新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の事態に巻き込まれたが、日常を少しずつ取り戻している。では、サッカーの育成現場は今後どうなるのだろうか? 日本サッカー協会ユース育成ダイレクターの池内豊氏とともに、これからの選手育成について考える。
※インタビューは7月上旬にWEB会議システムを介して実施しました
出典:サッカークリニック2020年9月号
取材・構成/川端暁彦
写真/椛本結城、佐藤博之、中島光明、BBM
池内 U-17以下の代表のスケジューリングやサポート、育成年代すべてのゲーム環境の整備、そしてトレセンシステムの充実が私たちの役割です。最近ですと、中体連やタウンクラブの新たなサポート策であったり、どうしても埋もれがちになる9月以降に生まれた選手たちにチャンスを与えるプロジェクトの創設なども行なったりしています。あと、すでに行なっているGK以外のポジションの育成についても新たな施策を考えています。そして、JFAアカデミー福島についても私たちが担当している仕事です。そのスタッフの人選やプログラムづくりも私たちの仕事になっています。
池内 本当に直撃しました。サッカーそのものの位置付けを考える機会にもなったと思います。サッカーやスポーツは、やはり「生きるか死ぬか」に直接関わるようなものではありません。そのことを感じる機会になったのはもちろんですが、同時に人生を楽しく生きていくためにはサッカーが絶対必要なものだと再認識するきっかけにもなったのではないでしょうか。
池内 全国大会についてはまだ一つも実施できていないのが現状ですが、育成年代のリーグ戦などは9月前後からになると思います。ただ地域によっては、インターハイ予選の代わりとなる県大会だけを実施したり、トレセン活動を部分的に再開したりといった動きが出ています。
池内 選手やスタッフの安全が一番です。これは間違いありません。ただ、子供たちのために、サッカーをする環境を整えていくことも大切だと思っています。安全対策をしっかりした上で、何でも禁止ということではなく、試合のできる環境を整えていければと思います。もちろん、新型コロナウイルスのリスクを最小限にすることは必要ですし、そのための対策を講じた上で、というのが大前提です。
池内 いろいろな形で地域の皆さんが努力してくれています。日本サッカー協会(以下、JFA)としては全国中学校サッカー大会がなくなってしまい、(代替となるような)大会がない部分については特に気にしています。小さな大会でもいいので何とか用意できるようにサポートしたいと考えているところです。
池内 何とかしてあげたいというのは皆さん思っていて、代わりになる大会を何か開催できるのが理想です。「サッカーってやっぱり楽しいなあ」と思ってもらい、「高校でもサッカーを続けたい」と思ってほしいです。やはり、このコロナ禍でサッカー人口が減ってしまう可能性は最も深刻に考えておかなければいけません。トップ・オブ・トップのところはもちろん大切ですが、グラスルーツの場が消えていくのは避けなければいけませんし、JFAもそのためのサポートをしていかなければいけないと強く感じています。
池内 ただ、違う可能性を感じることもできた時間でした。私もこの4カ月、ほとんど自宅にいるというこれまでの生活とはまったく違うサイクルの中で過ごしていたんです。JFAの仕事に没頭していて見えていなかっただけなのかもしれませんが、近所の公園などでサッカーをしている子供が本当に多いんです。女子もすごくたくさんいます。ああいう子供たちのためにも、より良い環境を整備していく必要があるんだというモチベーションをもらうことができました。いまちょうど、9歳以下の選手指導に関する新しいガイドラインをつくろうとしていますが、その重要性も再認識しました。
池内 この年代は特に「サッカーの試合って楽しい」と思ってほしいですよね。拮抗した試合にしたほうがお互いに楽しめますし、成長もできますから、より自由なルールでいいのかもしれません。負けているほうは選手を追加できるパワープレー方式なんてルールもあり得ます。
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