女子プロレス団体「アイスリボン」の2019年総決算となる12・31後楽園ホール大会、そのダブルメインイベントに団体の最高峰王座ICE×∞チャンピオンとして出場する雪妃真矢はフェリス大卒、銀行勤務といった異色の経歴の持ち主であり、女子プロ界屈指の美貌の誇るアイスのスター選手だ。
デビュー当初は話題先行と揶揄され、またしばしば負ったケガに泣かされたが、逆境を乗り越えた雪妃はいつしか団体の象徴・藤本つかさ、看板選手の世羅りさに並ぶ3本柱の一角を担うレスラーに。とりわけ2019年の活躍は目覚ましく、ICE×∞、インターナショナルリボンタッグ、トライアングルリボン(3WAY王座)という団体が管理する3大王座すべてを同時戴冠、9年ぶりの3冠王者に君臨した。またOZアカデミーで活躍する別人格、雪妃魔矢はOZ認定タッグを奪取し、同時期に4本のベルトを巻きもした。そして多くのベルトを巻いた雪妃はじつに年間17回のタイトルマッチをこなすなど体を張ってアイスリボンを活性化。リング外では3冠セクシーグラビアを披露するなど話題を振りまき、現在投票受付中の週刊プロレス制定プロレスグランプリ中間発表でも女子プロレス部門の2位にランクインしている。
そんな雪妃にとって12・31後楽園は2年連続の大晦日メインイベントであり、2019年18回目のタイトルマッチとなる尾﨑妹加とのICE×∞選手権試合が控えている。目指すは、ウエイトリフティングで全国3度優勝の実績を誇る妹加の秘めた真価を引き出したうえでの王座防衛。今年秋に起きた移籍騒動への偽らざる胸中、さらには2020年の三大公約も明かした雪妃の思いを聞く。
――雪妃選手は昨年大みそかに初めてICE×∞のベルトを戴冠。そして2019年の12・31後楽園大会もICE×∞王者として迎えることになりました。
雪妃 そっか、初めてICE×∞を巻いたのが1年前の大晦日なんですね。1年でこんないろんなこと起きる?(苦笑)っていうぐらい色々あって、ホントあっという間の1年でした。
――3月にリボンタッグを、5月にトライアングルリボン戴冠を果たして、9年ぶりのアイス3冠を達成。さらにOZアカデミーでは雪妃選手のもう一つの顔、雪妃魔矢がOZ認定タッグを戴冠するなど一時は4本のベルトを巻きました。夏頃あれよあれよとベルトを失い、丸腰になりましたが、そこからまた這い上がって現在はICE×∞王者としてアイスをけん引。ざっと書き出しただけでも怒とうのような1年でしたね。
雪妃 怒とう過ぎる(苦笑)。もうちょっとじっくりやってもいいんじゃないの?って思うぐらいだったけど、逆に刺激的な1年ではありましたね。
――その締めとなるのが12・31後楽園の尾﨑妹加戦になります。
雪妃 妹加とは去年の挑戦者決定トーナメントの決勝でシングルやって、楽しかったんですよ。
――楽しかった?
雪妃 私、基本的に強い人と試合するの好きになんですよ。というか、この1、2年で好きになったんでしょうね。前は怖いという気持ちのほうが強かったけど、いまは強い人と試合するのが楽しいし、負けたくないと思える。あの技、受けたうえで、絶対勝ってやる!とか思うし。
――そういう試合が尾﨑選手とならできると?
妹加 …(尾﨑は)ウエイトリフティング(全国3度優勝)の下地とかポテンシャルはあるわけで。その妹加がどこでスイッチが入って、どう爆発するか。それは楽しみではあるし、出してほしいなっていう思いはありますね。せっかく名乗りを上げてくれてタイトル戦をやるわけだから、そういう妹加と当たってみたい。私、どっちかっていうと潰されたい、ボコボコにされたいタイプなんですよね。
――ボコボコにされたい!
雪妃 自分がボコられた試合って、振り返って楽しかったって思えるんですよ。尾﨑魔弓さんや引退されたダイナマイト関西さんとのシングルだったり、藤本(つかさ)さんとやった(昨年8月の)文体だったり。ボッコボコにされて、それを乗り越えたからすごいやりがいも覚えたし、それを乗り越えた充実感もあったから。いま、ボコボコにされることがあまりなくなってきていて。
――尾﨑妹加にはボコってくれる力があると?
