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2019-08-23

【BBM cards Editor's Special Column #2019−20 DeNA70周年】「25」と「26」がすごい!

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BBMカードのアイテムにまつわる四方山話をお届けする、制作担当者のコラムシリーズ。20本目となる今回は、横浜DeNAベイスターズ70周年カードについて。何やら不思議な数字があるようで…。

歴代ランキングに見る
「16人中11人」の驚き

 下記に掲載しているのはDeNA球団の安打、本塁打、打点の歴代ランキング(記録は18年終了時点)の上位者なのですが、このメンバーには一つ共通点があるのです。それは背番号。

 松原、村田、筒香が25番、近藤和、田代、佐伯が26番なのです。この2つの背番号を着けた選手が下記ランキングのべ16名のうち11名を占めているのですから驚きます。

■安打■
(1)石井琢朗 2307
(2)松原 誠 2081
(3)近藤和彦 1725
(4)高木 豊 1668
(5)金城龍彦 1627
(6)佐伯貴弘 1575

■本塁打■
(1)松原 誠 330
(2)田代富雄 278
(3)村田修一 251
(4)桑田 武 223
(5)筒香嘉智 176

■打点■
(1)松原 誠 1172
(2)田代富雄 867
(3)ローズ 808
(4)佐伯貴弘 789
(5)村田修一 732

青字の選手が背番号25、緑字の選手が背番号26

ベイスターズ背番号25の系譜

 1962年入団の松原誠の背番号は当初38番だったのですが、4年目の65年から25番を背負い、80年限りで退団するまで16年間、同番号を独占します。その65年から四番に座って活躍。球団記録でいうと、出場試合数2位、安打2位、本塁打1位、打点1位という素晴らしい記録を残しました。

 その後、25番はさまざまな選手に渡ることになります。01年にはその年のドラフト1位・内川聖一が背負ったのですが、なぜか1年限りで背番号を2に変更。「25」は03年に自由枠で入団した村田修一の手に渡ります。25番は村田が大学時代にも着けていたフェイバリットナンバーということで、その時点で空いていた25番を村田も所望したのではないでしょうか。そして07、08年と連続して本塁打王に輝き、08年の46本塁打は今なお球団のシーズン記録となっています。

 その村田が11年オフに巨人にFA移籍したあと、25番を継いだのが現役の筒香嘉智でした。10年のドラフト1位でしたが、当初の背番号は55。そこから2年目に8。そして、3年目の12年に25と目まぐるしく背番号を変更しました。

 筒香は背番号を25とした12年に初めて2ケタ本塁打をマーク。翌13年は23試合の出場で1本塁打のみと低迷しますが、5年目の14年以降は着実な成長を見せ、ベイスターズのみならずWBCで日本代表の四番を打つ主砲に成長しました。原稿執筆時点で本塁打5位、打点9位につけていますが、DeNA球団でプレーし続けるならば、ほとんどの部門でトップクラスの成績を残すことになるでしょう。

19BBM DeNA70周年/No.18 松原 誠

19BBM DeNA70周年/No.75 村田修一

19BBM DeNA70周年/No.90 筒香嘉智

ベイスターズ背番号26の系譜

 60年の初優勝にも貢献した近藤和彦は58年の入団で、同年から72年に退団するまで15年間、背番号26を背負いました。頭上でバットを水平に構える独特の“天秤打法”からヒットを量産。60年から3年連続を始め打率2位を都合4度記録しましたが、同期入団・同年齢の長嶋茂雄(巨人)らに阻まれ、ついに首位打者には届かず。それでも、通算1725安打は球団歴代3位、158盗塁は5位という好成績を残しました。

 この26番を73年から継いだのが田代富雄でした。ドラフト3位の高校生がこんな若い番号をもらえたのは幸運でしたが、期待に応えて成長。5年目(一軍デビュー2年目)の75年に35本塁打で同年から9年連続で20本塁打以上をマーク。278本塁打、867打点はともに松原に次ぐ球団歴代2位という好記録を残しました。“オバQ”のニックネームで知られた人気者で、引退後も長く指導者を務め、今季9年ぶりにDeNAに復帰、チーフ打撃コーチを務めています。

 その田代が91年限りで引退したあと、93年から26番を背負ったのが佐伯貴弘でした。彼の残した1575安打が歴代6位、155本塁打が8位、789打点が4位というのは少し意外な気がしませんか。というのも、在籍した18年間で規定打席に到達したのは6回しかなったのです。

 98年の優勝時に相手投手の左右によって中根仁と併用されたり、2000年代に入ると佐伯とポジションが重なる外国人選手が入団したりと、必ずしもフルに出場できていたわけではないのです。それにもかかわらず、これだけの数字を残したのはすごいとも言えますが(佐伯は01~06年は背番号10を背負い、07~10年に再び背番号26に)。

 この背番号26は現在、ローテーション投手の濱口遥大が背負っているのですが、いつの日かまた球団史に残るような打者の背中に帰ってくる日があるでしょうか。

文◎しゅりんぷ池田

19BBM DeNA70周年/No.10 近藤和彦

19BBM DeNA70周年/No.32 田代富雄

19BBM DeNA70周年/No.61 佐伯貴弘

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