close

2018-05-25

長崎まる子がアイスリボン退団、いたばしプロレスへ移籍

長崎まる子改めまるこ(写真右)がアイスリボンを退団。はやて率いるいたばしプロレスリングに移籍

ルチャの習得と明るく楽しいプロレスを求めて

24日午後、埼玉・蕨市のアイスリボン道場で会見がおこなわれ、同団体所属の長崎まる子が本日付けでアイスリボンを退団し、はやて率いる地域密着型団体「いたばしプロレスリング」に移籍することが発表された。

会見にはまる子のほかにいたプロのはやて、アイスリボンの佐藤肇社長が同席。デビュー3年目の大きな決断を下したまるこは、和製ルチャ・ドールのはやてのもとで肉体改造及びルチャの技術習得、さらには「自分がデビューした時からずっとやりたいと思っていた明るく楽しいプロレス。(いたプロでは)勝った負けたを超えたそういうプロレスをしていて、自分もそちらの世界で活動していきたいなと思いました」と笑顔で移籍の理由を明らかにした。

 まる子は2015年9月6日、アイスリボン北沢タウンホール大会でデビュー(まる子&藤本つかさvs星ハム子&宮城もち)。まるちゃんの愛称で親しまれ、昨年はインド王族武術4姉妹Team DATEとの新世代抗争で存在感を発揮。10月には自身2度目のICE×∞挑戦、デビュー3年未満の選手を対象にしたヤングアイストーナメントでは準優勝を果たすなど次代の中心選手として期待が寄せられていたが、今年4月上旬にヒザを負傷。右膝関節前十字靭帯断裂及び半月板損傷と診断され、4月24日に手術。5月9日に退院し、リハビリに励んでいた。

 年明けのリング復帰を目指し、今後も治療を続けていくというまる子。いたプロではリングネームをひらがな3文字の「まるこ」に変え、活動していく予定だ。なお会見でのコメントは以下。

佐藤社長「アイスリボンで3年間、長崎から上京して頑張ってくれましたが、今回足のケガをしまして、長期欠場。その期間中に移籍ということで、私としても残念な形ですが、本人の希望もあり、今回移籍をするこになりましたのでご紹介させていただきます」

まるこ「このたび、アイスリボンを退団させていただくことになりました。その後はいたばしプロレスさんのほうに移籍させていただきまして、そちらをプロレスを続けていくことになります。とりあえずはヒザのリハビリで8カ月ぐらいかかると思うのですが、まずは復帰目指して頑張りますので、よろしくお願いします」

はやて「いたばしプロレスにまるこ選手が入団ということで、ご挨拶させていただきます。まだケガのリハビリがかなり長くかかりそうなので、そちらのサポートをして、復帰にむけて肉体改造も含めてサポートを全力でやっていこうと思います。よろしくお願いします」

佐藤社長「アイスリボンとしましては、長崎まる子選手、欠場期間中、何をしていくのか、どういう対応をしていこうかとかいう話を本人としていたなかで、今回こういう新しいところでいろんな経験をしてみたいという希望もあり、こういう形になりました。実際、欠場、入院、退院ということで彼女と接する時間も少なかったなかで、こういうことなのでまだまだ本人に対しての気持ちだとか今後のことはいたばしさんにゆだねている状態になりますが、辞めようという決断を彼女がしたという部分にかんしてはアイスリボンも重々、今後の改善点として考えていかなければいけないなと思います。いたばしも長崎まる子を受け入れるにあたって、より大きな発展をしてもらいたいと思います」

左からアイスリボン佐藤肇社長、まるこ、はやて

明るく、お客さんに喜んでもらえるプロレスラーに


まるこ「(移籍を考えたのはいつ?)去年の夏ごろからボチボチ考えていて。夏ごろから自分としては、プロレスをやっていてなかなか結果を出せないっていうのがありまして。そのなかで技術面でも肉体面でもスキルアップしないとなってずっと悩んでいて。そんななか、いたばしプロレスさんのほうに何回か参戦させていただいて。そのなかで勝敗を超えたプロレスでお客さんを楽しませているというか。そういうところに衝撃を受けまして、そちらの世界で活動していきたいなと思ったのが移籍のキッカケです。

