close

2023-02-11

【NFL】今季のMVPにチーフスQBマホームズ 4年ぶり2回目、1位票96%の圧倒的大差で選出

AP通信が選ぶNFLの2022年シーズンMVPに決まったチーフスQBマホームズ=photo by Getty Images

全ての画像を見る
アメリカンフットボールの世界最高峰、米NFLの2022年シーズンの最優秀選手(MVP)に、現地2月9日、カンザスシティ・チーフスのQBパトリック・マホームズが選出された。マホームズの授賞は2018年シーズンに次いで4年ぶり2回目。満票50票のうち、1位票(10ポイント)48を集め、2位票(5ポイント)2と合わせて490ポイントを獲得する圧倒的な得票での選出となった。

 2位は、マホームズが、2月12日のスーパーボウルで対戦するイーグルスのQBジェイレン・ハーツ(193ポイント、1位票1)、3位はビルズのQBジョシュ・アレン(151ポイント、1位票1)だった。

 マホームズは、今季17試合でパス435/648で成功率67.1%、5250ヤード、41TD(タッチダウン)、12INT(インターセプト)、レーティング105.2を叩き出した。ヤード数とパスTDは今季のNFL1位。さらにランで61回358ヤード4TDを記録した。オフェンスのトータルヤードでは、ドリュー・ブリーズ(元セインツなど)が持っていた1シーズン5562ヤードを更新する5614ヤード※のNFL新記録を樹立した。

 27歳のマホームズは、RBジム・ブラウン(元ブラウンズ)、QBブレット・ファーブ(元パッカーズなど)、QBペイトン・マニング(元コルツなど)に並んで史上4人目の、20代での複数回授賞となった。

 NFLのMVPは、AP通信社がレギュラーシーズンの成績を対象に選出する。米国では、各メディアや団体がNFLのMVPを独自に選出しているが、1957年に始まったAP通信のMVPが最も権威があり、NFLも公式の表彰として認めている。

 これまで個人の最多受賞はQBペイトン・マニング(元コルツなど)の5回。QBアーロン・ロジャース(パッカーズ)が4回受賞で続き、RBジム・ブラウン、QBジョニー・ユナイタス(元コルツなど)、ブレット・ファーブ、トム・ブレイディ(元ペイトリオッツなど)が3回受賞している。

※マホームズは、今季パスレシーブ1回6ヤードも記録している。

CBガードナー、9割超す得票率でディフェンス新人王に
ジェッツのCBガードナーは、50票中46の1位票を獲得する圧倒的な得票差でディフェンス新人王に選出された=photo by Getty Images


 同じくAP通信が選出する、今季のオフェンス、ディフェンスのプレーヤー・オブ・ザ・イヤーは、オフェンスがWRジャスティン・ジェファーソン(バイキングス)、ディフェンスがDEニック・ボーサ(49ers)に決まった。

 ジェファーソンはパスレシーブ128回、1809ヤード(共にNFL1位)、8TDだった。また、ボーサは、18.5サック(NFL1位)、19タックルフォーロス(同2位)、51タックルという成績を残した。

 ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王)は、オフェンスがWRギャレット・ウィルソン(パスレシーブ83回1103ヤード、4TD)、ディフェンスはCBソース・ガードナー(75タックル、2INT)と、ジェッツのルーキー2人が選出された。

 特にガードナーは、50票中46の1位票を獲得する、圧倒的な得票差での選出となった。このポジションの新人としては異例のオールプロにも選出された。スタッツ上は2INTと目立たないが、優秀なDBのサイドにはパスが投げられないから。選手のプレー評価で有名な米サイト、「プロフットボールフォーカス(PFF)」では、ガードナーは、対戦したQBのパサーズレーティング、パス成功率を、いずれもリーグ最低に追い込んだと分析している。

 カムバック・プレーヤー ・オブ・ザ・イヤー(カムバック賞)には、シーホークスのQBジーノ・スミスが選ばれた。32歳のスミスは、今季パス399/572、成功率69.8%、4282ヤード、30TD・11INTと、ほぼすべての部門で自己最高を記録した。

 スミスは、ルーキー時からジェッツでスターターを務めていたが、ロッカールームでチームメートに殴られて顎を骨折するなど、プレー以外の部分でトラブルに遭ってバックアップ人生に転落。チームを転々とした挙句にたどり着いたシーホークスで、ついに真価を発揮した。シーズン前にラッセル・ウィルソンをトレードで放出して生じたQBの穴を完全に埋めて、シーホークスのプレーオフ進出に大きく貢献した。

 コーチ・オブ・ザ・イヤーにはジャイアンツのブライアン・ダボールHC(ヘッドコーチ)が選ばれた。
47歳のダボールはビルズのオフェンスコーディネーターとして4シーズンを過ごした後、今季ジャイアンツのHCに就任。5シーズン連続で2ケタ敗戦(22勝59敗)と低迷していた名門ジャイアンツを、9勝7敗1分け、プレーオフ進出にまで導いた。前半9試合で7勝2敗とスタートダッシュに成功したが、シーズン後半で、地区内の強敵イーグルスやカウボーイズに苦杯を喫したのが、来季への課題となった。

 カムバック・プレーヤー ・オブ・ザ・イヤー(カムバック賞)には、シーホークスのQBスミスが選ばれた=photo by Getty Images

コーチ・オブ・ザ・イヤーにはジャイアンツのダボールHCが選ばれた=photo by Getty Images

【小座野容斉】

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事