写真上=ブドラー(右)に得意の左アッパーを放つ京口
写真◎Getty Images
31日、マカオで行われたWBAスーパー世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦は、挑戦者の京口紘人(ワタナベ)がチャンピオンのヘッキー・ブドラー(南アフリカ)に10回終了TKO勝ちした。京口はIBFミニマム級に続く世界2階級制覇に成功。ブドラーは5月に京口の先輩、田口良一から奪った王座の初防衛に失敗した。
10回が終了したときだ。赤コーナーに戻るはずのチャンピオン、ブドラーが突然、京口に歩み寄り、笑顔で京口を称えた。「降参」の意思表示だった。
「迫力には欠けるが、コツコツとジャブで弱らせていく作戦を遂行できた」と京口。試合巧者のブドラーと序盤戦は激しいペース争いを繰り広げたが、中盤に入るとブドラーがボディブローのダメージを深めていく。王者に勢いがなくなったと見るや、京口は得意の左アッパーを連発。9、10回と倒すチャンスもあったが、ここでもジャブを忘れず、落ち着いた攻撃でじっくりと追い詰め、ブドラーの戦意を失わせた。10回までの採点でも2、4、6ポイント差で京口がリードしていた。
先輩・田口の持っていたベルトをワタナベジムに奪還。「仇討ちできてうれしい」と笑顔を見せた京口は「評価の高いスーパー王者に勝てたのは自信になる」と、新たなクラスで戦っていく決意を示した。
今後はビッグマッチに意欲を見せたが、かねて公言してきたWBC王者・拳四朗(BMB)との統一戦を振られると「いや、勝てないです」と返答。「やっと肩を並べただけ。僕なんか、まだまだ新米チャンピオンですから」と5度防衛の先輩王者に敬意を表するとともに、対戦までにさらなるレベルアップを期した。同じライトフライ級に並び立った2人の無敗王者。2019年は統一戦の実現に期待したい。
取材◎藤木邦昭
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