WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦、チャンピオンのワンヘン・ミナヨーティン(33歳=タイ)対同級4位・福原辰弥(30歳=本田フィットネス)が、31日、タイ・チャチェンサオで行われ、8回に起きたバッティングにより、王者が負傷し続行不能の判断。この回2分35秒負傷判定でワンヘンの勝利となった。ワンヘンは11度目の防衛を果たすとともに、53連勝(18KO)無敗と、自身の持つ無敗連勝記録を伸ばした。
上写真=ふたたび腰にベルトを巻かれるワンヘンと、呆然とした表情の福原
立ち上がり、勢いよく攻めて出た福原だったが……
王者ワンヘンが、福原の前進をジャブで止める。迫力は感じられなかったが、老獪さは相変わらずだった
2017年11月(タイ・ナコンラチャンマ)以来の再戦となった一戦。試合開始予定時間が午後3時から、急遽1時間繰り上がり、開始前から振り回されるかたちとなった元WBO同級王者の福原。「タイに来た以上は何が起こっても受け入れないと、と思ってましたから」と、苛立ちを堪えて積極的に攻撃を仕掛けていった。
しかし2回、頭がぶつかって福原の左目上がカット。傷口の長さ、深さともにあり、福原は以降、2度のドクターチェックを受けることになる。
けれども、福原は終始、意欲的に攻め続けていく。が、ワンヘンはキレやパワーを感じさせないものの、福原の打ち終わりに左フックをヒットし、左ジャブで前進を止めたりと、技術を見せ始めていった。福原が仕掛け、ワンヘンが受けるという展開が続いた8回、またしても起こったバッティングにより、ワンヘンが右目上を負傷。
「流れた血が目に入る場所で危険」というドクターの判断を採用し、レフェリーが試合終了を宣告。この回までの採点の結果、79対73、78対74、78対74とジャッジ三者ともワンヘンを支持し、王者の防衛となった。
オーソドックスのワンヘンと、サウスポーの福原。頭がぶつかる危険性はあった
傷も出血も、止めるほどのものではない印象で、あまりにも唐突なストップに、福原も陣営も呆然。
「相手はすでにバテていたので、福原の力がこれから発揮できるところだったんですが……」と本田憲哉会長は、ガックリと肩を落とした。
これで日本人男子のタイでの世界タイトルマッチ(※暫定戦は含まず)戦績は25戦24敗1分となった。
世界王座復帰のならなかった福原の戦績は34戦21勝(7KO)7敗6分。
取材&写真_西村華江
Coverage & Photos by Hanae Nishimura
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