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2018-05-28

八重樫&清水が8月にダブルメインで日本人対決

※右から大橋秀行会長、八重樫、清水、松本好二トレーナー。井上尚弥の“衝撃”がまだまだ色濃いが、同ジムのトップボクサーが次々に登場する

文&写真_本間 暁
Text & Photos by Akira Homma

 井上尚弥(大橋)の衝撃的な世界3階級制覇達成から、まだ3日。
4階級制覇を目指す八重樫東、そしてロンドン五輪銅メダリストのOPBFフェザー級チャンピオン清水聡(いずれも大橋)のダブルメインイベント戦が28日、発表された。 
8月17日(金)、東京・後楽園ホール。
八重樫の相手はWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級王者の向井寛史(六島)。清水の相手は、OPBF同級10位の河村真吾(堺東ミツキ)。八重樫対向井はスーパーフライ級10回戦、清水対河村はOPBFタイトルマッチ12回戦で行われる。

元々サウスポースタイルの松本トレーナーだから、“仮想・向井”はうってつけ!? 激しいプレスでロープに追い込む

 昨年5月にIBF世界ライトフライ級王座を奪われた八重樫は、さる3月にリング復帰。WBAミニマム級、WBCフライ級と合わせて世界3階級制覇を果たしているが、今度はスーパーフライ級で4つ目のベルトに照準。
 向井との対戦は、「勝ったほうが世界へ向かうサバイバル戦」(大橋会長)で、八重樫にとっては2013年4月の五十嵐俊幸戦以来の日本人選手との顔合わせとなる。
「向井選手のトレーナーは、昔戦った武市(晃輔)さんで、そういうのイヤなんですが(笑)、それは気にせず戦います。久しぶりの日本人選手との対戦、すごく楽しみです」と、様々な思いを交錯させつつ笑顔で語る。
 前回は相手の力量も自分の出来も不本意だったが、ボクシングに関して思考しそれをジムで体現する、その“当たり前のこと”の大切さ、ありがたさを噛みしめている風情だ。
「残りわずかのボクシング人生。1発1発にいろいろな想いをこめて戦います」と気力に満ちている。

2013年度全日本新人王の河村もサウスポー。清水も左構えの松本トレーナーが持つミットに、強烈なフック、アッパーカットを打ち込んでいく

 ロンドン五輪金メダリストからプロの世界の頂点に立った同い年の村田諒太(帝拳)を追って──。プロ戦績6戦全勝全KOの清水も、「今度もKOで勝って、世界タイトルマッチへ」と意気込む。4戦目でOPBF王座を獲得した清水だが、その試合ではコリアン・ファイターに巻き込まれ気味だったが、前回の試合では、離れてよし、接近してよしというボクシングを披露。
「ハードなトレーニングをこなして、心身ともに実力がついてきました。しっかりバランスを整えることを意識していて、いまはそれがうまくできています」と、こちらも充実の時間を過ごしている。
 一見、突っ立ったように見える清水のスタイルだが、179cmの長身と懐の深さを利用する術は、豊富なアマキャリアで身に着けている。それに加え、細身ながら体幹の強さが硬いパンチを生み出しており、強打にも磨きがかかっているようだ。
 ロンドン五輪の1回戦で戦った(清水のポイント勝ち)アイザック・ドグボエ(ガーナ)が、先日WBO世界スーパーバンタム級王座を獲得し、これも大いに刺激になっている様子。
「戦った相手がチャンピオンになったのは嬉しい。いまはクラスも違うけれど、もし上がってくることになったら、ぜひ戦いたい」とのこと。

 八重樫35歳、清水32歳。25歳の井上尚弥が「大エース」なのは間違いないが、オーバー30コンビも、まだまだ若々しくジムを牽引している。

毎週土曜の階段トレーニング、大阪でのミニキャンプ。寝食をともにすることも多いコンビは、まだまだ元気!

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