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2018-04-22

IBMオフェンス好調、HCクラフト初陣飾る

アメリカンフットボールの「Xリーグ」は4月21日から富士通スタジアム川崎で、春季東日本社会人選手権「パールボウル」トーナメントの1次リーグ戦が始まった。第2試合のIBMビッグブルー―電通クラブキャタピラーズは、IBMが63-0で電通に完勝した。

【IBM vs 電通】ランで92ヤード2TD、パス3回レシーブ48ヤードとマルチな活躍を見せたIBMのRB伊藤

IBMビッグブルー〇63-0●―電通クラブキャタピラーズ

X2から昇格し、大学時代の好選手を揃えた電通の挑戦を、今季からヘッドコーチ(HC)を兼任するQBケビン・クラフト率いるIBMが一蹴した。IBMはクラフトが先発、第1クオーターに、TEジョン・スタントンに73ヤードのタッチダウン(TD)パスを決めて先制すると、その後も得点を積み重ねた。IBMオフェンスは、パス312ヤード、ラン220ヤードの猛攻、クラフトのパスは2/5だったが、成功した2本がいずれもTDパス。変わった政本は17/25で230ヤード、3TDと気を吐いた。レシーバーでは細谷海斗、RB陣では伊藤隆貴、鈴木恵太、鎌田洋輔という若手の活躍が光った。クラフトはHCとして初勝利を挙げた。

【IBM vs 電通】第3Q、IBMフォースダウンギャンブルからWR細谷がパスをキャッチしてロングゲイン

【IBM vs 電通】第2Q、IBMのS中谷が、元チームメイトの電通QB多川からこの日2本目のインターセプトを決め、そのままリターンTD

◇クラフトに強力な「軍師」、経験豊富カウマイヤーがDCに

今季からIBMのアシスタントヘッドコーチ兼任でディフェンスコーディネーター(DC)に就任した、トム・カウマイヤーが存在感を見せつけた。

ディフェンスの米国人2枚看板のうち、ジェームス・ブルックスが春は欧州で活動するために不在、チャールズ・トゥアウも出場は限定的だったが、LBを減らし、DBを増やすサブパッケージを使い、ブリッツも含め積極的にQBにプレッシャーをかける戦術を展開した。主将のS中谷祥吾が元IBMのQB多川哲史から2本のインターセプトを奪い、うち1本はリターンTDに結び付けるなど、良い面が出た。サイドラインでも、精力的に動き、若い選手が多いDBを教え導いた。

カウマイヤーは、NFLジャクソンビル・ジャガースでDBコーチ、チューレーン大とハワイ大でもDCを務めるなど経験豊富。日本でも、コーチとして富士通の日本一達成に関わるなど多くの実績を持つ。クラフトHCにとっては、父のトム・クラフトさんを通じて子供のころから知っていた「フットボールの先生」の一人という。オフェンスコーディネーターと合わせ「三足の草鞋」となる新HCにとっても、非常に心強い「軍師」的な存在となりそうだ。

(文・写真/小座野容斉)

【IBM vs 電通】サイドラインで言葉を交わすクラフトHC(右)とカウマイヤーアシスタントHC

【IBM vs 電通】電通QB多川をロスタックルに仕留めるIBMディフェンス陣。カウマイヤーDC指揮のもと積極的な仕掛けが光った

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