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2023-02-07

【連載 泣き笑いどすこい劇場】第14回「廻しにまつわる話」その2

平成4年名古屋場所で平幕優勝を果たした水戸泉。黄金廻しのご利益があった?

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力士が土俵に上がるとき、唯一、身につけることを許されているのが廻しです。
幕下以下は木綿製の黒廻し、十両以上は絹の繻子で色もカラフル、と地位によって違ってきますが、言わば、晴れの衣装ですね。
それだけに、力士たちの廻しに込める思いや、こだわりも十人十色。力士たちは廻しを締めて数々のドラマを演じてきました。
今回は廻しにまつわるエピソードを集めました。
※月刊『相撲』平成22年11月号から連載された「泣き笑いどすこい劇場」を一部編集。毎週火曜日に公開します。

金色に宿る神秘

過去に金色の廻しを使用した力士は、朝青龍以外にも元関脇玉乃海、輪島、双津竜、大翔鳳、水戸泉らがいる。

輪島(元横綱)が初めて金色の廻しを締めたのは3場所連続休場し、進退を懸けて臨んだ昭和50(1975)年秋場所。持病だった腰痛を治療した医師から全快祝いにもらったもので、

「もう一度輝きたい」

という切実な思いをこめてこの色を指定した。その願いが叶い、輪島は金色の廻しで7回も優勝している。

水戸泉(元関脇、現錦戸親方)は金色の廻しを締めるようになった経緯を次のように話している。

「ズバリ、金星が欲しかったんですよ。金色の廻しを締めて横綱を倒したいと思って。残念ながら、金星は1個も挙げられなかったけど、それ以上のデッカイものを手に入れました。優勝(平成4年名古屋場所)です。最初、締めていたヤツが古くなったので、もう1本、まったく同じものを作り、計2本、いまでも大事に持っています」

金色は神秘的な力を秘めているのかもしれない。

月刊『相撲』平成23年12月号掲載

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