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2026-01-20

【NFL】スーパーボウル目指すディビジョナル4ゲームの結果 そしてさらなる衝撃のニュース

【ブロンコスvsビルズ】厳しい表情を見せるビルズのマクダーモットHC。この後にまさかの解任劇が待ち受けてい=photo by Getty Images

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アメリカンフットボールの世界最高峰、米プロフットボール・NFLは現地1月17・18日(日本時間18・19日)、NFC、AFC両カンファレンスのデイビジョナルプレーオフ計4試合が行われた。4試合中2試合が延長オーバータイムにもつれ込む熱戦となり、AFCはデンバー・ブロンコスとニューイングランド・ペイトリオッツが、NFCはシアトル・シーホークスとロサンゼルス・ラムズが勝ち上がった。第60回スーパーボウルを目指す戦いは、この4チームに絞られた。
またディビジョナルゲームの翌々日に、敗退したバッファロービルズのショーン・マクダーモットHC(ヘッドコーチ)が解任されるという衝撃のニュースも飛び込んできた。

この結果、現地1月25日のカンファレンスチャンピオンシップは、AFCがペイトリオッツ対ブロンコス、NFCがラムズ対シーホークスという組み合わせ(日時は米国東部標準時、後者がホーム)となった。

NFCチャンピオンシップ=1月25日午後3時
(5位) ロサンゼルス・ラムズ vs シアトル・シーホークス(1位)

AFCチャンピオンシップ=1月25日午後6時半
(2位)ニューイングランド・ペイトリオッツ vs デンバー・ブロンコス(1位)


オーバータイムの死闘、そして両チームに激震が
【ブロンコスvsビルズ】またもプレーオフで敗退。憔悴の表情で引き上げるビルズQBアレン=photo by Getty Images


AFCディビジョナルプレーオフ=1月18日
(1位)デンバー・ブロンコス○33=OT=30●バッファロー・ビルズ(6位)

ブロンコスが昨季プレーオフでビルズに7-31で敗れた雪辱を果たした。

ブロンコスが勝利を決めたドライブは、OT(オーバータイム)でビルズの犯したインターセプトが始まりだった。ブロンコスのニッケルバック、ジャクアン・マクミリアンが、ビルズQBジョシュ・アレンのロングパスをインターセプトした。20ヤードラインでビルズWRブランディン・クックスと競り合いながらボールを奪った。

このプレーは、クックスがキャッチしてダウンしたように見えたが、審判はクックスの確保を認めず、ボールは地面についていなかったためプレーが続きインターセプトとなった。
パス成功でボールデッドという判定であれば、ゴールまで20ヤード、したがって40ヤード未満のFGが可能で、ビルズがほぼ勝利を手中にできた場面だった。
【ブロンコスvsビルズ】議論を呼んだOTのインターセプト。ビルズWRクックスがキャッチしたかに見えたが・・・=photo by Getty Images

ここからのブロンコスの攻撃で、QBボー・ニクスはキーププレーでビルズのDBコール・ビショップにタックルされ、2ヤードをロスした。プレー後二クスは足を引きずっていたが、深刻な負傷の兆候はなかった。

この後二クスはWRマービン・ミムズ・ジュニアにロングパスを投げ、パスインターフェアを誘発した。FG圏内に入ったブロンコスは、その後、ニックスは膝をついてボールをセンターに渡し、ルッツが試合終了のFG(フィールドゴール)を決めた。

OTの微妙な判定が議論となったが、しかしトータルでみればビルズの自滅だった。この試合犯したターンオーバーは5回。そのうち4回がチームの支柱であるアレンが喫した(2インターセプト、2ファンブルロスト)。試合後の会見でアレンは「チームメイトを裏切ったと感じている」と、涙ぐみながら語った。

そして、もっと大きな衝撃が、両チームを襲った。

ブロンコスは、QB二クスが、OTのランプレーで踵を骨折していたことが判明した。ショーン・ペイトンHC(ヘッドコーチ)は「二クスのシーズンは終了した」と会見で発表。手術をするため、仮にスーパーボウルまで進んでももう試合には出られないことを明言した。

これ以降、ブロンコスのQBは控えのジャレット・スティダムが務めることになる。ステイダムは、ペイトリオッツでトム・ブレイディの控えとしてキャリアを始めたが、レイダースを経て、ブロンコスに移籍した。過去2シーズンはゲームでパスを投げたことはない。

ビルズは、現地1月19日に、ショーン・マクダーモットHCの解任を発表した。就任後9シーズンで負け越しは1回だけ、過去7シーズンは、公式戦すべて10勝以上で83勝33敗、勝率7割を優に超えていたエリートHCのマクダーモットだったが、プレーオフは8勝8敗。スーパーボウルには一度も届かなかった。スーパーボウル不出場の現役全コーチの中では、7シーズンでトータル91勝は最高の成績だった。
【ブロンコスvsビルズ】OTのインターセプトを巡って、審判に説明を求めるビルズのマクダーモットHC=photo by Getty Images

1週間前に退任し、大きなニュースとなったスティーラーズのマイク・トムリン前HCは、公式戦負け越しはなかったものの、プレーオフは7連敗で、HC交代はこの数年常に取りざたされていた。プレーオフで勝ち抜けなかったとはいえ、マクダーモットは、リーグで屈指の好成績を残していただけに、驚きは大きかった。またトムリンは、自ら退任の道を選んだが、マクダーモットには解任という厳しい人事が待っていた。トムリンとマクダーモットは、奇しくも同じウィリアム&メアリー大学出身で、大学ではチームメートだった。

