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2023-05-18

【陸上】木南記念で西田有里がインターハイに弾み 滋賀県大会は400mと800mに出場

静岡国際ではトップ選手に混ざって走ることに対しての不安があったという西田。静岡の反省を踏まえた木南で、日本人トップの2位。高校歴代9位の2分05秒09をマークした(写真/黒崎雅久)

5月6、7日にヤンマースタジアム長居で行われた木南道孝記念大会。グランプリ女子800mで、西田有里(草津東高3年・滋賀)が日本高校歴代9位となる2分05秒09をマーク。社会人・大学のトップ選手を抑えて、日本人トップの2位に入り、来るインターハイシーズンに弾みをつけた。

静岡国際での反省を踏まえ、木南記念で日本人トップ

女子800mはタイムレース決勝で行われ、西田は最終3組に出場。同じ組には、昨年の日本選手権を制した塩見綾乃(岩谷産業)、4位の池崎愛理(ダイソー)らが並んだ。

ペースメーカー2人の後ろに、ガヤンティカ・アルティガラ(スリランカ)、塩見、内山成実(アイ・エス・シー)がつき、西田は最後尾でレースを進める。1周目は59秒とハイペースで通過。ガヤンティカが抜け出し、日本人トップを巡って各選手たちが動き出すなか、後方から西田が勢いよく追い上げる。ラストの直線で塩見らを抜き去り、そのままフィニッシュした。

西田は3日に行われた静岡国際陸上競技大会(静岡・エコパスタジアム)の最終3組にも出場。1〜2組で亀井咲里(東大阪大敬愛高3年・大阪)が2分06秒59をマークするなど高校生が好走するなか、西田は組最下位の2分11秒48にとどまった。今季初戦にも関わらず、トップ選手に混ざって走ることへの不安と焦りがあったという。

「これまで大人の選手と走る機会がなく、すごい方たちと走るという緊張と、ほかの高校生が良い記録を出していたので、周りに目が行ってしまい、自分の走りが全くできなかったのが反省点です。同世代とのレースで一番後ろになることはないのですが、序盤から抜かされていくことに焦ってしまい、リズムがどんどん崩れてしまいました」とレースを振り返る。

静岡国際での反省点を踏まえ、木南記念では「1周目は最後尾でも落ち着いて走り、自信のある後半で勝負して粘り勝つ」とのレースプランを立てていた。その通りの走りができたことは納得している一方、「1周目の58〜59秒のペースについていけないのがまだまだ課題。そこが大人の選手との差だと思いますし、1周目をもっと速く入り、後半で自分の走りができればタイムが上がってくる」と、グランプリ参戦を通じて今後につながる収穫も得た。

西田は木南記念で自身2度目の2分5秒台をマークし、日本人トップに立った(写真/毛受亮介)
西田は木南記念で自身2度目の2分5秒台をマークし、日本人トップに立った(写真/毛受亮介)

1周目のスピードアップで目標の高校記録更新へ

西田にとっては昨年10月の栃木国体でマークした2分05秒93を更新しての二度目の2分5秒台。「国体ではラスト50mが全然動いていませんでした。今回は最後まで足が動いて、ラストスパートもしっかり出し切れたので、課題だった部分も修正できました」と成長を感じている。昨秋は県高校駅伝・近畿高校駅伝の3区を走り、その練習を通じて、持久力やスタミナを強化できたという。

昨年の徳島インターハイは2位。秋の栃木国体少年A、U18大会で二冠と主要大会で好成績を収めてきた西田。今季は塩見が持つ高校記録(2分02秒57)の更新を目標に掲げている。

「去年の国体が終わってからずっと高校記録を目標にしているので、塩見さんと一緒に走らせてもらえて楽しかったです。(高校記録に)少し近づけた感覚がありました。ラストスパートが動いていたので一番の課題は修正できましたが、1周目のラップはもう少し速く入れるように練習していきたいです」

国内トップレベルの選手たちとのレースを経て、また一つ成長の種を得た西田。この経験を糧に、夏の大一番へと挑んでいく。

文/荘司結有 写真/毛受亮介、黒崎雅久

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