27日、東京・後楽園ホールで行われたOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦は、チャンピオンの三代大訓(24歳=ワタナベ)が、元WBOアジアパシフィック同級王者で現OPBF4位の渡邉卓也(30歳=青木)に115対113、116対112、117対111の3―0判定で勝利。2度目の防衛に成功した。
上写真=右アッパーをクリーンヒットした三代。効果的なブローだった
ジャブの差し合いでスタートした両者は、三代が右アッパーカット、渡邉が左フックを狙うかたちを築き、中間距離を崩さない位置取りのまま推移していった。
三代はバランスよく、小さなステップで渡邉のブローをかわし、渡邉は堅いブロッキングとガードで三代の攻撃を寸断する。渡邉のジャブは浅くだが王者の顔面をよく捉え、逆にジャブが得意な三代は渡邉のガードに阻まれることが多く、続けて放つ右ストレートやオーバーハンドの迫力でインパクトを植えつけた。
6回、右で渡邉の左目上を切り裂いた三代は続く7回、右アッパーをグサリ。渡邉を後退させてビッグチャンスをつかんだ。
しかし8回、コーナーを笑顔で出てきた三代に、渡邉は必死の反撃。右、ジャブ、そして左ボディブローを決めて押し戻した。
細身ながら、前に出ていく力の強い渡邉に対し、三代がフィジカルの強さを見せたのは新たな一面だ。重心がしっかりと落ちている上にバランスがよく、また渡邉のバランスを崩させる小技にも長けていた。ここで渡邉が押し勝っていれば、また違った展開もありえたはずで、見逃せないポイントだ。
今回から中根征司トレーナーが新たに就き、毎週土曜に体幹トレーニングを積んでいるという。
「その効果が出たんですかね」と三代は笑顔で振り返った。
「左はノーモーションで出せるけど右は……」と不満を口にする三代だが、「でも、その右は格段によくなってる」と手応えも感じている。
「スーパーフェザー級は三代しかいない、と言われる存在になってから、世界に行きたい」という三代は、対戦したい相手として、前回引き分けた日本王者・末吉大(帝拳)、WBOアジアパシフィック王座に臨む元日本フェザー級王者・坂晃典(仲里)、元OPBFフェザー級王者の竹中良(三迫)の名前を挙げた。
三代の戦績は8戦7勝(2KO)1分。2016年大晦日以来の国内戦だった渡邉は45戦35勝(19KO)9敗1分。
文_本間 暁 写真_佐藤伸亮
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