(それはアイス所属ではできなかった?)自分の悩みの根本である肉体改造、スキルアップを考えたときにもっともっと自分がルチャをやりたいっていう気持ちがまずあって、(いたプロで)学んでいきたいっていうのもあって、いたばしプロレスさんへの移籍を決めました。

(昨夏から考え初めて、決断したのはいつ頃になる?)3月ぐらいに辞めようと考えました。

佐藤社長「(何日付けでの移籍になる?)所属に関しましては本日付けをもって正式に。雇用契約に関しましては先月末をもっていたばしに移籍となりました(※4月29日付けで有限会社ネオプラスを退社、4月30日よりいたばしプロレスリング株式会社に入社)。いまコメントにもあったように、昨年夏ごろというのは、おそらくTeamDATEとの対抗戦のなかで彼女が矢面に立って、アイスリボンを盛り上げてくれた時期だと思います。2年目の選手が団体のメインを引っ張り、話題を作っていくというのは相当なプレッシャーがあったかと思います。そのなかで、彼女が言うように、そういったところではない試合を(まるこは望んでいた)。まぁアイスリボンにもおでかけプロレスであったりとか、おそらく数で言うならいたばしプロレスさんより多い数をやってきてると思うんで。そういう部分では残念で仕方ないなという気持ちでいっぱいです。

移籍に関して言うなら、じつは辞めたいとかもっと試合数を減らしたいとかルチャをもっと勉強したいとか相談を受けておりました。それに対して会社としてどうしていこうかという話をしていました。そういうなかで、彼女の気持ちが固まっていたのかなと思うのですが、正式に言われた時には、はやてさんが横にいて『退団します』と。そういうなかで、私どもとしては、じゃあどうしようかという話ができる状態ではない形でした。厳密に言うならば、私どもは長崎まる子は社員契約、普通の雇用契約のなかでの契約になります。いわゆる憲法に守られた雇用の自由、労働基準法を持ち出されて辞める自由を言われると、私どもとしてもそれ以上話が進められないという状況がありまして。そこは今後のことを考えて、スムーズに退職手続きを取らせていただきました」

まるこ「(いたプロでは女子選手は1人になってしまうと思うが?)それはまったく不安に思っていなくて。むしろ、自分がやりたいことを学べる。ルチャをガッツリできるところに行くので、不安はないです」

佐藤社長「高校卒業して、すぐにアイスリボンに来てというなかで、外の世界を知るというのも彼女の今後の人生のなかで(プラスになる)。今回の手術に関しても、彼女が目指すスピードのあるプロレスということにおいては、手術をして早急にやりたいという希望があったので。まだまだ23歳、今年24歳」

まるこ「今年23です(苦笑)」

佐藤社長「今年3か(笑)。若い選手なのでいろんなことを経験して、それが成功につながるか失敗になるかわかりませんが、すべてのことが糧になる年齢だと思うので」

はやて「(まるこ選手の受け入れに関して、どんな思いを抱いた?)まず彼女は向上心があるんですね。練習をみてましたけど、細かいところ、例えば重心の移動だったり、どう動いたらスピードが出るんだとか。そんなところに関心を示していて。すごく向学心とか向上心とか、肉体的、精神的な部分で(持っている)。メンタルでいえば、レスラーのマインドみたいなものも向上させようっていうのをずっと見てましたので。悩みがあるっていうことは薄々気づいてはいたんですけど。

代表とか経営者ではなく、レスラーとして思うのは、プロレスはガマンしながらやるモンじゃないですよ。もちろんガマンしなきゃいけない時もある。だけど、僕もこの業界30年近くいますけど、やりがいをもって、受け身を取って、時には血を流したりじん帯切ったりもします。それはホントにやりたいからこそレスラーやってるわけで。そこの気持ちが萎えていくのであれば、じゃあウチ来るかいていう話で。彼女は本来明るいキャラクターというかパーソナリティだったわけで。それがある時期、なんとなくふさぎがちで悲しい表情をしてたりしていた時期もありましたので。なるべく明るく、本来のキャラクターを、お客さんに喜んでもらえるレスラーになってもらいたいなと感じてましたので。いたプロ向きかなと思います。いたプロはまだ小さいですけど、いたばしプロレスの、板橋区内のお客さんには絶大な人気レスラーになれるだろうと。レスラーの勘ですけど、それは感じてます。

