ボクシング・シリーズ『DANGAN』は12日に記者会見を開き、元WBC世界バンタム級チャンピオンの山中慎介氏をアンバサダーに迎えて、『山中慎介バンタム級トーナメント』を開催すると発表した。なお、この名称については現段階では仮のものとしている。
写真上=山中氏(左)と古澤代表
この大会はバンタム級のA級ライセンス・ボクサーに参加を募り、約半年の予定でトーナメントを開催しようというもの。これまでの同様の大会では、同じレベルに限定してきたが、今回は東洋太平洋、WBOアジアパシフィック、日本をはじめ、タイトルホルダーの参戦も呼びかけていくという。実現すれば画期的な試みになる。
山中氏は世界バンタム級V12という大記録を持っており、バンタム級を対象とする大会の顔としてベストの人材としてオファーが出され、山中氏自身も快諾したもの。
トーナメントは8人の選手で争われ、7月23日に1回戦、10月31日に準決勝、決勝は1月に予定されている。1回戦が6回戦、準決勝・決勝は8回戦が予定されているが、タイトルマッチとして試合が行われる場合、ラウンド数はチャンピオンシップが規定するラウンドになる。優勝者には100万円の賞金が予定されている。
「申し込みが8人以上になった場合、リザーブマッチを行うことも検討している」(古澤将太・DANGAN代表)
トーナメント参加者募集はこれからで、参加申し込みの期限は5月15日としている。
山中氏も2007年に開催されたA級ボクサー・トーナメントに参加した経験を持つ。
「優勝して日本ランキングに入りましたが、当時、僕が世界チャンピオンになると思った関係者は誰もいませんでした」と笑わせたあと、「試合がなかなか組めない選手がいると聞いています。そういう意味でも意義はあるし、レベルの高い選手が集まれば、世界の登竜門にもなります。選手にとってとてもメリットのある試みだと思います」と語った。
古澤氏も「ファイティング原田さんを始め、辰吉丈一郎さん、長谷川穂積さん、そして山中さんとバンタム級は日本の伝統のクラスとも言えます。このクラスでトーナメントを開催することが若手育成、人気振興にもつながると思います」
また、優勝者には世界ランカーとの対戦など別の特典も考慮しているという。
日本のプロボクシング界は選手層が薄くなりつつあるのが現状。勢い海外の選手を起用する結果につながり、そのことが人気促進に効果をもたらしているとはいえない。今回のトーナメントが成功すれば、ほかの階級はもちろん、アジア圏など多彩な枠組みでのトーナメント戦実現にも弾みがつくかもしれない。
さまざまな意味で期待したい。
文・写真◎宮崎正博
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