写真上=緊張感に溢れた2ラウンドのスパーリングに、拳四朗(右)、京口とも「収穫あった」と声を揃えた
写真◎佐藤伸亮
WBC世界ライトフライ級チャンピオンの拳四朗(BMB)と前IBF世界ミニマム級チャンピオンの京口紘人(ワタナベ)が13日、後楽園ホールのメインイベントを前に豪華スパーリングを行った。
拳四朗は30日に東京・大田区総合体育館で8位サウル・フアレス(メキシコ)と5度目の防衛戦。京口は31日、マカオでWBA世界ライトフライ級スーパー王者ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)に2階級制覇をかけて挑戦。ともに重要な試合を控えた日本軽量級の至宝2人が、3分2ラウンドで火花を散らした。
スパーするのは昨年4月の大阪以来という両者に、遠慮はなかった。京口が迫力たっぷりの左ボディ、右ストレートで肉薄すれば、拳四朗は矢継ぎ早にジャブを繰り出して対抗。緊迫感に満ちたハイレベルの攻防に、ホールは「本番で見たい」の声で溢れた。実際にグローブを交えた本人同士も刺激的なマッチアップに感謝し、「楽しかった」と口を揃えた。
「(拳四朗は)去年やったときより、引き出しもジャブの精度も上がっている。やっぱりジャブはうまいし、力強くなっていて、すごい武器だと思った。今日やった感じでは、僕の方が劣っていると感じました」と京口は拳四朗の能力を素直に称えたが、「右ストレートが2発、感触あった。向こうも顔色が変わった」と収穫を語った。京口は「こっちもベルトを獲って、肩を並べたら」とした上で、もちろん統一戦を歓迎。「ライトフライ級で一番強いのは拳四朗さんだと思っている。勝ち負けに関係なく、ボクシング界を盛り上げたい。来年はチャンピオン同士、最高の舞台でやりたいので、期待してください」とファンに宣言した。
拳四朗も「こういう緊張感のあるスパーはなかなかない。次、頑張ろうと思えます」と笑顔を見せた。内容については「ちょっと焦った。(京口は)プレッシャーが強い。ガード上げて、どんどん前に来る」と、こちらもライバルの実力を認めたが、「まあ、練習ですから」といつもどおり、はんなりとした答。統一戦についても「もちろん(年末に)2人とも勝って、来年できれば」としながらも「僕も指名(防衛戦)があるので」と、先輩王者らしく夢のカード実現に焦りは見せなかった。
まずは年末、両者による連夜のパフォーマンスに注目したい。
取材◎藤木邦昭
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