※初来日のキリル・レリク。その強打は横浜アリーナで炸裂するか
写真◎ボクシング・マガジン
10月7日、横浜アリーナで開催されるWBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)。ファンの話題はもっぱら井上尚弥(大橋)に集中しているが、もう一つのカードも見逃せない。スーパーライト級のキリル・レリク(ベラルーシ)と、エデュアルド・トロヤノフスキー(ロシア)の一戦だ。
井上対ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)のWBAバンタム級戦に先立って行われるこの試合は、レリクの持つWBAスーパーライト級タイトルの初防衛戦であり、記録サイトBoxrecで5つ星の評価を得る好カード(ちなみに井上対パヤノは星4つ)。
なにしろベラルーシ2人目の世界王者レリクが22勝19KO2敗なら、元IBF王者のトロヤノフスキーは27勝24KO2敗と、ともに高いKO率を誇るハードパンチャーで、海外でも大きな注目を集めているのだ。
トロヤノフスキーといえば2年前、小原佳太(三迫)を2ラウンドでリング外に叩き出した衝撃のシーンが忘れられない。ところがその3ヵ月後、WBO王者ジュリアス・インドンゴ(ナミビア)との統一戦では開始40秒、左フック一撃でKO負け。実に派手なキャリアを辿っているが、その後は強豪相手に2連続KO勝ちで世界戦線に復帰している。
レリクの方は、まだ日本のファンには馴染みが薄いが、こちらは今年3月、実力派のランセス・バルテレミー(キューバ)に初黒星をつけてWBA王座獲得。このバルテレミー戦は再戦で、初戦はレリクが判定で敗れたが、同情の声も多く、逆にアメリカで評価を上げた。アマで300戦以上経験したテクニックに加え、よりレベルの高いボクシングを目指して現在はアメリカのマイアミに本拠地を移し、このWBSSで大きな飛躍を図る。
ライブではなかなか見られないヨーロッパ勢同士の強打戦。10・7は井上尚弥の登場を前に、まずこのレリク対トロヤノフスキー戦が横浜アリーナを熱くしてくれそうだ。(本誌・藤木邦昭)
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