せにする」ことを使命としている「MIZUNO MIRAI VISION」を掲げている。「MIZUNO ENGINE」の稼働により、「みんなが楽しく体を動かす社会」「スポーツの力で社会課題を解決する世界」のため、「人の心技体が高まる」という価値の提供がより進んでいくだろう。

文/陸上競技マガジン編集部 写真/毛受亮介

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