雪妃 やれるポテンシャルはあるハズだから。ボコってくれないかなって思うし、ボコってくれたら私も全力を向けられるし。
――かつて雪妃さんも、自分にどうやってスイッチを入れたらいいかわからないと苦悩していた時期がありましたよね?
雪妃 ホントそう。私も自分で簡単に切り替えられるタイプじゃなかったから、妹加の気持ちはすごいわかる。ものすごいカチンとすることをされてスイッチが入るのか、ものすごい痛い一発でスイッチが入るのか、それとは全然違うことなのか。私にとっての答えをやったとしても、心が折れるほうにいっちゃうこともあるだろうし。どうしたらいいかは本人しかわからないと思う。
――それでも…。
雪妃 いままで戦ってきた妹加から更に進化した妹加とやりたいですよね。雪妃自身もこの闘いをキッカケに進化したい。
――せっかく大みそか後楽園という大舞台で闘うわけですし。
雪妃 ホントに。でも、どうなるんだろう。
――想像がつかないですか?
雪妃 そうですね。でも、妹加のことは信頼してるから。ガンガンいける相手だってことはわかってるし、でも同時に優しい子だっていうのもすごい知ってるから。新しい妹加が出るといいな。それが見れれば私も満足できるだろうなって思います。
――必要以上に相手をバ倒せず、リスペクトを持って試合がしたいと公言しているあたりは尾﨑選手らしさのひとつなのかなとは思います。
雪妃 ディスり合うことは闘志ムキ出しになるキッカケになるし、お客さんもギスギスしたヤツが好きかもだけど、タイトルマッチになるたびに相手を嫌えるかといったらそうじゃない。尊敬してる相手だから試合がしたい、超えたいって場合もあるだろうし。
――今回は後者ですか?
雪妃 そうですね。妹加は雪妃より優れている部分がたくさんあって、期待してる部分もある。だけど、シングル(のベルト)を巻けるポテンシャルがあるのにタイトル戦線に常に絡んでいるわけじゃない。それって「フリーだから」だけじゃないと思うんです。もったいないなって。プロレス界でもっと活躍できる存在だと思うから。
――尾﨑選手の新しい扉を開けるのも役目になるかもしれないと?
雪妃 それができたらいいなとは思ってます。そういう意味では自分の挑戦でもあるのかなって。妹加の新しい部分を呼び覚ますことができるのかどうか。そして、それを私は超えられるのか。
――それができたら雪妃真矢としてもまた一つ階段を…。
雪妃 上がれると思うんですけどね。これでいつも通りの試合になっちゃったら、自分で自分を責めるかもしれない(苦笑)。ホントに気持ちよく締めくくれるといいな。
――11月にはキャリア10カ月、17歳の鈴季すず選手のICE×∞挑戦を受けました。
雪妃 ああいう流れはすごく素敵だなと思ったんです。アイスリボンに激動の時期があったっていうのもあったんだろうけど、すずが「タイトルに挑戦したい!アイスの新しい未来を見せたい!」って言ってきて、妹加も名乗りを上げてくれて。いったらチャレンジャーが順番待ちをしてる状態になったわけじゃないですか。それも2人とも後輩で。すずにいたっては(タイトル挑戦のキッカケが)実力とか実績だけじゃないってことを証明してくれたわけで。特別なシチュエーションだったのかもしれないけど、でも、どれだけタイトルに挑戦したいか、熱をもって名乗り出てくれれば実現できるんだっていういい前例を作ってくれたと思うんです。
――確かにそうですね。
雪妃 だから、すずだけじゃなくて、後輩のなかから「私が引っ張るんだ!アイスを担っていくんだ!」っていうふうに声を上げる後輩が何人も出てくるといいなって思いますね。新しい世代がガンガンタイトルマッチに絡んできた今年の下半期、それっていいなって思ったし、2020年はそれがもっともっと加速するといいなって思いますね。
――ちなみに選手の退団騒動がありましたが、それに関して思うところはありましたか?
