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2023-03-04

首の負傷で長期欠場「病院では死ぬか半身不随と言われて…」ジュリア物語6【週刊プロレス】

現在ワールド・オブ・スターダム王者として女子プロレス界の頂点に君臨しているスターダムのジュリア。2017年10月29日、プロレスラーとしてデビューし、キャリア5年と少し。その時間はあまりに濃密であり、波乱万丈という言葉でも足りないほどさまざまな経験を積んできた。そんなジュリアのデビューから丸5年間の濃密過ぎる日々の記憶をB.B.MOOK「ジュリアお騒がせ症候群」のインタビューから抜粋してお届けしていく。第6回はスターダムに電撃移籍して2020年に大車輪の活躍を見せた後の話。


――スターダム2年目は髪切りマッチで敗れて坊主になったあとは…。
ジュリア アリカバですね(朱里とのタッグチーム名=アルト・リヴェッロ・カバリワン)。髪切りまではただただ自分のことだけ考えて突っ走ってきたけど、そこで気づい
たのは髪の毛と一緒にいろんなおもりも綺麗さっぱりできた。肩の荷が下りたというか。それまでは移籍があって、とにかく頑張らなきゃ、ユニットも引っ張らなきゃって必死だった。でも髪切りマッチでスッキリしたんです。一回燃え尽きた感じはあって。女っていままであった髪がなくなって坊主になると女じゃないというか。みんなにはカッコいいとか似合うと言われたんですけど、女性としての気持ちは失われるんですよね。

――女性ならではの思想ですね。

ジュリア ただ、あの髪切りはすごく反響があって、やり切った感はありましたね。そのあと朱里とゴッデス(タッグ王座)挑戦。舞ひめとタイトルマッチをやって取ってアリカバを正式結成して。アリカバでは新日本のメットライフドームとかにも出させてもらったけど、やりたいことはいっぱいあったんです。タッグリーグで朱里と一緒に考えてたこともたくさんあって。ただその前の「5★STAR GP」で私が首をケガしてしまって欠場になった。いまだから言ってもいいと思いますけど、朝起きたら息もできないくらいの激痛で、受け身で全身にしびれが走った。病院では死ぬか半身不随と言われて。結果的に4カ月の欠場だったけど、今後の人生を考えてそのときはやめる選択肢もじつは考えました。命に関わることだったので。

――それは深刻です。

ジュリア ただ、周りの支えやファンの声、あとすごく腕のいい医師に出会うこともできて治してもらえたので。4カ月で復帰できて、年末に小波と復帰戦。そのあとは去年の話ですよね。年頭からDDMは8人まで増殖しました。そのあとに(鈴季)すずとの物語もあって。

――あっという間でしたね。

ジュリア ただ、白(のベルト)を持っていて髪切りマッチまでの時間がジュリアの存在感が強すぎた…自分で言うのもなんですけど(苦笑)。それ以降落ち着いたとか言われるけど、結構いろいろやってるんですよ。

――ファーストインパクトのすごさはいまだに印象的です。ただ、頂点王座である赤いベルトを持った現在はそれを超えないといけない立場です。5年間をざっと振り返るだけでも生き急いでる感じはしますが。

ジュリア 生き急いでるつもりはないんですけどね(笑)。急がされてるというか、ひとつひとつに本気でぶち当たってる感はあります。これが最後になったとしても悔いなくっていう気持ちは常にあります。

――むかしの女子プロレスは25歳定年制だったから必然的に生き急がざるを得ないというか。いまは時代が変わってはきましたが…。

ジュリア ひとつ言えるのは女子は男子より選手生命が短いので、その間に何を残せるか。

――スターダムの選手でとくに思うのはとにかく貪欲さがすごいです。それはやはり男子選手に比べて選手寿命が短いことが原因ですか?

ジュリア 気づいたら「時間だよ」って言われる。「あんた終わり」って言われちゃいますから(笑)。限られた時間でなにか残さないとって、とくにスターダムの選手はみんな思ってると思います。焦らないわけにはいかないですね。
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