(確認だが、フリー参戦等ではなく、いたプロの所属になる?)所属であり、社員であり、ですね。4月の30日から社員になってます。
(当面はどういう活動になる?)パソコンの仕事だったり、お客さんの挨拶まわりだったり。いたばしプロレスの雰囲気を肌で感じてもらいたいなって。でも、まずはリハビリが大事なんで。1日何時間ってかけて、一生懸命やってる状態なので。そっちに集中してできるようにしたいなと思ってます」

新リングネームは「まるこ」。年明けの復帰目指してリハビリへ

復帰を目指し、リハビリに入るまるこ


まるこ「(復帰はいつ頃になりそう?)復帰は…早くて年末、以降になるかなって感じです。年明けとか」

はやて「8カ月って言われてるんですけど、10カ月ぐらいは見たほうがいいんじゃないってトレーナーとかとも相談してるんですけど」

まるこ「(復帰したらどんなファイトを見せたい?)復帰したら、やっぱりガツガツリングのうえでルチャを学んでいきたいと思います。

(リングネームはそのまま?)名前を変更しようかと考えておりまして。長崎を取って」

はやて「まるこ、ひらがな3文字にして」

まるこ「いたばしプロレスって子どもが多い環境なので、パッとみで覚えて、もって帰ってくれるような名前だったり、応援しやすい名前だったりを考えて、それにしました。

(アイスに入門したのが…?)2015年の4月15日ですね。

(入門から3年いた団体を去ることに関して、寂しい気持ちは?)少しだけ、ずっとここでお世話になっていたので。そういう寂しさ、人と別れる寂しさっていうのはあります。

(他の選手に挨拶は?)はい、しました。

(反応は? 寂しがっていた?)まぁどうなんですかね。去る人は追わずって感じだったと思います。

(藤本選手にいろいろ教わり、時に怒られたりもしたと思うが、彼女への思いは?)怒るときは怖い人ですけど、やっぱり指導面ではすごく指導していただいて。礼儀だったりも教えていただきました。

(お世話になったという思いが強い?)はい。大変お世話になった人でもあります。

(移籍後はアイスや他団体に出る気持ちはある?)とりあえずリハビリをして、復帰が目標なので。復帰したとしても、自分の気持ちとしてはいたばしプロレスさんにルチャを学びたいという理由で入っているので。そこでちゃんとルチャをしっかり学んで、成長した自分を見せないと自分自身、意味がないと思うので。(他団体参戦を考えるのは)それからになります。

(ルチャを学んで、この先どういうレスラーになりたい?)やはり自分が目標としていたスピードのあるレスラーになりたいって思ったのもありますし、スピードを極めるためには体のキレが必要だと思いますし、自分はまだそこが全然なくて。スピードもあり、ルチャの動きもでき、まるこ以外にこういうスタイルいないみたいなレスラーを目指していきたいなと思います。まる子しかできないプロレスを見せていきたいなって」

佐藤社長「アイスリボンではまる子の復帰を待ってくれてるファンの方もいますので。本来はそういった形の道筋をつけて、ファンに対するお別れもできればなと思っていたのですが、なかなかその辺の調整がつかず、会見でという形でファンに報告する形になって、そこは大変申し訳ないなと思っております。3年間アイスリボンでやってくれて、本当に貢献してくれたと思ってます。と同時に、いろんなことを学んでくれたと思うので、それを生かしてくれればなと思います」

はやて「(ファンへの報告はいつになりそう?)7月16日にいたプロ板橋グリーンホール大会がありまして、そこのリング上で入団の挨拶をさせていただこうかなと思っています」

まるこ「(ファンに向けてひと言?)今までアイスリボンの長崎まる子を応援していただき、本当にありがとうございました。今後はまることして、まずはリハビリを頑張っていきます。リハビリを終えて、復帰したあと、また応援をよろしくお願いいたします」

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事