ソフトボール・マガジンで連載中の『さゆ先生のピッチングクリニック』。元日本代表の山根佐由里さんによる、ピッチングの技術紹介企画です。ソフトボール・マガジンWEBでは、過去に掲載した記事を順々に紹介してきます。今回は、その2回目。ピッチング技術を紹介する前に、山根さんのソフトボール人生を振り返っていただきました。
私が所属していたのは中川小学校スポーツ少年団。今の度会エンペラーズです。私が住んでいた三重県度会郡度会町はソフトボールが盛んな町で、当時は町内に2つの小学生女子チームがありました。
もう一つが一之瀬小学校スポーツ少年団で、そちらには元Hondaの西岡(里恵)さん、その妹で元デンソーの宏華、元日立の長谷川(千尋)がいて、中川小学校とはライバル関係にありました。県大会に行っても決勝で当たるのは中川小学校と一之瀬小学校。普段は友だちだけど、試合になると負けたくない、切磋琢磨しあえる良い関係でしたね。
そして、小学6年生のときに県大会で準優勝して初めて全国大会に出場しました。でも、1回戦の相手が京都のホワイトビッキーズだったんです。無名の私たちに対して、向こうはソフトボール・マガジンで見ていた有名チームだったので、キラキラと輝いて見えました。しかも、ホワイトビッキーズのエースは江本侑香(元伊予銀行)。そのときはコールド負けを覚悟しましたが結果は1対5。思ったよりも、何とか試合になりました。
小学校のころは、近隣の和歌山県や愛知県に遠征に行ったり、毎年正月には熊野キャンプにも参加していました。それと毎年、豊田自動織機が三重県でクリニックを開いてくださっていたので、小さいときからトップの技術に触れられる環境がありました。それは、すごく恵まれていたなと思っています。ただ、その時点では、まだ実業団を目指そうなんて思っていませんでした。そんな私が、実業団を意識したのは中学2年生のときです。(ソフトボール・マガジン2018年10月号掲載記事)
山根佐由里(元トヨタ自動車)
やまね・さゆり/1990年1月24日、三重県出身。右投右打。投手。宇治山田商業高-レオパレス21(2008年~09年)-トヨタ自動車(10年~17年)。高校3年時に世界ジュニア選手権で準優勝。レオパレス21時代の実業団1年目に新人賞に輝く。トヨタ自動車移籍後、12年から16年までの5年間でリーグ記録の42連勝を打ち立て、14年には最優秀投手賞を受賞。日本代表では10年、14年、16年と世界選手権出場。17年限りで現役引退。
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