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2017-09-25

富士通盤石 攻守で東京ガスを圧倒

Xリーグは9月23日、富士通スタジアム川崎で、第3節の富士通フロンティアーズ対東京ガスクリエイターズの一戦が行われ、富士通が東京ガスを圧倒して59-0で破り、無傷の3連勝とした。

【富士通 vs 東京ガス】第2クオーター、富士通QB高木からのパスをキャッチしたWR岩松がTD

富士通〇59-0●東京ガス

今季、板井征人新ヘッドコーチが就任し、開幕から連勝の東京ガスが王者・富士通にどのような戦いを挑むのか。その興味は試合が進むにつれて薄くなった。富士通はQBコービー・キャメロンが出場せず、平本恵也と高木翼が攻撃の1シリーズごとに交代して登場、タッチダウン(TD)を重ね続けた。途中からは先発したOLが全員入れ替わったが、ランブロック、パスプロテクション共にパフォーマンスは落ちず、ジーノ・ゴードンの98ヤードを筆頭に高野橋慶大が65ヤード、神山幸祐が64ヤード、高口和起が62ヤードと、4人のRBが60ヤード以上のランを記録した。富士通オフェンスはトータル504ヤード、ファーストダウン25回の猛攻を見せ、ディフェンスも東京ガスのファーストダウンを4回に抑え、盤石の3連勝を飾った。次節からは、地区外対決が始まり、富士通の相手はパナソニックインパルス。昨年に続き大阪に遠征してアウェーのゲームとなる。

WR宜本主将が戦列復帰

昨季の準決勝IBM戦(11月27日)で負傷し、長期離脱していたWR宜本潤平が復帰した。パス3回レシーブ、37ヤードは、10人のレシーバー陣に投げ分けた中ではトップの成績で「フィールドの熱を感じることができた」という。スケジュール的に、パナソニック戦の前になるこの試合で復活することを目標に、リハビリを重ねてきた。今季、主将になりながら試合に出られなかったのはストレスだったが、自分のプレーだけでなくチームやサイドラインの雰囲気を客観的に見られるようになったのが収穫という。「休んだことで、自分がどれだけフットボールが好きだったのか、改めて確認できました」と白い歯を見せた。次節の強敵パナソニックとの対戦には「去年は、ディフェンスに助けてもらった。オフェンスは実質1本しかTDを取っていない」と消化不良だった昨年の勝利を振り返った。「パナソニックも新しい米国人QBが入って得点力は上がっている。オフェンスが点を取らないと勝てないので、どんどん攻めて点を取っていきたい」と闘志を燃やしていた。

◇富士通・藤田智ヘッドコーチ

・東京ガスは今季好調だったが、QBキャメロンを出さずにこれだけの点差で勝った

点差が開いたのは、結果。それよりも一つづつのプレーが前節よりも良かったように思う。そこが一番良かった。

・若手の起用が目立ったが。

選手の起用は予定通り。出場したメンバーは皆がんばったと思う。宜本の復帰はとても良かった。彼がフィールドにいると皆元気が出る。

・ほかにもRB神山など負傷からの復帰組が頑張った。

神山も高野橋もよかった。そういう意味では、バックに戦力が戻ってきた。

・途中でOLを全員入れ替えたが

OLは凄いデプスで、レベルも高い。あの中のメンバーだったら、誰でも試合に出ていけるようにならないといけない。そういう意味で、今日は点差が開いてチャンスがあった。練習だと、しっかり当たったりということができない。試合で出られる機会は貴重だ。

・QBの平本と高木の起用が1シリーズごとの交代だったが

2人とも調子が良かったので、同じ状況に近いところで2人をプレーさせたかった。前半、後半という起用だと点差が開いてしまうと違う状況になる。なるべく緊張感を持ってプレーできる形でやってもらおうと考えた。

・特に高木にまとまったプレー機会があった

今までは出場しても、(パスを投げる機会がなく)ランで時間を使うだけということが多かった。練習で良かったが、試合でも良かった。昨年に比べて、ウチのオフェンスに慣れてきたので、まだまだこれから良くなると思う。

・全体的に負傷者が復帰してきているように見えるが

そうでもない。やはり例年と同じくらいはいる。ただ、負傷者なしで行くということはできないスポーツなので。

・パナソニックに向けて選手はそろってきた

欲を言えばキリがない。パナソニックの守備フロントは凄い選手ばかりだ。


・しかし、富士通OLも日本代表クラスがいて、層も厚くなってきた。力勝負で行けるのでは

まあ、しっかり準備して思い切ってやるしかない。まずはこの一週間、パナソニック戦に集中するしかない。

・去年も苦戦した相手だが、どういう点に気を付けるのか

気を付けて、どうこうなるような相手ではない。とにかく自分たちの力を、持っているものを出す。不要なことを考えない。

・試合間隔が短くなり、しかも大阪に遠征しなければならない。

大変だが、シーズン前から分かっていたことだ。

・トーナメントでもう一度対戦があるのではないか

わからない。そんなことが考えられるような立場ではない。目の前の相手だけ。

・パナソニックのQBアンダーソンはどうか

どっちが出てきてもいやだろう。高田が出てきてもいやだし。

・ノジマ相模原時代のアンダーソンと対戦しているが参考にならないか

ならないと思う。状態も違うし、周りのメンバーも違う。彼なりに期するところもあると思う。

・パナソニックのビデオは見たか

ちょっとだけ見た。強さは圧倒的だ。(相手のオフェンスを)止められるチャンスがあったら止めて。点を取れるチャンスがあったら取る。それしかない。全部を止めたり、全部を進めたりというのは無理な相手なので。いかにチャンスを逃さないかだと思う。

(撮影/取材:小座野容斉)

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