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2025-12-02

【しゅりんぷ池田のカード春秋】FUSION 2025(第5回)初登板から被本塁打0の最長記録

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23年に育成で入団し、同年途中に支配下登録となった松山晋也(中日)。24年には43ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手となりましたが、今季は守護神・マルティネスが巨人に移籍したこともあり、代役のクローザーを務めることに。そして、そのマルティネスと同数の46セーブを挙げて最多セーブのタイトルを獲得と短期間の間に大出世を遂げました。

そんな同投手が、今季もう一つ珍しい記録を打ち立てていたのです。4月26日のヤクルト戦の最終回に登板し、打者2人を連続三振で切って取り、これで初登板から100回1/3を投げ被本塁打0としたのです。初登板から被本塁打0の最長記録は54年の宅和本司(南海)の131回2/3。松山は5月13日のヤクルト戦で北村拓己に被弾してこの記録は105イニングでストップしたのですが、これは2リーグ分立後史上2位の記録で、セ・リーグ記録となりました。

No.29 松山晋也(中)
No.29 松山晋也(中)

では、従前のリーグ記録保持者はというと、これが安木祥二(ヤクルト)の98回2/3だったのです。安木祥二! なつかしい~! と思って松山&安木のカップリングでカード化することになりました。同投手は33勝51敗という通算成績ですので、それほど有名な選手ではないのですが、個人的にとても印象深い選手でした。というのも、ヤクルト(69⑤)―太平洋(75)―ロッテ(77)―中日(82途~84)と移籍を繰り返したからです。やや変則な左腕投手ということで、使い勝手がよかったのでしょう。実働16年で445試合に登板しました。

No.30 安木祥二(ヤ)
No.30 安木祥二(ヤ)

74年オフに福富邦夫との交換トレードで太平洋に転じ(福冨はヤクルトへ出戻り)、76年オフに白仁天とともに長谷川一夫・倉持明との交換トレードでロッテに移籍。82年途中に金井正幸とのトレードで4球団目の中日入りと、トレードの交換相手も著名選手が並びます。そんなところからも安木の商品価値の高さがうかがえます。

問題は同氏と連絡がつくかどうかだったのですが、これは出身校の関西高の関係者に連絡して、わりと簡単に解決。安木氏がBBMカードに登場するのは初だと思うのですが、こころよく、サインにも応じていただけました。こうしたなつかしの選手を発掘できるのも「FUSION」シリーズの醍醐味の一つですね。



当コラムは、これまで「週刊ベースボール」の「Curutural Review」のページに掲載されていたカードのコラムを転載していたのですが、2001年春から続いていたこの連載が2024年4月1日号をもって終了しました。今後、当コラム「カード春秋」(※)はBBMカードサイトのオリジナルコラムとして続けていこうと考えておりますので、よろしくお願い致します。

※「カード春秋」というタイトルは、わたしの出身校・香川県立高松高校(旧制・高松中)の大先輩にして、文藝春秋社の創設者である菊池寛先生へのオマージュなのです。

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