close

2019-06-16

【ボクシング】京口の挑戦者ナコーンが公開練習 侮れぬムエタイ300戦の勝負師

19日に千葉・幕張メッセでWBA世界ライトフライ級スーパーチャンピオンの京口紘人(ワタナベ)に挑む同級10位タナワット・ナコーン(タイ)が16日、都内のワタナベジムで練習を公開。シャドーボクシング、ミットなどで精力的に動いた。

柔和な表情はシャドーとともに消えた

チャッチャイ・トレーナーのミットに右を打ち込む

おとなそうだった童顔が豹変した。タイ選手特有のインターバルなしのロープ跳びでウォーミングアップを終え、シャドーボクシングに入ってからのことだ。続くミット打ちでは元世界王者チャッチャイ・サーサクン・トレーナーのミット目がけて、奇声を発しながら力のこもったパンチを休みなく繰り出す。たっぷり汗を流した後もサウナスーツを着込んだまま、時間をかけて腹筋をストレッチ。細身の体には十分なスタミナを蓄えている様子だ。

この3〜4ヵ月はムエタイとも並行して、ハードなトレーニングに明け暮れてきたというナコーン。スパーリングは150ラウンドに達し、そのパートナーには同門のWBAミニマム級王者ノックアウト・CPフレッシュマートも含まれる。

「エキサイティングな試合になる」とナコーン

ビデオを繰り返し見て研究したという京口の印象は「パワーのあるファイター。エキサイティングな試合になる」。得意なパンチを問われると「京口の様子を見ながら、いろんな種類のパンチを打ちたい」とし、作戦についても「余計なことは考えず、お客さんを楽しませるために戦いたい」と明言は避けた。

実績は世界2階級制覇の京口に遠く及ばないが、ムエタイでは300戦以上、ルンピニーのライトフライ級王座も手にしたという長い格闘技歴は侮れない。国際式ではダウンの経験もないという。そのタフネスと勝負度胸で、ナコーンは充実の王者京口にどこまで迫れるか。

文◉藤木邦昭
写真◉本間暁

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事