写真上=仮想ベルトランに扮した同僚の元世界王者・小國以載に右パンチを放つ岡田
写真◉ボクシング・マガジン
トップランク社と契約したWBOアジアパシフィック・スーパーライト級チャンピオン岡田博喜(角海老宝石)のアメリカ第2戦が決定した。2月10日、カリフォルニア州フレズノで元WBO世界ライト級王者レイムンド・ベルトラン(メキシコ)との10回戦に臨む。勝てば世界挑戦に大きく近づく一戦となる。
9月に同じフレズノでアメリカ・デビュー戦を行った岡田は、クリスチャン・ラファエル・コリア(アルゼンチン)に2-1で判定勝ちしたものの、最終回にはダウンを喫する苦戦。「イメージ不足だった」と反省し、11月には1ヵ月に及ぶロサンゼルス合宿を敢行、デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)やドミトリー・ビボル(ロシア)らの世界王者を間近に、改めて本場のボクシングを肌で学んできた。
元WBOライト級王者のベルトラン
写真Getty Images
今度の相手、ベルトランは自他ともに過去最強と認める強打のメキシカンだ。2015年には粟生隆寛(帝拳)と空位のWBOライト級王座を争ったが、2分の1ポンドの体重超過で失格。試合は右強打を炸裂させて2回TKO勝ちしたものの、試合後に禁止薬物の使用が発覚して無効試合となり、1年間のサスペンドを受けた。2018年には元WBA王者パウルス・モーゼス(ナミビア)との決定戦を制し、WBO王座を獲得。8月、ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)に判定負けして初防衛に失敗したのが最新の試合で、岡田戦がスーパーライト級転向第1戦となる。
ベルトランの印象を「打たれ強い」とした岡田。「ゴリゴリ攻めてくるのでスピードと距離が大事。距離をつぶされても付き合わないこと」を念頭に、前半からポイントを先行して逃げ切りたい、とプランを明かした。
ベルトランのことは「粟生さんとやったときのイメージが強く、昔から意識していた」といい、対戦を聞いたときは「ドキッとした」ともいう岡田。「こういう選手と戦うときがついに来たか」と、いよいよ世界のトップシーンに近づいたことを実感している。
WBO2位をはじめ世界4団体でランクされる岡田に対し、ベルトランもライト級でWBO6位、WBC9位。勝者には「より大きなステージ」が用意されているというから、まさに勝負の一戦だ。同日のメインはWBC同級王者ホセ・カルロス・ラミレス対ホセ・セペダ(ともにアメリカ)で、岡田対ベルトランはセミファイナル。ESPNでの全米中継も予定されている。
取材◉藤木邦昭
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