雪妃 …私は結果的には良かったんじゃないかなって思います。良かったは違いますね。傷ついた人間がたくさんいるから。
――結果的に良かったというのは?
雪妃 きっと、ものすごく不満を抱えていたわけじゃないですか。
――だからああいう形でアイスを去ったんだと思います。
雪妃 どれだけみんなで頑張ってても、そういう人がいることが膿になってしまうわけだから。辞めることやより良い職場を選ぶことは全然悪いことじゃない。辞め方がこれ以上ないくらい悪かっただけで。抜けてよかったんだと思います。水が合うところにいったら活躍できるだろうし。
――一連の騒動があったから、すず選手や尾﨑選手の自己主張につながった部分もあったと思います。
雪妃 そうそう。自分が行かなきゃ!って思ったり、自分が言っていいんだって思ったり。それができるっていうのはいいことだし。みんなみんなが欲を口にできる環境じゃないと、悪循環の頭打ちになると思うんです。
――みんなが主張できる環境、ですか。
雪妃 1人だけ主張が強いとほかの人も「1人が必死こいてるんだったら別に私はいいや」ってなっちゃう。そうなっちゃう人はそこまでの選手なのかもしれないけど、結果的に主張の強い人ばかりが支持されて、頑張っちゃって負担も増える。そうなると肉体的・精神的に疲労するうえに後に続く人が育たない。
――確かにそうですね。
雪妃 活躍と責任は当然ある程度比例するし、苦楽は表裏一体だと思うんです。でも、1人ではなく何人もにいろんな部分でチャンスのある状態がいいんじゃないかなって。
――とはいえ、全員が平等にチャンスを与えられてもやる人、やらない人は出てくると思いますよ。むしろ雪妃さんみたいに必死にチャンスをつかんで、生かせる人はまれだと思います。
雪妃 そうなのかなぁ…それでもなんでも2020年はアイスの飛躍の年になるといいなって思うんです。落ちたらもう上がるだけじゃないですか。このまま潰されるのだけは絶対にイヤだから。
――でも最近のアイスは面白い大会が多いですよね?
雪妃 そうなんですよ! この前の川口(12・1)もすごくいい大会だった気がして。盛り上がってるなって、アイス面白いなって思ったし、アイスでよかったなって思った。だから2020年はもっともっと盛り上がりたい、盛り上げていきたい。
――2020年、雪妃さん個人の目標は何かありますか?
雪妃 海外で試合したい!
――海外遠征はずっと言ってましたよね。
雪妃 (会社に)聞いたら、行こうと思えばいつでも行けるらしいんですよね。そうなの? じゃあ行ってこようかなって思ってます。2020年は海外でバンバン試合する。あとCDを出したい、写真集も出したい。
――海外遠征、第2弾CD及び写真集発売! 三大公約ですね!
雪妃 それは当然、シングル王者のままで。私、言ったことは全部ちゃんとやってきてるから。
――2020年の目標もやると?
雪妃 やる! 大晦日しっかりベルトを防衛して、2020年も走り切ります!
「RIBBON MANIA2019」
★12月31日(火)東京・後楽園ホール(11:30)
⑤ダブルメインイベント~テキーラ沙弥引退試合38人掛け
テキーラ沙弥vs38選手(1人1分)
④ダブルメインイベント~ICE×∞選手権試合(30分1本勝負)
<王者>雪妃真矢vs尾﨑妹加<挑戦者>
③リボンタッグ選手権試合(30分1本勝負)
<王者組>藤本つかさ&つくしvs星いぶき&鈴季すず<挑戦者組>
②世羅りさvs朱里
①ガントレットタッグマッチ
参戦チーム=藤田あかね&朝陽、弓李&本間多恵、松屋うの&ラム会長、山下りな&トトロさつき、柊くるみ&Yappy、星ハム子&バニー及川
その他大会詳細はアイスリボン公式サイト(iceribbon.com)で。
ゆきひ・まや/本名非公開。1月9日生まれ、千葉県出身。フェリス女学院卒、マルチリンガル、元銀行勤務など異色の経歴とモデル級の美貌の持ち主。‘14年11月24日、アイスリボン横浜大会でデビュー。164センチ、57キロ。キャッチフレーズはクリスタル・スノウ。第30代ICE×∞チャンピオン。
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