2023年2月下旬、アンダーアーマー(日本総代理店:株式会社ドーム)から、4月1日に新発売となるランニングシューズのメディア向けイベントが開催された。新商品の名は『UA FLOW VELOCITI ELITE(UAフローベロシティエリート)』。同ブランド初の、いわゆる「厚底カーボン」モデルだ。
アンダーアーマーといえば、肌にピタリと張り付くコンプレッションウエアを旗頭に、革新的なイメージを持つスポーツアパレルブランドとして確固たる地位を築いてきた。だが、そのイメージが強すぎるのか、ことランニングシューズ市場では、約10年も前から参入してはいるものの、まだランナーの着用率は低く、認知度も決して高いとはいえなかった。
そんなアンダーアーマーが、どうやら今回の新商品には確たる手応えを感じているようだ。同社の北島義典代表取締役CEOも「ようやく自信を持ってお届けできるシューズができた」と手応えを隠さない。
(株)ドームの代表取締役CEOの北島義典氏厚底カーボンシューズの草分けであるナイキを筆頭に、現在は多くのブランドからカーボン入りシューズが発売されており、個人も含めて数多のメディアで比較・評論が盛んに行われている。ランニングシューズの店頭でも多くのエリアを厚底カーボンシューズが占めており、いわゆる“レッドオーシャン市場”と見られても不思議ではない。
それでもあえてこのタイミングで「厚底カーボン」市場に挑んだわけである。
メディア向けイベントには、本国アメリカからシューズの開発責任者であるダグ・スマイリー氏がオンラインで登場し、現地は深夜にも関わらず予定時間を超えて、このシューズの素晴らしさを熱弁した。まるで自慢の我が子を紹介するように。
「このシューズを開発するのには相当な壁や苦難があった。どうやったらカーボン特有の反発力を、上ではなく前へ進められるかを考えた。そして、体の大きい人も小さい人も。男性も女性も。若い人も高齢の方も。どんな人も履けるシューズにしたかった。それが具現化できた一足だ」
オンラインで登場した、シューズの開発担当責任者であるダグ・スマイリー氏果たして、2022年11月のニューヨークシティマラソンで、このシューズを履いて初マラソンに挑んだ中距離ランナーのシャロン・ロケディ(ケニア)が見事に初優勝を遂げた。また記憶に新しい今年1月の箱根駅伝、関東学生連合の最終ランナーとして10区を走った貝川裕亮(慶應義塾大)もこのシューズを着用している。ちなみに貝川はこのシューズを履く前はナイキのシューズを履いており、「自分の夢だった箱根駅伝でアンダーアーマーのシューズを履くかどうかは正直、少し悩みましたが、実際に履いて走ってみて『これならいける』と確信しました。そして実際にこのシューズは力を発揮してくれました」と語っている。
UAのシューズを履いて初めて箱根路を走った貝川裕亮(慶応大)また、今年の4月1日より、新たに中央大学女子陸上競技部長距離ブロックとのパートナーシップも決まった。同部を率いる鈴木智香子監督は、契約に至った理由をこう語る。
「正直、5〜6社からオファーをもらっていました。その中でアンダーアーマーさんを選んだのは、物販のために着用するということではなく、選手一人ひとりと向き合ってくれていると感じたから。私たちもアンダーアーマーさんも、今スタート地点にいて、一緒にストーリーを作っていけると感じたからです」
創業以来、アスリートに寄り添った商品開発を続けてきたアンダーアーマーが「自信を持ってお届けできる」と自負する、同社初の厚底カーボンプレート入りレーシングシューズ『UA FLOW VELOCITI ELITE』。
これまでの厚底カーボンシューズは、どちらかというと履くランナーを選ぶ印象があったが、果たしてアンダーアーマーが「老若男女、初心者からベテランまでどんなランナーも履ける」と胸を張るシューズの真価は、やはり実際に着用してみるのが一番だろう。
シューズの説明を聞いた後は実際に新シューズを着用して走る時間も用意された一般発売は4月1日だが、3月2日から4日まで開催される東京マラソンEXPOにて100足限定で先行販売する。また3月24日オープンする大阪・梅田のグランフロント大阪内「アンダーアーマーブランドハウス大阪」でも先行販売する予定だ。
なおランニング専門誌としての詳細な機能説明やランナー目線の感想については、3月22日発売の『ランニングマガジンクリール5月号』でより詳しく紹介する。
『UAフロー ベロシティ エリート』価格:26,400円(税込)
カラー:Aqua Foam/Lime Surge/Aqua Foam(300) White/Beta/Quirky Lime(101)
サイズ:23.0cm~30.0cm(UNISEX)