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2019-02-13

【ボクシング】現役最多55戦の38歳と大学院卒ファイターが激突 あす日本ライトフライ級王座決定戦

写真上=前日計量をパスした堀川(左)と戸高
写真◉船橋真二郎

明日14日、東京・後楽園ホールで開催される『ダイヤモンドグローブ』はダブルタイトルマッチ。13日、JBC(日本ボクシングコミッション)で計量が行われ、セミの日本ライトフライ級王座決定戦は、王座返り咲きを目指す同級1位でWBC6位にもランクされる堀川謙一(38歳/三迫/38勝12KO15敗1分)が100gアンダーの48.8kg、初のタイトル挑戦となる同級2位の戸高達(29歳/レパード玉熊/9勝3KO2敗4分)はリミットの48.9kgでパスした。

「三迫ジムでベルトを獲る」
(堀川)

これが現役最多55戦目の堀川にとって、2015年の暮れに地元京都・大山崎町で現WBC世界ライトフライ級王者の拳四朗(BMB)に王座を追われて以来、日本タイトル奪還のチャンスは2度目になる。引退を撤回し、「新しい環境で成長したい」と16年3月から練習拠点を地元のジムから東京・練馬の三迫ジムに移した。WBOアジアパシフィック同級王者として迎えた17年4月、正式に三迫ジムに移籍した初戦が拳四朗の返上した同王座の決定戦だった。だが、過去2戦2勝の久田哲也(ハラダ=現WBA世界ライトフライ級1位)に雪辱を許し、ジムにベルトをもたらすことはできなかった。

以来6連勝5KO。昨年の挑戦者決定戦に勝利して堂々チャンスをつかみ、「ここで獲るために三迫ジムでボクシングを続けてきた」と力を込める。

「特にトレーナーの加藤(健太)さんがそうなんですけど、三迫ジムの仲間に支えられて、ここまで来ました。1回獲っているベルトなんですけど、まったく意味が違うし、三迫ジムで獲らないと意味がない」

昨年10月の挑戦権獲得以来、「なかなかのプレッシャーを感じながら過ごした期間でした」と笑った堀川。来月で39歳になるベテランは、充実した環境で過ごしてきた約3年の日々を明日のリングで形にする決意だ。

レパード玉熊ジム15年ぶり王者狙うーー戸高

報道陣に囲まれた戸高は「自分のことじゃない感じがします」と初々しい。ジムとしては、元日本ウェルター級王者の小林秀一が04年4月に王座から陥落して以来、約15年ぶり2人目の日本王者を目指す。小林は当時、国立大出身(東京工業大)としても話題になったが、奇しくも戸高も国立東京海洋大から大学院を出た経歴を持つ。

戸高は現在4連勝中。9勝3KOの数字以上のパワーを感じさせるものの、ディフェンスに難があり、粘り強く激闘を勝ち抜いてきた。衰え知らずの堀川に対し、不利予想は否めないが「やることはやってきたし、積極的に攻めたい」と戸高。大ベテランが見せる円熟のボクシングをかき乱すことができるか。

取材・文◎船橋真二郎

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