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2025-12-02

【アメフト】立命館が早稲田を42-31で破り甲子園ボウルへ 関学との史上初関西対決が実現

オフェンス最初のプレーでTDを決め叫ぶ立命館QB竹田剛=撮影:北川直樹

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アメリカンフットボールの全日本大学選手権の準決勝が11月29日、スピアーズえどりくフィールドで行われ、立命館大学パンサーズが42-31で早稲田大学ビッグベアーズを下した。立命館は12月14日の甲子園ボウルで関西学院大学ファイターズと対戦する。史上初の関西対決となる甲子園ボウルは、関西リーグで24-3と敗れた関学との雪辱戦となる。

試合は立命館が序盤から主導権を握り、QB竹田剛(4年=大産大附属)を中心としたランとパスをバランスよく使い分ける攻撃で早稲田を圧倒した。早稲田は獲得距離で健闘したが、5つのターンオーバーを喫し、立命館ディフェンスに翻弄される苦しい展開を強いられた。【北川直樹】

立命館大学 ○42-31● 早稲田大学(スピアーズえどりくフィールド)

開始直後のインターセプトで立命が流れをつかむ


立命館は試合開始直後から強烈なプレッシャーをかけた。早稲田の最初のオフェンスシリーズで、QB船橋怜(4年=早大学院)のパスをLB酒井大輝(4年=県立長浜北)がインターセプト。66ydのビッグリターンで早稲田陣10ydまで一気にボールを持ち込む。立命館は最初のプレーでQB竹田が右サイドに展開して走り抜け、TD。開始わずか27秒で7-0と先制した。

早稲田も反撃に出る。船橋がWR中原秀城(4年=南山)、吉規颯真(4年=早大学院)へと次々とパスを通し、攻め込む。しかしファンブルでボールを失い、得点につなげられなかった。

立命館はこの好機を逃さず第1Q終盤、RB蓑部雄望(3年=佼成学園)へのパス、ランでゴール前へ。最後は蓑部が右サイドへ走り、カットバックで縦に1yd押し込んでTD。14-0とリードを広げた。

第2Qに入り、早稲田は8:13にK小林賢多(4年=八千代松蔭)の42ydFGで3点を返すが立命館の攻撃は止まらない。13:18、竹田がWR木下亮介(4年=箕面自由)へロングTDパスを投じ、21-3と突き放した。

早稲田もすぐさま反撃。負傷で退いたエースRB安藤慶太郎(4年=早大学院)に代わって登場したRB長内一航(3年=早稲田実業)のランでゴール前まで進むと、終了間際に長内が1ydを押し込んでTD。21-10と2ポゼッション差まで詰め寄り前半を折り返した。

