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2020-09-08

松井珠理奈のトーク力によって引き出されたNOAH清宮海斗の魅力

プロレス団体NOAHの清宮海斗とNOAH中継の特別ゲストとしてもお馴染みのSKE48・松井珠理奈さんの対談が実現した。普段は聞けない話題で盛り上がったクロストークを週刊プロレスの特別編としてお届けする(本編は9月9日発売号掲載)。

清宮海斗(NOAH)&松井珠理奈(SKE48)

「NOAHは若い選手が活躍してるし、カッコイイ人も多い」

 松井さんは今年5月よりインターネットTV「ABEMA」のNOAH中継で特別ゲストを務めている。放送ではいつも新鮮なリアクションで視聴者にプロレスの魅力を届けており、清宮も「驚きとか興奮が新鮮ですよ。松井さんの反応とか見て、若い人たちが絶対に興味を持ってくれる」と大絶賛。松井さんはNOAH中継の特別ゲストをこんな気持ちで臨んでいるという。

「あんまりプロレスに詳しくない人とか女の人に見てて楽しめるよっていうところをアピールできたらいいなって思ってます。NOAHを見た時に若い選手が活躍してるっていうのが多いし、カッコイイ人も多いなって思ったんです。YO︱HEY選手とかHAYATA選手とかもそうだし。もっと女子にも見てほしいなって」

 今回、松井さんに今回の対談をお願いしたのは、まさに同学年である清宮との話を通して、プロレスの魅力をよりいっそう幅広く伝えたいという思いからだった。

「今、自分ががんばってたら、誰が嬉しいんだろうとか考えます」

 清宮は史上最年少でGHCヘビー級王者となり、昨年、丸藤正道、杉浦貴、中嶋勝彦、拳王らNOAHの主軸相手に防衛ロードをばく進。方舟だけでなく、プロレス業界に「新しい景色」を見せ、プロレス大賞では敢闘賞を受賞。23歳の若さで一気にトップ選手の仲間入りを果たした。

 しかし、今年1月に潮崎豪にGHCヘビー級王座を明け渡してからは、昨年の活躍と比べると足踏み状態が続いている。8・10横浜文化体育館では「オレがこれからプロレス界のナンバーワンになるために踏み込んでいかなきゃいけない領域の闘い、天命の闘い」と位置づけた武藤敬司との一騎打ちで素晴らしいファイトを見せながらも敗北。9・18名古屋から開幕するシングルリーグ戦「N-1 VICTORY2020」で再起を狙っている。

 業界は違えども松井さんは11歳から芸能活動を始め、瞬く間にスターダムへと駆け上がり、現在も輝き続けているトップ中のトップアイドル。もちろん栄光の裏側には並々ならぬ努力や若くして頂点を極めた者だけが抱える苦悩があったことは容易に想像がつく。

 対談の中で松井さんは大きな壁を前にした時、どうやって乗り越えてきたかという経験則を語ってくれた。

「一番はやっぱ応援してくれてるファンの皆様の顔を思い浮かべますね。(中略)。私は自分のためだけじゃがんばれないタイプなんですよ。だから、最初、グループに入ってよかったなって思って。ほかのメンバーとかグループを世に知ってもらうためにがんばろうとか思えたから。自分のためにがんばるよりそれ以上のパワーが出せたと思うので。今、自分ががんばってたら、誰が嬉しいんだろうとか考えますね」

ファイティングポーズを決める清宮と松井

清宮の恋愛トーク初公開

 ほかにも業界トップの領域に踏み入れる方法、すごい先輩たちと下の世代からの突き上げに挟まれた時の心境、ライバル論、“スイッチ”の入れ方…。プロレスとアイドルというジャンルは非常に共通項が多い。若くして頂点を極めた松井さんとの対談だからこそ、これから「プロレス界のナンバーワン」になろうとしている清宮は、その成長過程で抱える自信や葛藤といった深層心理を赤裸々に表現できたのかもしれない。

 そんな中、あらためて驚かされたのが松井さんのトーク力だった。清宮から一緒の部屋だった兄がAKB48ファンで松井さんのポスターが貼ってあって、中学生の頃「RIVER」がずっと流れていた過去を皮切りに、坊主で臨んだデビュー戦の裏話、試合前の〝儀式〟など、これまであまり語られてこなかった素顔が次から次へと引き出されていったのである。

 極めつきは“恋バナ”だった。なかなか聞きたくても切り出しづらい話だが、松井さんは「ちなみに、好きな女性のタイプはどうですか?」と自ら質問。互いに理想のパートナーについて、ストレートな気持ちを話してくれた。清宮の恋愛トークは「聞かれたことないですね」と語っているように初公開だ。

 その流れで松井さんがトップアイドルとして握手会の技術を伝授。清宮は「めっちゃ勉強になるなぁ…。こういうこと教わることないですからね。これからやってみます」とうなっていた。詳細はぜひとも誌面で確認してもらいたい。

 全体を通しても、松井さんがさりげなくリードするように話は弾んだ。本人的には「歌って踊るってだけじゃなくて、もっと(得意なことが)あったらいいのにと思うようになりました」と新境地開拓を目指していたが、その卓越したトーク力によってプロレスラー・清宮海斗の飾らない魅力がいっぱい活字になった対談だった。

文◎井上 光(週刊プロレス編集部)

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WEEKLY PRO-WRESTLING No.2083

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