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2019-01-13

【ボクシング】日本スーパーバンタム級王座決定戦 田村亮一が新チャンピオンに

写真上=田村(左)が力強い攻撃で終始、中川を圧倒した
写真◎小河原友信

 日本スーパーバンタム級王座決定戦10回戦は12日、東京・後楽園ホールで行われ、同級2位の田村亮一(JBスポーツ)が1位の中川麦茶(角海老宝石)に3ー0の判定勝ちでタイトルを獲得した。

 試合は田村の先制攻撃に始まり、そのまま押し切る展開となった。立ち上がりからパワフルに上下に打ち分けてくる田村に、中川はカウンターを狙うが、田村の圧力に押され続けた。

「足を使ってくるか、カウンターでくるかと、2通りを考えていたが、ジャブを突いて前に出たら、何もしてこなかったので……」と田村。

 回を重ねるごとに攻撃を加速させていく田村に、中川は「細かいテクニックを感じた。ジャブを当てたかったが、芯で当たらず、戻るときにパンチを返してくるのでやりにくかった」。

 5回終了時点で発表された途中採点は1~5点差でいずれも田村。終盤に進んでも田村の勢いは衰えず、的確な左に続くワンツー攻撃で中川をロープ際に追い込み、何度も棒立ちにさせる。

 最終回、残り30秒を切ったところでようやく中川の右アッパーが炸裂。一気に追い込んだ中川だが、決定打に至らず。「倒すしかないと思って行ったが、力んでる分、当たらなかった」(中川)。田村が99対91×2、97対93と大差の判定を得た。

『はじめの一歩』の作者でもあるJBスポーツジムの森川常次会長は、中川の頑張りに驚嘆しながらも、福島学以来、JBスポーツジム19年ぶりの日本チャンピオン誕生に感激。自らもセコンドに入ったが、「田村もいい年(31歳)だし、山田(武士)トレーナーに任せることができた」と胸をなでおろした。

 小学5年でボクシングを始め、作新学院高、日本大を経てプロ入りもデビュー戦は判定負け。ジムを移籍し、2度目の日本タイトル挑戦で栄冠をつかんだ田村は「JBスポーツジムに遅れた手土産を渡せた。一歩をずっと読んできて、夢が現実になった」。正月返上でこのタイトルマッチに賭けてきていたので、いまは「何も考えられない」と言い、山田トレーナーに「やっと餅が食べられるな」と労われた。

取材◎藤木邦昭

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