本年度版の女子プロレスカードのパックに登場していただいた志田光選手は、レスラーとしてのポテンシャルも高い位置でキープする一方、もともとのスタートである女優としての道にも強いこだわりを持っている。
そもそもなぜ、女優を志した彼女がプロレスラーになることになったのか。当時は大きな話題となったが、10年前のことなので細かくご存じない方も増えてきたのではないかと思う。
「BBM女子プロレスカード2018 TRUE HEART」発売記念特別企画の最終回、志田光選手インタビューの後編では、女子プロレスラーとしてデビューすることになった当時のエピソード、そして迎えたデビュー10周年イヤーへの思いも語っていただいた。
※前編はこちら!
PROFILE
志田光(しだ・ひかる)
1988年6月11日、神奈川県高座郡寒川町出身。高校卒業後、女優業を志し芸能事務所に所属するが、映画「スリーカウント」のオーディションを受け、その合格条件がプロレスデビューであったことからアイスリボンに入団。2008年8月23日の新木場1stリング大会でデビュー戦を行った(対戦相手は星ハム子)。結果的に映画では主演を務め、その封切り後もレスラーを続けて中心選手に成長。14年3月30日にアイスリボンを卒業後は、フリー選手としてさまざまな団体で活躍するとともに、自主興行も積極的に開催した。その一方で舞台への出演も多数経験。17年2月、かねてよりレギュラー出演していた「魔界」に所属(MAKAI)することを発表した。今年、デビュー10周年を迎える。
BBM ここまでお話を伺ってきて、改めて志田選手は舞台などの世界のご出身だなって思いますね。もともと、プロレスにはそこまで……。
志田 正直、ほとんど知らなかったんです、プロレスって。
BBM 観る機会も?
志田 はい、全然なくて。プロレスとボクシングの違いもあまり分かっていなくて。ただ、ボクシングは映画の「ロッキー」が好きだったので、知ってはいたんですけど。
BBM そう考えると、ものすごいことですね。これまでのスポーツ歴は……。
志田 うちは柔道一家でしたので、3歳くらいから柔道を始めました。その後、中学生からは剣道です。学校に柔道部がなかったので「じゃあ剣道でいっか~」って感じで(笑)。剣道は高校まで続けましたね。
BBM その後、女優を目指されたのですか?
志田 まずは大学進学を目指したんですが、自分の中で「私は大学に進んで、何を学びたいんだろう、何をしたいんだろう」って考えちゃったんです。もともと小さい頃から女優さんには憧れていたので、ならばその道に挑戦してみてもいいんじゃないかって思うようになって。
BBM 芸能事務所に入られてからはどんなお仕事を?
志田 ほとんどエキストラですね。レギュラー出演ってなっても、全然台詞がないみたいな役ばかりで。
BBM そんなときに、映画「スリーカウント」のオーディションを受けられるわけですね。
志田 はい、事務所に入って半年経ったかどうかくらいでした。映画のオーディションを受けに行ったのに、プロレスラーになれたら合格ですみたいな。いついつの練習に来てくださいとか言われて「おや~?」みたいな(笑)。
BBM 普通で考えたら、無茶苦茶な話ですよね。女優の、役のオーディションじゃないですもんね。
志田 マネジャーさんも「えっ、本当にやるの?」って感じだったんですけどね(笑)。でも私はずっとスポーツを続けていましたから、演技には何の自信もなかったですけど「体力だけで役をもらえるの?」みたいな感じで(笑)。培ってきたものは体力だけでしたし。だから私にとってはビッグチャンスでしたね。体力でダメなら、他もダメでしょって思いましたし。
BBM 結果、主演です。
志田 でも、制作サイドとしては苦渋の決断だったみたいですよ、何の演技もできないヤツを主演にするというのは。でも最初にレスラーとしてデビューしているし、監督は相当悩んだみたいです(笑)。
BBM デビューしていつまで続けなきゃいけないって決まりはあったんですか?
