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2017-07-27

「元日本代表・森岡隆三の意識」 J3クラブの監督が大切にしているものとは?

 鹿島アントラーズや清水エスパルス、京都サンガでプレーし、日本代表としては2002年の日韓ワールドカップに出場するなどして活躍した森岡隆三さんは、17年シーズンからJ3のガイナーレ鳥取で監督を務めています。トップチームを監督として初めて率い、最近はなかなか結果を出せていませんでしたが、7月23日のグルージャ盛岡戦で勝利し、5月7日のY.S.C.C.横浜戦以来、約2カ月半ぶりに勝ち点3を手にしました。
 これまで縁のなかった山陰地方にあるクラブで日々奮闘している森岡監督のインタビューを、現在発売中の『サッカークリニック』の8月号で掲載していました。今回はインタビューの中から、指導者として大切にしているものが感じられる内容を抜粋して紹介します。J3クラブの青年監督が大切にしているものとは――。(協力/石倉利英、写真/石倉利英、BBBM)

「指示や声掛けの際に使う表現は意識しています。私も現役時代に、各指導者が提示してくれた練習メニューだけでなく、李国秀さん(桐蔭学園高校時代の監督)の『出させて取る』などの言葉はよく覚えています。また、いい言葉は貯めておきたいので、本もよく読んでいます。イチロー選手やエディー・ジョーンズさん(前ラグビー日本代表・監督)、ほかには鳥取県の平井伸治・知事の本も読みました(笑)。漫画も読みますし、気に入った言葉は頭に入れて、いつでも使えるようにしています。
 現役時代に印象に残っている声掛けの中にはこのような例がありました。高校1年生のとき、李さんが全部員の前で『森岡をレギュラーで使う』と言ったとき、先輩の視線が痛くて嫌でした。しかし、李さんに『お前は100パーセントでやっているつもりかもしれないけれど、まだまだだ。俺の求めている100パーセントは、もっと高いレベルだ。この差をどうやって埋める?』と言われたのです。その言葉を聞き、『もっと頑張ればいい』、「限界を勝手に決めていたんだ』と開き直れたのです。
 鹿島アントラーズでプロになって初めて試合に出るときもそうです。すごく緊張していたのですが、本田泰人さんが肩を叩いて『いつも通りにやればいいんだよ』と言ってくれて救われました。もちろん、指導者は指導内容も大切ですが、言葉の持つパワーは信じています」(森岡)

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