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2018-01-11

第40回シカゴマラソンレポート 15年前の記録に想いを馳せて

“高速コース”で知られ、数々の名勝負、好記録を生み出してきたシカゴマラソンは、2017年で開催40周年。一般ランナーにも愛され、これまでにのべ74万人超が完走している。今回もまた、世界129カ国から4万3000人超のランナーがシカゴの街を駆けた。

 上の写真は、序盤は超高層ビル群の中を走る。1930年竣工のシカゴ商品取引所は名所の1つ。また、中心部は“ループエリア”と呼ばれ、輪を描くように高架の上を鉄道が走る。

取材・構成/和田悟志 協力/H.I.S.スポーツイベントセクション

マクドナルドの第1号店はシカゴ郊外にあり、それをまねた“ロックンロール・マクドナルド”も観光名所

この日は、日が昇るにつれて気温が急上昇。沿道には、いくつものシャワーのエイドが登場

6回ほど川を渡る。橋のアーチの上に座って(立っている人もいた)応援するのは、日本ではありえない!

マラソン日本記録が生まれた場所 

 シカゴマラソンといえば、2002年のレースが鮮烈だった。日本勢の期待は女子の渋井陽子選手で、日本国内でも地上波でテレビ放映があったほどだ。だが、テレビの主役はいつしか男子の高岡寿成選手へと移っていく。2時間5分台を狙えるほどのハイペース。28㎞過ぎには、世界記録保持者のハリド・ハヌーシ(アメリカ)を置き去りにし、独走態勢を築いたのだ。結局3位だったが、2時間6分16秒の日本最高記録を樹立。そして、この記録は15年経った今も破られていない。

 コースは北へ南へと縦長に伸びる。景観は、高層ビル群、公園、レイクサイドロード、移民街と移り変わるので、飽きることがない。コーナーは多いが、全体的にフラットで走りやすく、“高速コース”と言われるのも頷けた。15年前の偉大な記録に想いを馳せながら42㎞を走った。

 シカゴマラソンは6メジャーズと呼ばれるアボットワールドマラソンメジャーズ(ニューヨーク、ボストン、シカゴ、ベルリン、ロンドン、東京)の1つで、4万人超が走る大規模大会だが、ローカルレースの趣も感じられた。ランナーと沿道の観衆との距離が近いのだ。日本の都市レースではありえないほど、コース上にせり出して声援を送ってくれる。

 移民の国アメリカらしく、その応援スタイルも様々。もちろん生粋のシカゴっ子も。野球のカブス、ホワイトソックス、バスケのブルズ、アイスホッケーのブラックホークスなどのユニフォーム姿も目立った。レース後にはポストレースパーティーもあり、最後まで楽しむことができる。観光名所を巡れるだけでなく、“人”も楽しいのが、このレースの大きな魅力だ。

子供たちも道路にはみ出して声援を送ってくれる

遮るものがないので、とにかくランナーと観客の距離が近い

沿道の人たちが楽しんでいるのが走っていてうれしくなる

ランナーもフレンドリーだ

ダウンタウン中心部のステートストリートにあるシカゴ劇場。シカゴといえば、やっぱりここ!

野球のカブスののほかにも、ホワイトソックス、バスケのブルズ、アイスホッケーのブラックホークスなどのユニフォームを着て応援してくれる人が多かった。さすがスポーツが盛んな都市!

チャイナタウンでは、中国系の人たちが応援してくれる

オーソドックスだが、歴史の重みを感じさせる完走メダル

歩けなくなったランナーの運搬用?

ミシガン湖に面した広大なグラントパークがスタート&フィニッシュ地点。走り終えたランナーが思い思いにくつろいでいた

第40回シカゴマラソン
開催日▶2017年10月8日(日)
開催地▶アメリカ・イリノイ州 
フルマラソン制限時間▶6時間30分
完走者数▶4万4339人(※制限時間オーバーも含む)
日本人エントリー数▶383人

マラソンだけじゃない! シカゴの街をもっと楽しむ

 アメリカ第3の都市だけあって、シカゴは見どころがたくさん! 芸術鑑賞に、スポーツ観戦、グルメなど、マラソン以外にも楽しめる。アメリカ三大美術館の1つ、シカゴ美術館は1日かかっても回りきれないほど充実している。モネら印象派のコレクションは世界屈指。アンディ・ウォーホルら現代美術などがある新館(モダンウィング)も人気だ。

モネら印象派のコレクションが充実している

シカゴ美術館は、建物そのものも趣がある

アンディ・ウォーホルら現代美術などがある新館(モダンウィング)

ユナイテッドセンターではNHLが開幕。NBAもプレシーズンマッチが行われている Gettyimages

シカゴ川、ミシガン湖のクルーズは人気アトラクション。夜は高層ビル群の夜景を楽しめる

ミシガン湖沿いをゆっくりジョギングするのも楽しい。朝からランナーがたくさんいる

分厚い生地のシカゴピザは名物。イタリアンピザとは別物でかなりのボリューム(写真は1人用)

レンタサイクル(DivvyBike)は観光に便利。市内470カ所にバイクステーションがある

シカゴマラソンにはH.I.S.ツアーで行こう!

 シカゴマラソンへはH.I.S.のツアーがおすすめ。通常は抽選だが、エントリー枠を事前に確保できる。ゼッケン受け取りからスタートまで“走る”ガイドがサポートしてくれるので安心だ。ニューヨークやベルリンなど他の人気大会も取り扱っている。

シカゴマラソンに初参加の小野田さんご夫妻。過去には、H.I.S.ツアーでニューヨークシティマラソンにも参加している

EXPO会場へはシャトルバスもあるが、大混雑の場合も。H.I.S.ツアーは専用バスなのでスムーズ

スタート地点までは経験豊富なガイドが付き添ってくれるので安心。朝食にはおにぎり弁当が付く

ナイトランや講習会を毎月開催!

 H.I.S.では、毎月様々なテーマで、マラソン講習会やナイトランなどランニングイベントを開催している。講義や実技指導もあり、ランナーに好評だ。H.I.S.マラソンツアー参加者に限らず、誰でも参加できる(ツアー参加者は無料)。

https://www.sports-his.com/marathon/

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