志田 1年は続けねばならないと言われていました。でも最初は無茶苦茶辞めたかったです。どこで何を間違えて、自分はいまこんなことをしているんだろうって思ったんですけどね。なのに映画が公開されて、実際に観たら自分で言うのもなんですけどすごく良くて(笑)。私が大きなスクリーンの中でプロレスをしていて、それがすごく輝いて見えて。いま辞めてしまったら元の何もない自分に戻ってしまうんだなと思ったら……だから続けさせてくださいとお願いしたんです。ただ正直、映画が公開されるまでの期間は本当に長かったですけどね。
BBM ずっと辞めたかったわけですものね。
志田 映画はプロレスデビューしてから撮影だったんです、デビューしないことにはキャストが決まらないわけですから。2008年の8月にデビューして、そこから撮影を始めて、公開は2009年の6月でした。それまでの期間って、映画も撮り終えたのに何で私はまだプロレスを続けているんだろう……って思ってて。きっと合格した8人、みんな同じ気持ちだったんじゃないかなって思うんです。だから1年は続けるという約束でしたが、予定を繰り上げて12月に卒業式をするということになり、そこで辞めてもいいよって……。
BBM なのに辞めなかった。
志田 「1年続ける約束だったから」って私は意地を張って(笑)。それで残ったのが3人でした。
BBM 藤本つかさ選手、松本都選手ですね。
志田 私も辞めたかったんですけど、主演でしたからね。映画が公開されるときにプロレスをしていないのはやっぱりおかしいと思ったんです。ですから逆に、主演でもないあの2人が残っているのはなんでだろうって(笑)。
BBM それが10年経ったいまも皆さん、それぞれ違う個性を見せつつ現役を続けられています。
志田 すごいことですよね、本当に! 私の場合、1年経って辞めるという話をだいぶ進めていたんです。いついつに卒業試合を組んで、対戦相手は誰にするかってくらいまで話が進んでいました。でも映画を観て、がらっと考えを変えたわけです。そこでまずご迷惑をお掛けしたというところもありましたからね。それ以降は一度もプロレスを辞めたいと思ったことはありません。何でもやろうと思ったし、何にでも挑戦しよう、いつか本当に引退する日までそうしようと決めたんです。ですからグラップリングのお話があったときも、二つ返事で受けましたし。
BBM 14年からはフリーとなり、さまざまなリングに参戦するようになりました。考え方など変わった部分はありますか?
志田 フリーになって、自分ですべてをやらなくてはいけなくなって、すごく危機感を覚えるようになりました。1試合としてダメな試合をしてはいけないと思うようになり、結果的にそれが自分への刺激になったのは確かです。
BBM 今年、デビューして10周年になります。いろいろな道を経て、現在の志田光という選手はどういう選手だって思いますか?
志田 少し前なら「お尻」って答えていましたけどね(笑)。
BBM 撮影の際に、志田選手の太ももに「尻職人」って書くのをすごく緊張した覚えがあります(笑)。
志田 でもいまは「格好いい」だけでなく、弱い部分も含めてすべて試合で観ていただけたらなって思っています。例えば試合中、すごく攻められてフラフラになっているとき。キメ顔ばかりでなく、そういう弱々しい部分も観てほしい。
BBM 強さだけでなく弱さも?
志田 プロレスを始めた頃は、言葉は悪いですがプロレスってツールだったんです。自分がどう輝くかの。それがいまは変化してきて、人生そのものになりつつあるんです。その中で私が培ってきたもの……よく舞台に出るときに「プロレスだけをやっていればいいじゃん」って言われたりもするんですが、それは私ではないですから。プロレスや演劇、いろんなものを吸収してできた志田光が、プロレスを通じて伝えられたらいいなって思っています。
BBM このメモリアルイヤー、どんなことにこだわっていきたいですか?
志田 やっぱりベルト戦線には常に絡んでいてナンボだと思うんです。それは選手としても原点の部分だと思いますし。参戦している団体、すべてのベルトを改めて狙っていきたいと思います。ベルト争いから一歩引いて見ているような時期もあったと思うのですが、やっぱりそれは違うよなって感じていて。
BBM 今年は攻めると。
志田 勝負をかける年だと思います。フリーになった1年目、いきなりWAVEのシングルを獲ったりしましたが、やっぱりあのときはがむしゃらに行っていたと思うんです。それ以降が攻めなかったわけではないんですけど、去年は「MAKAI」の所属になったり自分自身の土台をしっかり作れた1年だったと思うんです。ですから今年はもう1回、ギアを一段階上げてアクセルを踏み込む年だと考えています。デビューして10年ということは、やっぱりタイムリミットも近づいてはきているんだろうと思うんですよ。
BBM 30歳になってしまいますからね。
志田 そうなんです(笑)。今年は私にとっても勝負の1年ですが、魔界にとっても大事な1年になると思います。ただ無謀に突っ込むのではなく、先も見えてくる時期だからこその攻め方をしていきたいですね。いろいろ考えていることもありますし、期待していただければと思います。
BBM では最後に、ファンの方へのメッセージをお願いいたします。
志田 私が映画を見て心を動かされたように、私の試合などを見て心を動かしてくださる方がいたらいいなと思って、毎試合、魔界なら毎公演、私の人生、全力を注ぎ込んでいます。何か力がほしいなとか、ちょっと心が落ち込んでいるなっていうときに足を運んでいただいて、少しでも力がわいてくるというファイトをお見せできるように心がけています。是非、会場に会いに来てください!
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