 勝負強いキャッチと走りで存在感を魅せた立命館WR木下=撮影:北川直樹
勝負強いキャッチと走りで存在感を魅せた立命館WR木下=撮影:北川直樹

# 【アメフト】立命館が早稲田を42-31で破り甲子園ボウルへ 関学との史上初関西対決が実現   オフェンス最初のプレーでTDを決め叫ぶ立命館QB竹田剛=撮影:北川直樹 アメリカンフットボールの全日本大学選手権の準決勝が11月29日、スピアーズえどりくフィールドで行われ、立命館大学パンサーズが42-31で早稲田大学ビッグベアーズを下した。立命館は12月14日の甲子園ボウルで関西学院大学ファイターズと対戦する。史上初の関西対決となる甲子園ボウルは、関西リーグで24-3と敗れた関学との雪辱戦となる。 試合は立命館が序盤から主導権を握り、QB竹田剛(4年=大産大附属)を中心としたランとパスをバランスよく使い分ける攻撃で早稲田を圧倒した。早稲田は獲得距離で健闘したが、5つのターンオーバーを喫し、立命館ディフェンスに翻弄される苦しい展開を強いられた。【北川直樹】 ## 立命館大学 ○42-31● 早稲田大学(スピアーズえどりくフィールド) ## 開始直後のインターセプトで立命が流れをつかむ 立命館は試合開始直後から強烈なプレッシャーをかけた。早稲田の最初のオフェンスシリーズで、QB船橋怜(4年=早大学院)のパスをLB酒井大輝(4年=県立長浜北)がインターセプト。66ydのビッグリターンで早稲田陣10ydまで一気にボールを持ち込む。立命館は最初のプレーでQB竹田が右サイドに展開して走り抜け、TD。開始わずか27秒で7-0と先制した。 早稲田も反撃に出る。船橋がWR中原秀城(4年=南山)、吉規颯真(4年=早大学院)へと次々とパスを通し、攻め込む。しかしファンブルでボールを失い、得点につなげられなかった。 立命館はこの好機を逃さず第1Q終盤、RB蓑部雄望(3年=佼成学園)へのパス、ランでゴール前へ。最後は蓑部が右サイドへ走り、カットバックで縦に1yd押し込んでTD。14-0とリードを広げた。 第2Qに入り、早稲田は8:13にK小林賢多(4年=八千代松蔭)の42ydFGで3点を返すが立命館の攻撃は止まらない。13:18、竹田がWR木下亮介(4年=箕面自由)へロングTDパスを投じ、21-3と突き放した。 早稲田もすぐさま反撃。負傷で退いたエースRB安藤慶太郎(4年=早大学院)に代わって登場したRB長内一航(3年=早稲田実業)のランでゴール前まで進むと、終了間際に長内が1ydを押し込んでTD。21-10と2ポゼッション差まで詰め寄り前半を折り返した。   勝負強いキャッチと走りで存在感を魅せた立命館WR木下=撮影:北川直樹   ひたむきな走りでエースRB安藤の不在を埋める力走をした早稲田RB長内=撮影:北川直樹 ## 第3Q、立命館の2TDで決定的な差に 第3Q、立命館は多彩な攻撃で早稲田を圧倒した。1:31、RB漆原大晟(2年=立命館宇治)がランでTD。28-10とする。さらに6:22、QB竹田がWR有馬快音(3年=滝川)へTDパスを通し、35-10と大きくリードを広げた。 早稲田も粘りを見せる。船橋がWR松野雄太朗(4年=早大学院)へのパスと、自身のランでゴール前へ進むと、10:30に船橋がキープで4ydを走り込んでTD。35-17と差を詰めた。 第4Q、立命館は蓑部へのピッチで大きくゲイン。そして1:27に蓑部が7ydランでTDを決め、42-17と再び差を広げる。 しかし早稲田は諦めなかった。トリックプレーで前進し、長内がTD。42-24とする。残り時間が少なくなる中、早稲田は自陣20ydから猛攻を開始。船橋がキープとパスを駆使して前進し、13:15に船橋自らが24ydを走り込んでTD。42-31まで詰め寄った。早稲田はオンサイドキックに賭けたが失敗。立命館が時計を回し、試合終了となった。   パスだけではなくスクランブルでも活躍した早稲田QB船橋=撮影:北川直樹 ## 攻守で存在感を示したMVP藤津とMIP吉規 この試合、立命館は攻撃回数63回で442ydを獲得し、19回の1stダウンを獲得。ランオフェンスは41回で180ydを記録し、蓑部が14回41yd(2TD)、漆原が8回37yd(1TD)、交代でスポット出場のQB井口が4回82ydと、3人が中心となってゲインを重ねた。 パスはQB竹田が21回投げて15回成功、262yd、2TDという高効率を記録。WR木下が8回175yd(1TD)と驚異的な距離を稼いだ。 ディフェンスは、MVP受賞の藤津伊琉(3年=大産大附属)を中心に多くのターンオーバーを奪い、早稲田のオフェンスを挫いた。   7タックル1INT、1パス守備でMVPを受賞した立命館DB藤津=撮影:北川直樹 一方の早稲田は、総獲得404ydと立命館に並ぶ数字を残した。ラン32回145yd、パスは50投25成功259yd、1stダウンは22回と立命館を上回った。QB船橋は果敢に攻めたものの、勝負どころで発生した5つのターンオーバーが響いた。RB長内が12回52yd(2TD)、MIP受賞のWR吉規が8回113ydと個々の選手は奮闘を見せた。 ディフェンスはLB原康介(4年=早大学院)、DL伊藤寛太郎(4年=成蹊)らが立命館の強力なランを懸命におさえたが、チームのターンオーバーバトルで5-1と分が悪かった。   早稲田のエースWRとしてチームリーダーとなる活躍のWR吉規=撮影:北川直樹 ## 関学戦での雪辱を誓う甲子園ボウルへ 立命館は12月14日、阪神甲子園球場で行われる甲子園ボウルで関西学院大学と対戦する。史上初の関西リーグ同士の対決となる今回の甲子園ボウルは、関西リーグで24-3で敗れた相手との雪辱戦となる。 関学は30日に行われた準決勝で関西大学を52-7で下し、圧倒的な力を見せつけた。立命館にとっては、リーグ戦で完敗した相手にどれだけ成長した姿を見せられるか。蓑部、漆原に、フラッグフットボール日本代表のルーキー・奥村倖大(追手門学院)らがランニングゲームで勢いを作れるかが鍵になる。 立命館がこの日見せた多彩なオフェンスと、ターンオーバーを量産する強力ディフェンスが、甲子園ボウルでも見られるか。   徹底したマークの中で2TDを決めた立命館RB蓑部=撮影:北川直樹   蓑部と双璧の走力を持つ立命館RB漆原=撮影:北川直樹   ポイント起用で走力を見せつけた立命QB井口=撮影:北川直樹   早稲田守備のフロントで奮闘したDL伊藤=撮影:北川直樹
ひたむきな走りでエースRB安藤の不在を埋める力走をした早稲田RB長内=撮影:北川直樹

