写真上=川島郭志2世の期待を担う川浦
写真◉山口高明
22日、後楽園ホールのスーパーフライ級8回戦に出場した不敗の新鋭、川浦龍生(川島)は、吉村裕紀(フジタ)に3回1分10秒、カウント中のタオル投入によるノックアウト勝ちで、デビュー以来の連勝を5(4KO)に伸ばした。
対戦者の吉村は6年間のブランクがあり、2016年のカムバック後は1年に1戦ずつとアクティブに戦っていないが、ブランク以前は中堅の手堅い技巧派として一目置かれる存在だった。この日もときおりカウンターアタックを試みたりと、かつての片鱗を見せる。ただ、25歳、今がキャリア作りの盛りにある川浦は、いとも簡単に攻略した。
初回から、サウスポーの川浦が放つ右ジャブ、左ストレートが光る。速いし、強いし、そしてなかなかエグい角度で決まる。吉村も2回にはラフな左右でかき回しにかかるが、川浦は余裕を持ってカウンターを決めた。
フィニッシュは一瞬だ。川浦の右フック、すかさず切り返した左ショートのボディブロー。吉村はゆっくりと崩れ落ちた。
川浦はアマチュアボクサーとして徳島市立高校から中央大学に進んだ。大学を出た後は故郷の大先輩、川島郭志会長を慕って川島ジムに入門した。
「(アマチュアと違って)プロは一戦一戦の重みが違います」
完勝に笑顔がこぼれる。
「吉村選手は意外に手が長く、距離がはかりずらい。こちらの距離で戦えるよう、スピードで勝負しました」
夢はボクシングの最高地点。これからは上位との対戦になる。
「ランカーと戦うとなったら、もっと気合いを入れていかないといけません」
そのためなら、会長が課す厳しい指導にも耐えられる。WBC世界スーパーフライ級タイトルを6度も守った川島会長は、アンタッチャブルと呼ばれた超絶技巧派だった。タイプは少し違っても、川浦が目指すのはその境地。ボクシングを観る側も長い目で見守っていかなければならない。
取材◉宮崎正博
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