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2023-05-19

【しゅりんぷ池田のカード春秋】ソフトバンクでドライチが不振の不思議

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この流れを断ち切りたい!

 ソフトバンクのチームカードが発売となりましたが、そのカードを総覧していて気が付いたことがあります。それは2013年入団の東浜巨を最後に、ほとんどのドラフト1位入団の選手が主力級に育っていないということです。

 この10年間で加治屋蓮、田中正義、吉住晴斗とすでに3人のドライチがチームを去っているのです。クジを3度外しての1位指名だった吉住はともかく、5球団が競合した16年秋のドラフトで最大の目玉だった田中が未勝利のまま、現役ドラフトの対象となって流出してしまったのは大変意外です。

 確かにクジでは、この10年で2勝5敗と分が悪いのですが、その2勝の上記田中、15年ドラフトで3球団が競合した髙橋純平も1シーズン中継ぎで活躍したのみで、今季も一軍登板なしと芳しくありません。

 ホークスと言えば、いち早く三軍、四軍をスタートさせ、その下部組織の育成能力が高く評価されています。ドラフトでもほかのチームが選択終了となる中でソフトバンクのみが延々と育成選手を指名し続けるのが毎年の風物詩となっているほど。

 中でも10年秋のドラフトでは育成指名した千賀滉大、牧原大成、甲斐拓也がのちに日本代表クラスの選手に育ち、プロ野球ファンや関係者を驚かせました。

 このように育成上がりの選手が主力となっている一方で、期待のドラフト1位指名選手が振るわないというのは不思議な現象です。今年のイヒネ・イツアは、その素質を評価されてのドライチだったと思われますが、この流れを断ち切ることができるでしょうか。
(週刊ベースボール2023年5月29日号 掲載記事再編)


BBM福岡ソフトバンクホークスベースボールカード2023 H51 イヒネ・イツア

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