第3Q、立命館の2TDで決定的な差に

第3Q、立命館は多彩な攻撃で早稲田を圧倒した。1:31、RB漆原大晟(2年=立命館宇治)がランでTD。28-10とする。さらに6:22、QB竹田がWR有馬快音(3年=滝川)へTDパスを通し、35-10と大きくリードを広げた。

早稲田も粘りを見せる。船橋がWR松野雄太朗(4年=早大学院)へのパスと、自身のランでゴール前へ進むと、10:30に船橋がキープで4ydを走り込んでTD。35-17と差を詰めた。

第4Q、立命館は蓑部へのピッチで大きくゲイン。そして1:27に蓑部が7ydランでTDを決め、42-17と再び差を広げる。

しかし早稲田は諦めなかった。トリックプレーで前進し、長内がTD。42-24とする。残り時間が少なくなる中、早稲田は自陣20ydから猛攻を開始。船橋がキープとパスを駆使して前進し、13:15に船橋自らが24ydを走り込んでTD。42-31まで詰め寄った。早稲田はオンサイドキックに賭けたが失敗。立命館が時計を回し、試合終了となった。

パスだけではなくスクランブルでも活躍した早稲田QB船橋=撮影:北川直樹
パスだけではなくスクランブルでも活躍した早稲田QB船橋=撮影:北川直樹

攻守で存在感を示したMVP藤津とMIP吉規

この試合、立命館は攻撃回数63回で442ydを獲得し、19回の1stダウンを獲得。ランオフェンスは41回で180ydを記録し、蓑部が14回41yd(2TD)、漆原が8回37yd(1TD)、交代でスポット出場のQB井口が4回82ydと、3人が中心となってゲインを重ねた。

パスはQB竹田が21回投げて15回成功、262yd、2TDという高効率を記録。WR木下が8回175yd(1TD)と驚異的な距離を稼いだ。

ディフェンスは、MVP受賞の藤津伊琉(3年=大産大附属)を中心に多くのターンオーバーを奪い、早稲田のオフェンスを挫いた。

7タックル1INT、1パス守備でMVPを受賞した立命館DB藤津=撮影:北川直樹
7タックル1INT、1パス守備でMVPを受賞した立命館DB藤津=撮影:北川直樹

一方の早稲田は、総獲得404ydと立命館に並ぶ数字を残した。ラン32回145yd、パスは50投25成功259yd、1stダウンは22回と立命館を上回った。QB船橋は果敢に攻めたものの、勝負どころで発生した5つのターンオーバーが響いた。RB長内が12回52yd(2TD)、MIP受賞のWR吉規が8回113ydと個々の選手は奮闘を見せた。

ディフェンスはLB原康介(4年=早大学院)、DL伊藤寛太郎(4年=成蹊)らが立命館の強力なランを懸命におさえたが、チームのターンオーバーバトルで5-1と分が悪かった。

早稲田のエースWRとしてチームリーダーとなる活躍のWR吉規=撮影:北川直樹
早稲田のエースWRとしてチームリーダーとなる活躍のWR吉規=撮影:北川直樹

関学戦での雪辱を誓う甲子園ボウルへ

立命館は12月14日、阪神甲子園球場で行われる甲子園ボウルで関西学院大学と対戦する。史上初の関西リーグ同士の対決となる今回の甲子園ボウルは、関西リーグで24-3で敗れた相手との雪辱戦となる。

関学は30日に行われた準決勝で関西大学を52-7で下し、圧倒的な力を見せつけた。立命館にとっては、リーグ戦で完敗した相手にどれだけ成長した姿を見せられるか。蓑部、漆原に、フラッグフットボール日本代表のルーキー・奥村倖大(追手門学院)らがランニングゲームで勢いを作れるかが鍵になる。

立命館がこの日見せた多彩なオフェンスと、ターンオーバーを量産する強力ディフェンスが、甲子園ボウルでも見られるか。


徹底したマークの中で2TDを決めた立命館RB蓑部=撮影:北川直樹

蓑部と双璧の走力を持つ立命館RB漆原=撮影:北川直樹
 蓑部と双璧の走力を持つ立命館RB漆原=撮影:北川直樹

蓑部と双璧の走力を持つ立命館RB漆原=撮影:北川直樹
ポイント起用で走力を見せつけた立命QB井口=撮影:北川直樹

早稲田守備のフロントで奮闘したDL伊藤=撮影:北川直樹
 早稲田守備のフロントで奮闘したDL伊藤=撮影:北川直樹

北川直樹

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