25日、東京・後楽園ホールで行われた日本女子ミニマム級タイトルマッチ6回戦は、同級2位の挑戦者・千本瑞規(ワタナベ)がチャンピオンの日向野知恵(スパイダー根本)に6回33秒負傷判定勝ちした。千本は国内最短タイ記録となるプロ2戦目で王座を獲得。日向野は初防衛に失敗した。
写真上=日向野(右)の突進を左で迎え撃つ千本
大胆にガードを下げた構えからジャブを連射し、右ストレート、左フックとつなげては軽やかなフットワークで旋回。千本は初めの2分でスピードと技術の違いを示した。2回には右アッパーを顔面に痛打し、早くも日向野の鼻から血を滴らせる。しかし、この理想的なスタートの裏で、千本はアクシデントに見舞われていた。右の拳を痛めたのだ。
3回からは右のパンチがほとんど出なくなり、「バレないように」と左を突いては足を使う戦法にチェンジした千本。日向野の前進に拍車がかかるが、決定打は許さない。迎えた最終回、突っ込んでくる日向野の頭が直撃し、千本が眉間をざっくりとカット。試合はここでストップされ、ここまでの採点は59対56が2人に57対57が1人の2ー0で、王座は千本へ移動した。
初のベルトを手にした千本
「勝ててホッとしています。(日向野は)気持ちが強くてタフでした。嬉しいことは嬉しいけれど、自分的にはもっとできると思っています」
痛みとともに手にした初のベルト。プロ2戦目にして多くを学んだ千本は「とりあえずは手を治して、用意された試合を勝っていきたい」と精進を誓った。
文◉藤木邦昭
写真◉小河原友信
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