close

2017-10-08

オール三菱が警視庁に辛勝

Xリーグは10月7日、富士通スタジアム川崎で、第4節のオール三菱ライオンズ対警視庁イーグルスの一戦が行われ、オール三菱が警視庁に第4クオーターに同点に追いつかれたが、競り勝って3勝1敗とした。敗れた警視庁は1勝3敗。

【オール三菱 vs 警視庁】第4クオーター9分、3点差を追う警視庁のオフェンスで、WR清水を狙ったQB中山のパスを、オール三菱DB末富がインターセプト。勝利を決定的にする

オール三菱〇23-17●警視庁

地力に勝るオール三菱が前半から徐々にリードを広げた。第1クオーターにはK谷澤隼人が22ヤードのフィールドゴール(FG)を、第2クオーターには、QB谷口翔真からWR多田明憲に25ヤードのタッチダウンパスが決まった。警視庁は第2クオーター残り3秒で宮原亮太がFGを返したが、オール三菱は第3クオーター8分にRB萩原誠人がTDを決め、17-3とリードした。しかし、警視庁は第3クオーター11分、QB中山勝からRB岡野将之にTDパスが通って、1TD差とすると、第4クオーター3分には、オール三菱QB谷口のパスを警視庁DB塩原悠希がインターセプトリターンタッチダウン、試合を振り出しに戻した。オール三菱は、QBを田中蔵馬にスイッチしランだけのオフェンスで前進すると、谷澤が40ヤードのFGを決めて再び勝ち越し。その後の警視庁の反撃を、DB末富邦人がインターセプトで断ち切るとさらに37ヤードのFGを決め、逃げ切った。

【オール三菱 vs 警視庁】第4クオーター、警視庁DB塩原がオール三菱QB谷口をインターセプト、33ヤードをリターンして同点TD

末富、チーム救う値千金のインターセプト

過去4シーズン、下位の「バトル9」首位に君臨し続けるオール三菱。2013年以降、下位チームには全勝で、昨年は西地区のエレコム神戸も破った。米国人選手こそいないが、QB谷口(立命館大)、斎藤圭(関学大)など甲子園ボウル経験者や、日大、法大、慶大、早大など関東・関西の1部校出身者が揃うメンバーは、上位の「スーパー9」のチームと比べてもそん色がない。

そのオール三菱が、昨秋のリーグ戦に続いて警視庁に苦戦した。原因はオフェンスの不調だ。エースQB谷口は得意のランで切れを欠き、6回中4回がロスヤーデージ。パスでも成功率が5割に届かず、TD1本こそ奪ったが、終盤に痛恨のインターセプトリターンTDを喫した。途中変った斎藤もWR坂本健に51ヤードのロングパスを決めた以外はぱっとしない内容で、インターセプトを許していた。

そんなチームを救ったのが、ディフェンスのビッグプレーだった。第4クオーター9分、3点差を追われる展開で、警視庁QB中山のパスをS(セーフティー)末富が値千金のインターセプトした。中山はゲーム中盤からパスの調子が上がっていたが、末富は「あの警視庁のオフェンスシリーズは、どこかで切らなければ、と(インターセプトを)狙っていた」という。ミドルを守っていて、警視庁のレシーバーが4枚出ていたが「QBがパッと見たレシーバーに投げた。その前にQBを見た時に『(自分が守っているサイドの)こっちに投げてくるかな』と思った。だからあまりフィールドの広い方に寄り過ぎず、タイミングよくレシーバーの前に入ることができた。気持ちよかった」と笑顔を見せた。

末富は前半にも、サードダウンショートの場面で、外でピッチを受けたRBに対して出足よくタックルを決め、5ヤードをロスさせパントに追い込んだ。「『あの場面ではあそこに来る』というスカウティング通りだった」という。

オール三菱は次節の10月14日(土)、好調の東京ガスと対戦する。末富は主将を務めた慶応大で、東京ガスのQB徳島秀一とは同級生だった。「今季(の東京ガス)は強いと聞いている。ウチがちょっと立て直さないと厳しい。チーム一丸となって戦えるように、(連休の)明日、明後日としっかり準備して臨みたい」と次の戦いに厳しい目を向けていた。

◇林 顕・オール三菱ヘッドコーチ

―だいぶオフェンスが苦労していたように見えるが

まだまだ力がないので、こんなものだ。それを全員が理解したうえでどうするのかという立ち位置に立てるかどうかで、今後が決まってくる。次戦戦う東京ガスさんは、強敵。対戦まで日がないが、できることをやって、しっかり腹に落ちた状態で試合に臨めるかどうかだと考えている

―ディフェンスが要所でいいプレーを見せていた

久しぶりに、末富の良いプレーを見られた。そこは一つ収穫だった。しかし、ディフェンスも要所で相手のオフェンスシリーズを切れないというのが続いている。何をよりどころにして守るのかというのが、選手たちに理解ができていないのか。それとも実力の問題なのかという問題がある。
とにかく、明日、明後日しっかり練習して準備をしたい。

【オール三菱 vs 警視庁】警視庁RB佐藤をタックルしてノーゲインに抑えたオール三菱LB山岡(47)

【オール三菱 vs 警視庁】谷口、斎藤の両QBが不調で、第4クオーターから登場したオール三菱の田中。ランプレーで着実に前進し、勝ち越しのFGにつなげた.

【オール三菱 vs 警視庁】パスを狙う警視庁QB中山。オール三菱のDE藤原のラッシュから中山を守るのはベテランOLの盛重

【オール三菱 vs 警視庁】密集を走り抜けてファーストダウンを奪うオール三菱RB小形

【オール三菱 vs 警視庁】第2クオーター、アクロスルートのパスをキャッチしてファーストダウンを奪う警視庁のWR清水

【オール三菱 vs 警視庁】第4クオーター、キックオフでリターンする警視庁RB岡野

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事