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2025-11-28

【しゅりんぷ池田のカード春秋】FUSION 2025(第3回)鳥取県出身選手のホームラン

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今季はパ・リーグの最下位に沈みながら、多くの若手選手たちが成長を見せ、来季以降に明るい兆しが見えるロッテ。そんな若手選手の1人が山本大斗です。そのパワフルな打撃から吉井理人前監督から“ダイナマイト”のニックネームを贈られた期待の長距離砲です。24年シーズンはイースタン・リーグで19本塁打、66打点の成績で本塁打・打点の二冠に輝きますが、一軍ではわずか5試合の出場に留まっていました。

今季も開幕は二軍で迎えたものの、イースタン公式戦で抜群の成績を残し、4月中旬に一軍昇格を果たすと3試合目の同16日の日本ハム戦でうれしいプロ初本塁打をマークしたのでした。この山本選手は鳥取県の出身なのですが、鳥取県の人口は47都道府県の中でもっとも少ないこともあって、プロ野球選手の輩出も少な目なのです。なんでも、山本選手の前にホームランを放ったのは投手の川口和久(広島)が88年5月18日の巨人戦(平和台)で放って以来37年ぶりだったそうなのです。野手では69年8月17日の東映戦(日生)で本塁打した松原良明(近鉄)以来56年ぶりというのですから驚きです。

No.09 山本大斗(ロ)
No.09 山本大斗(ロ)

松原は88年に亡くなっているとのことで、「FUSION」では川口とのカップリングでカード化することとなりました。さて、この37年前のホームランの写真は残っているのか? 捜索してもらったところ、ありました! 平和台でのナイトゲームということで決して写りはよくはないのですが、ダイヤモンドを一周して当時の三塁ベースコーチ・三村敏之とタッチを交わしている写真を使用することになりました。この試合に先発した同投手は3対2で迎えた8回表二死一塁から2ランホームランを放って自らを援護したのでした。川口にとっては通算3本目の本塁打で、現役ではこれが最後の本塁打でもありました。

No.10 川口和久(広)
No.10 川口和久(広)

鳥取県出身のプロ野球選手は少ないと先に書きましたが、実はプロ野球の本塁打第1号は同県出身の藤井勇(阪神)が36年5月に記録していたのでした。同選手は現役引退後に田淵幸一(阪神)をコーチしたことで知られていますが、17年の実働で残した146本塁打が鳥取県出身選手の最多記録と思われます。山本選手にはこの記録を更新する活躍を期待したいですね。



当コラムは、これまで「週刊ベースボール」の「Curutural Review」のページに掲載されていたカードのコラムを転載していたのですが、2001年春から続いていたこの連載が2024年4月1日号をもって終了しました。今後、当コラム「カード春秋」(※)はBBMカードサイトのオリジナルコラムとして続けていこうと考えておりますので、よろしくお願い致します。

※「カード春秋」というタイトルは、わたしの出身校・香川県立高松高校(旧制・高松中)の大先輩にして、文藝春秋社の創設者である菊池寛先生へのオマージュなのです。

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