1月3日のライスボウルで、立命館大学パンサーズを破って4回目の日本一に輝いたパナソニックインパルス。1995年1月のライスボウルで、松下電工(当時)を主将として初の日本一に導いた、白岩弘司さんから手記をいただいた。白岩さんは、「レジェンド」脇坂康生選手の2年先輩。185センチ105キロの巨体でDTとして大暴れし「パナソニックイコール強力ディフェンス」という今に至る図式を確立した、伝説的な名選手だった。人柄のにじみ出たハートフルな文章を、お読みいただきたい。(小座野容斉)
日本選手権 第69回ライスボウル(2016年1月3日、東京ドーム)
パナソニックインパルス○22-19●立命館大学パンサーズ
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ライスボウルを、グランドでもなく、スポッター席でもなく、初めてスタンドから観させてもらいました。
OBとして、社員として、目一杯応援しました。
改めて、お客様の多さにびっくりしました。
21年前とは、社会人チームの置かれた環境が大きく変わっていたり、外国人選手が多く参戦していることなど、あの頃と比較はできないですね。
更に、選手の能力はもちろん、身体が二回りくらい大きくなっているのは、改めて驚きました。
当時185センチ105キロの私は、「大型選手」と言われてましたが、今年のチームのラインなら、むしろ「小柄」ですね。逆に今年のチームなら、他のポジションをやらせてもらえたのでは?とさえ、思いました。まぁ活躍出来てないでしょうが。
8年ぶりの優勝を目の当たりにし、体感し、優勝と同時に二つのことを強く感じました。
一つ目は、甲子園ボウル、ジャパンXボウルに続いて、最後の最後まで勝者が判らない大接戦だったので、私の周りの「フットボール素人」の方々が「アメフット面白いやん」と、認識して頂けたことです。
さまざまな普及活動がありますが、やはり、日本のトップを争うゲームが、「面白い」ことは大事なんだと再認識しました。
二つ目は、内輪の話で申し訳ないのですが、やはり企業が、チームを持つ意味の一つは「社内の結束」みたいなものがあると思うのです。それをスタンドで、そして試合を前にした職場でのやり取りで、強く感じました。
共通の目標を持ち、職場や年齢の枠を超えて一緒になって応援する、支援する。素晴らしい経験をし、ご褒美に大きな感動をもらいました。
「ライスボウル出場の際のノウハウ」は裏方さんにもいろいろとあるようなので、7年も間が開くと伝承が危ぶまれますから、今年はギリギリでしたね。
会社幹部からは、「最後まで諦めない心」について多く語られていました。真面目な我が社らしいと思います。
最後に、逆転のドライブでの2度目の4thdownーロングの場面について。21年前も同じように立命館に追い込まれ、絶体絶命のピンチから、QB渋谷→WR渡邊へのパスが決まったことをあの場面で思い出し「同じことが起こるように」と祈っておりました。
結果は・・・。同じようにどころか、スペシャルプレーで一気にタッチダウン!参りました。
やっぱり、アメリカンフットボールは、面白い!
2016年1月3日 白岩弘司