アメリカンフットボールの世界最高峰、米プロフットボール・NFLは現地1月26日(日本時間27日)、NFC、AFC両カンファレンスのチャンピオンシップが行われた。NFCはフィラデルフィア・イーグルス(レギュラーシーズン14勝3敗、第2シード)がワシントン・コマンダーズ(同12勝5敗、第6シード)に大勝。AFCは史上初のスーパーボウル3連覇を目指すカンザスシティ・チーフス(同15勝2敗、第1シード)がバッファロー・ビルズ(同13勝4敗、第2シード)を、競り合いの末振り切った。
この結果、現地2月9日にルイジアナ州ニューオーリンズで開催される第59回スーパーボウルは、イーグルス対チーフスの顔合わせとなった。両チームは2年前の第57回スーパーボウルでも対戦し、チーフスが38-35で勝利している。
AFCのチーフスは3年連続年ぶり7回目、NFCのイーグルスは2年ぶり5回目のスーパーボウル進出となった。チーフスは前人未到のスーパーボウル3連覇、イーグルスは7年ぶり2回目の制覇を目指す。
バランスアタックが圧倒的な力
NFCチャンピオンシップ
フィラデルフィア・イーグルス○55-23●ワシントン・コマンダーズ
(2025年1月26日 リンカーンフィナンシャルフィールド、ペンシルバニア州フィラデルフィア)
イーグルスのRBサクオン・バークリーが存在感を示すのに、スクランブルからの1プレーで十分だった。 バークリーはQBジェイレン・ハーツからボールをピッチされると、エッジへ向かって加速し、サイドラインを走りながらタックルをかわし、さらに中にカットを切ると、エンドゾーンまで走り抜けた。バークリーは、15回のキャリーで118ヤードと3TD(タッチダウン)を獲得し、コマンダーズのディフェンスを圧倒した。
脚部を痛めていたQBハーツは、タックルが来る前にスライディングしたが、必要な場面ではしっかりと走り抜けた。 ランはわずか16ヤードだったが、バークリーと同じ3TD、そしてパスでは246ヤードを記録した。 ハーツは正確なリードから的確なパスを投げた。
コマンダーズに2点差まで迫られた2Q残り2分14秒、4thダウン5のギャンブルでは、マンカバーされていたWRのA.J.ブラウンに、正確な33ヤードのロングパスを投げた。このドライブは結局TDとなり、点差は2度と縮まらなかった。
イーグルスの55得点は、カンファレンスチャンピオンシップ史上最多。コマンダーズがターンオーバーを連発したとはいえ、イーグルスはパス246ヤード、ラン229ヤードとバランスアタックが機能して、圧倒的な得点に結びつけた。
ターンオーバーと反則で自滅
ターンオーバーとペナルティがコマンダーズを苦しめた。先週のライオンズ戦で5回のターンオーバーを奪い、アップセットを引き起こしたコマンダーズだが、この日は状況が一変した。WRディアミ・ブラウンがボールをパンクアウトされ、 ジェレミー・マクニコルズはキックオフリターンを奪われ、RBオースティン・エケラーはファンブルロストした。イーグルスはターンオーバーで得たオフェンスを粛々とTDに結びつけ、28得点した。これが試合の流れを決めた。
不適切なタイミングでの反則もワシントンを苦しめた。前半、エンドゾーンでの3rdダウンでディフェンスパスインターフェアの反則を取られ、TDを許すことになった。3rdダウンストップの可能性があった場面でのレートヒットの反則もあった。コマンダーズは8回も反則を取られ、その多くは得点圏内でのものだった。
実力証明も、スーパーには届かず
QBジェイデン・ダニエルズはセンセーショナルなシーズンを送ったが、この試合でも随所に素晴らしいプレーを見せた。3rdダウンや4thダウンで何度も大きなゲインを得たダニエルズの落ち着きは際立っていた。 ルーキーの彼を悩ませるものは何もなかった。
失敗したプレーもあったし、終盤にはインターセプトも喫したが、NFLトップ級のイーグルスディフェンスを相手にアウェーで戦ったことを考えれば、それでも素晴らしい出来だった。スーパーボウルには届かなかったが、ダニエルズはまたしても実力を証明した。
「名勝負数え歌」またもチーフスが制す
AFCチャンピオンシップ
カンザスシティ・チーフス○32-29●バッファロー・ビルズ
(2025年1月26日 アローヘッドスタジアム、ミズーリ州カンザスシティ)
AFCのツインピークスによる、「名勝負数え歌」は、結局、またもチーフスが勝利を収めた。
前半、チーフスは4回のオフェンスで3TDを決めたが、QBパトリック・マホームズのファンブルなどのミスがあり、TDを奪われた。
3Qにはパント2回とオフェンスが停滞し、11点差を逆転される場面もあった。しかし、マホームズは4Qの序盤に、この日2本目のランTDをリードオプションからのQBキープで決めた。この日はほとんど見せ場の無かったTEトラビス・ケルシーが見事なリードブロックでアシストした。
その後、ビルズは、QBジョシュ・アレンが4thダウンギャンブルからのTDパスで同点に追いついたが、チーフスは8プレー、51ヤードを進んでFG(フィールドゴール)を決めて勝ち越した。
チーフスの32得点を挙げ、レギュラーシーズンから通じて19試合目で今季初めて30点の大台を超えた。
NFLのネクストジェネレーションスタッツによると、ビルズはQBマホームズのドロップバックのほぼ半分(47.1%)でマンツーマン・カバーを仕掛けており、過去マホームズとの対戦9試合ではもっとも多かったという。マホームズはマンツーマン・カバーのビルズに対しては、+19.3のEPAを稼ぎ、パスは15回中12回成功させて169ヤードと1TDを獲得した。
今季最多プレッシャーを受け、力尽きる
4Q残り3分33秒。直前のチーフスのオフェンスをFGに留め、得点差は3点だった。ビルズオフェンスは進んでいた。2Q以降6回のドライブで4TD、パントは1回のみ。少なくとも同点のFGは十分に可能な局面だった。
しかしQBアレンは、チーフスディフェンスのブリッツ攻勢に苦しんだ。2ndダウンで、スクランブルに出てボールを片手でわしづかみに13ヤードを突き進んでファーストダウンを奪った。
しかし次の10ヤードは進めなかった。3rdダウンで7人のラッシュ、アレンは辛うじてパスを投じたが、戻ってパシュートしたチーフスDEジョージ・カーラフティスに抑えられて5ヤードを残した。4thダウン5では、セーフティーブリッツを入れて5メンラッシュ、奥を狙ったアレンのパスは乱れ、TEダルトン・キンケイドがキャッチできなかった。
チーフスディフェンスはアレンを追い詰め、NFLによると、ドロップバックの45.9%でプレッシャーをかけた。これは、ビルズのQBが今シーズンに直面した最も多いプレッシャーだった。好調に見えたアレンだったが、プレッシャーの下ではパス成功は5/14回で、66ヤード1TDにとどまった。
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