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2024-08-13

【陸上】福岡インターハイ 全国高校駅伝女子出場最多タイの山田高のエース・穗岐山が高校歴代3位

高校歴代3位の好記録で3位入賞を果たした穗岐山(写真/中野英聡)

7月28日から8月1日まで行われた福岡インターハイの陸上競技では、日本記録1つを含む、4種目で高校記録が樹立された。女子1500mではジャネット・ジェプコエチ(倉敷高2年・岡山)が4分07秒59で優勝(3000mとの二冠)を果たした。2位には4分13秒04でナンバラ・サラムトニ(興譲館高1年・岡山)、4分13秒67で日本人トップの3位に入ったのが、全国高校駅伝で女子最多タイとなる35回の出場を誇る山田高(高知)のエース、穗岐山芽衣(3年)だった。

 今までの自分を超えられた実りのあるレース

2日目に行われた女子1500mは、留学生を中心とした超高速レースになった。入りの400mは66秒で通過。穗岐山はそのペースを「手先が痺れるくらいスピードが速かった」と表現した。

400mは留学生に食らいついたが、そこから穗岐山は冷静にレース展開を読み、「離され過ぎないようにマークしながら、一定の距離を置いて、ペースが落ち着くまで待った」とプランを変更。すると、序盤から果敢に留学生についたドルーリー朱瑛里(津山高2年・岡山)が後退。その好機を逃さず、900m付近で一気に交わして日本人トップに浮上すると、残り1周を告げる鐘の音を合図にさらにギアを上げ、留学生2人を抜いて全体3位でフィニッシュした。

記録は4分13秒67。高校記録保持者の小林祐梨子(当時:須磨学園高・兵庫)、ダイヤモンドアスリートの澤田結弥(浜松市立高・静岡→ルイジアナ州立大)に次ぐ、高校歴代3位に入る好記録だった。

 「今までの自分だったら、ドルーリーさんに追いついても、後ろにつくだけで抜けなかったと思う。抜いた、あの一瞬で、今までの自分を超えられたと思った」
穗岐山にとって自身の殻を破る、実りあるレースになった。

穗岐山が通う山田高は、2017年ロンドン世界選手権5000m代表の楠(鍋島)莉奈(積水化学)らを輩出する陸上の名門校。女子は冬の全国高校駅伝に第1回大会から35年連続35回出場しており、穗岐山も「駅伝をするために、山田高に入学した」と話す。

全国高校駅伝における同校の過去最高順位は7位。今年はエースの穗岐山を中心に、800mでインターハイ準決勝に進出した谷渕結夏(2年)らを擁し、過去最高を超える活躍に期待が高まる。

穗岐山が昨年マークした1500mのシーズンベストは4分27秒台。それが今年は4分13秒台と飛躍し、5000mでもU20日本選手権で16分21秒64で2位と実績を残した。前回の都大路は1区で区間14位だったが、今年は区間賞争いを主導するだけの力を備えている。

 全国高校駅伝は12月22日に京都で開催予定。夏のレースを終え、高校生ランナーはもう、冬の都大路を見据えている。

文/新甫條利子 写真/中野英聡

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