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2023-01-21

全国で商店街活性化のモデルケースにも…12年目を迎える大日本プロレス×横浜市の“タッグ”【週刊プロレス】

大盛況となった仲町台

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大日本プロレスと横浜市が“タッグ”を組み、商店街プロレスがシリーズ化されたのは2012年のことだった。企画の中心を担っているのは、大日本の“黒天使”沼澤邪鬼と、横浜市商店街総連合会の加藤剛・事業部長。

商店街の付近にリングを組み、大日本のレスラーたちが試合。たまたま通りすがった多くの人が足を止め、無料で試合を観戦できることから自然と商店街の各店にも人の足が向き、また大日本にも宣伝効果がある。Win-Winの関係を保ちながら'12年以来、毎年シリーズを実施してきた。

だが、コロナ禍が曲がり角に。人を集めてはいけない時代がやってきてしまい、'20年はほぼ活動できなかったが、年末に“商店街プロレスの聖地”とされる六角橋でリモート試合。なんとか“継続”で'21年につなげ、制約がありながらも5大会をおこなって再開。'22年は特別版を含め、計7大会を横浜各地で催し、地域活性化に貢献した。

“商店街プロレス2022シリーズSPECIAL”と題して決行された昨年12月18日、神奈川・ミモザ広場(仲町台)でのイベントでは、年頭のタイトルマッチに向け公開記者会見も実施され、天候が心配されたなか青空に恵まれ、大盛況に包まれた。

加藤氏は昨年を振り返り「'21年は制限がありましたけど5大会やった実績があったので、'22年はそんなに心配がなくて。前年ほど気をつけないでできたのはよかったし、リングを子どもたちに開放したり新しい試みもできた」と話す。

一歩、日常に近づいた商店街プロレス。誰しもの身近にある日常の商店街と、非日常たるプロレスのタッグは地域活性化に関して、抜群に相性がいい。だから、コロナ禍になっても継続の道を進み、今年はシリーズ化12年目を迎える。沼澤も「復活の第一歩が踏み出せた。商店街プロレスもそうだし、大日本としてもコロナ禍になって、お客さんの入る入らないは魅力の問題だと思うし、それが('22年は)ハッキリ数字に出た。商店街を盛り上げるのもそうだし、大日本を知ってもらうのもそうだし、うちらは商店街を盛り上げるためにやって、しかも大日本の宣伝もさせてもらってる。驕り高ぶらず、ただ単に面白かったら見に来てください、と。大日本も復活の一歩が踏み出せたと思うし、まだまだこれからですけど、そしたら、あとは反撃するだけ」と語った。

最近は5類移行のニュースも頻繁に目にするようになったが、横浜の商店街プロレスもまた、今年は本格的に“日常”を取り戻すべく、春先を目指して動いていく。

「じつはここ2年、秋からしかやってない。普段は5月、6月からやってるんですけど、今年は春にやると宣言しているところもあるので、(実施の)募集のスケジュールは通常に戻そうと思っています。例年通りに戻して10大会以上を目指したい。内容も通常通り。(コロナ禍から)4年目はまったく何もなかったかのような感じでやりたいですね。声援もマスクなく、が目標ですね」(加藤氏)

沼澤は昨年12月17日には瀬谷警察署で一日署長を務めるなど、横浜各所で商店街プロレスの経験を生かしながら、地域と密着している。振り込め詐欺の被害防止や交通安全を瀬谷駅北口広場で訴えたが、プロレスラーからの啓発はじつに効果的だ。

沼澤は「今年はもっとみんなに、いい意味で大日本プロレスを利用してもらいたい。利用してもらう大日本になる」と力を込める。コロナにも負けず、12年間も続く横浜市商店街の活性化事業は、全国的にもモデルケースになり得るはずだ。

<週刊プロレス・奈良知之>

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