井岡一翔の4階級制覇再トライが正式に決まった。6月19日、千葉県の幕張メッセで行われるWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で、ランク1位のアストン・パリクテ(フィリピン)と対する。19日に井岡の所属先、Reason大貴ジム(埼玉県越谷市)の記者会見で明らかにされた。
写真上=Reason大貴ジムで練習を公開した井岡
このタイトルは昨年の大晦日、マカオで井岡に勝ってチャンピオンとなったドニー・ニエテス(フィリピン)がその後に返上し、再び空位になっていた。なお、同タイトルは3度連続の王座決定戦で、その第1戦でパリクテとニエテスは引き分けている。

「背水の陣」と井岡は覚悟を語った
「負けという言葉は自分の中には答えとして存在していない。これが最後のチャンスと言うか、もう後がないという気持ち。とにかく勝って、その先、未知の世界に進みたい。人生を賭けての戦いになる」
4階級制覇の偉業は、それがボクサーとしてどんなに大きなトピックであっても、勝つために準備し、そして戦った結果についてくるものに過ぎない。そのための力がついているのを井岡自身は実感しているという。暮れのニエテス戦、「戦った後は、勝ったかなと思ったけど、判定の結果は受け入れなければいけない。今後も外面的には大きく変わることはないが、戦略とか、展開、駆け引きといったところをもっと磨いていきたい。それでも力強いパンチを3発4発と続けて打てるのが大事になるとは思っている」。
対戦するパリクテは長身(173センチ)。25勝中21KO勝ち(2敗1分)をマークしているハードヒッターだ。「もちろん、(パリクテと)同じタイプのパートナーとスパーリングを重ねていくつもりだが、背の高い選手にとくに苦手意識はない」。その言葉にはすでに自信の裏付けも感じさせた。
「海外をベースに活動してきて、着実に力はついている。そこをきちんとお見せしたい」と2年2ヵ月ぶりの日本リングへの抱負も語っている。

佐々木修平トレーナーのミットに左を打ち込む

サンドバッグに右ストレートを叩き込む
会見後は軽めながらもジムワークを公開した。あえてスピードを抑え、正確さと自分の中にある筋力を確かめるようなシャドーやミット打ちをおよそ1時間披露した。
井岡は翌日(16日)に離日して、アメリカ国内で師事するイスマエル・サラス・トレーナーとの仕上げに入る。帰国は「試合のギリギリ直前になる」とのこと。日本のファン、報道陣が次に見るのは、きっちりと仕上がった戦闘モードの井岡になる。
文◎宮崎正博
写真◎藤木邦昭
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