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2022-11-26

【相撲編集部が選ぶ九州場所14日目の一番】3敗対決は貴景勝と阿炎がサバイバル。2敗の髙安追い千秋楽へ

王鵬を押し出し、優勝争いに残った貴景勝。出場力士の中で番付最上位者の意地を見せ続けている

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貴景勝(押し出し)王鵬

かつては付け人でもあった埼玉栄高の後輩に、先輩の力、そして大関の力を見せつけた。優勝争いへのサバイバルを懸けた結び前の3敗対決。貴景勝が王鵬を押し出して圧勝した。
 
押し相撲同士とあって、立ち合いは頭と頭でぶつかったが、当たり勝ったのは貴景勝だ。お互い、突いて相手を起こし合い、頭を下げてまたぶつかり合う攻防となったが、やはり一日の長があるのは大関だ。左からのイナシも挟んで二度、三度とぶつかり合ううち、圧力と、そして低さで相手を上回っていく。下から下から押し上げて、最後は赤房下に押し出し。王鵬に「(自分では)全然相手にならなかった」と言わせた。
 
これで、この日2敗を守った髙安との1差を守ったまま千秋楽へ。横綱照ノ富士が休場、もう一人の大関の正代の関脇転落が決まる中、出場力士中の番付最高位者として、懸命に責任を果たしている。
 
取組後、そのことについて聞かれると、「一日一番、その相撲だけを考えているので、あまり全体的なことは考えていない」と、その日の相撲への集中を強調。もし、明日千秋楽、自らが白星を挙げ、髙安が阿炎に敗れて三つ巴の優勝決定戦となったときには、この雑念のなさが武器になることだろう。
 
もう一つの3敗対決の豊昇龍-阿炎は、これまでの対戦成績で4連敗していた阿炎が、「いつもモロ手(突き)を外されていたので、ちょっと低く当たろうと思った」と対策を立て、立ち合い一瞬、相手に左前廻しを許しかけたが、これを切ると突きで起こして距離を取り、豊昇龍がのめって出てくるところを引き落とした。
 
一方、優勝争いのトップを走る髙安は、この日は輝を退けて2敗を守ったが、途中で引いたところをついてこられ、最後は何とか叩き込むという危ない一番。途中、土俵際に押し込んだ時、慌てて体を預けて出ることなく相手を見る、という冷静さを見せる場面もあったが、動き自体は、はた目にもやや硬さが感じられた。明日は3敗の阿炎と対戦。もちろん勝てば優勝だが、この日の動きの硬さを考え合わせると、思い切った横の動きや引き足がある阿炎はかなり嫌な相手ではある。
 
さあ、明日はいよいよ千秋楽。争いは2敗の髙安、3敗の貴景勝、阿炎の3人に絞られた。髙安悲願の初優勝か、貴景勝が巴戦を制して大関の威厳を示すか、それとも阿炎が逆転で3場所連続の平幕優勝を実現させるか。どの結末になっても、ドラマチックだ。

文=藤本泰祐

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