2018年入団のアレンはマクダーモットがHC就任2年目に、1巡で指名したQB。アレンは今どんな思いで過ごしているのだろうか。


今季3度目のライバル対決は予想外の大差
【シーホークスvs49ers】ランで3TDと活躍したシーホークスのRBウォーカー3世=photo by Getty Images


NFCディビジョナルプレーオフ=1月18日
(1位)シアトル・シーホークス○41-6●サンフランシスコ・49ers(6位)

公式戦は1勝1敗だった地区内ライバル今季3度目の対決は、シーホークスが予想大の大差で49ersに圧勝した。ラシッド・シャヒードが開幕キックオフを95ヤードのリターンTD(タッチダウン)。その後も順調に得点を重ねた。RBケネス・ウォーカー3世がランで3TD。腹部の筋肉負傷で出場が危ぶまれていたQBサム・ダーノルドは、派手さはないが堅実なスタッツで、レギュラーシーズンから15個目の白星を積み重ねた。
ダーノルドは、昨季はバイキングスのQBとして初のプレーオフに臨んだが、ラムズの強力ディフェンスに9サックを喫し惨敗(9-27)していた。ダーノルドは、今シーズンは17回のパス12/17、124ヤード)を記録。WRジャクソン・スミス・ジグバにTDパスを決めた。
【シーホークスvs49ers】試合後、惨敗した49ersQBパーディーを称えるシーホークスQBダーノルド=photo by Getty Images

49ersはTEジョージ・キトルを負傷で欠いたのが痛かった。RBクリスチャン・マキャフリーは、第2Qで負傷し、第3Qに復帰したが、その後試合を完全に離脱した。優秀なバックフィールドを生かすすべに長けたQBブロック・パーディーだが、序盤から大差をつけられた試合では、持ち味を発揮しようがなかった。

ブレイディ以来のチャンピオンシップ
【ペイトリオッツvsテキサンズ】ペイトリオッツDBマーカス・ジョーンズはピック6(インターセプトリターンTD)を決めた=photo by Getty Images


AFCディビジョナルプレーオフ=1月19日
(2位)ニューイングランド・ペイトリオッツ○28-16●ヒューストン・テキサンズ(5位)

ペイトリオッツのQBドレイク・メイは雪と雨の中3TD(タッチダウン)パスを、DBマーカス・ジョーンズはピック6(インターセプトリターンTD)を決めた。これが全得点となり、ペイトリオッツは、トム・ブレイディがエースQBだった2018年シーズン以来、7年ぶりのAFCチャンピオンシップゲーム進出を決めた。

ディフェンスが強いチーム同士の寒冷地での戦い。若いQBには忍耐が必要だった。メイはパス16/27で、179ヤードを獲得したが、1インターセプト、4ファンブル(2回はロスト)を記録。しかし、テキサンズQBのC.J.ストラウドは4インターセプト、RBウッディマークスも1ファンブルロストを記録した。ターンオーバー5回を犯したのがテキサンズで、3回がペイトリオッツだった。
【ペイトリオッツvsテキサンズ】ペイトリオッツDBマーカス・ジョーンズはピック6(インターセプトリターンTD)を決めた=photo by Getty Images

試合後の会見でストラウドは「皆を失望させてしまったと思う。そのことが悔しい。辛い。こんなことには慣れていない」と語った。

ストラウドは素晴らしい成績だったデビュー年から、年々スタッツが落ちている。今プレーオフも、散々な出来だった。

2023 パス4108ヤード、成功率63.9%、23TD・5INT
2024 パス3727ヤード、成功率63.2%、20TD・12INT
2025 パス3041ヤード、成功率64.5%、19TD・8INT
【ペイトリオッツvsテキサンズ】テキサンズQBストラウドはキャリアワーストの4INTを喫した=photo by Getty Images

ペイトリオッツは、デンバー開催のチャンピオンシップに向かうが、今季アウェイゲームは8戦全勝。そして対戦するブロンコスには、エースQBのボー・二クスはいない。


驚異の同点TDパスと、不注意なインターセプト

NFCディビジョナルプレーオフ=1月19日
(2位)ロサンゼルス・ラムズ○20=OT=17●シカゴ・ベアーズ(5位)

プレーオフ戦線で生き残った唯一の30代スターターQBマシュー・スタフォード率いるラムズは、QBケイレブ・ウィリアムズの驚異的なロングパスTDがもたらしたOT(オーバータイム)を勝ち切り、NFCチャンピオンシップ進出を決めた。

試合終了まで30秒を切って、ラムズは17-10とリードしていた。ベアーズはゴールまで14ヤードラインで4thダウン&4ヤードの局面を迎えた。ウィリアムズがパスラッシュをかわして、どんどん後ろに下がった。

ショットガンだったので、QBのセット位置はボールの位置より5ヤード後方。さらにそこからバックペダルで20ヤードほど下がると、思い切り腕を振った。そして、エンドゾーンの奥にいたTEコールクメットへTDパスをヒット。エクストラポイントも決まって同点としたのだった。

公式記録では14ヤードパスだが、NFLのネクストジェネレーションスタッツは、このパスの空中弾道は51.2ヤードだったと計算している。

驚異の同点劇で主役となりながら、OTではイージーなインターセプトを喫して敗戦の墓穴を掘ったのもまたQBウイリアムズだった。

OTでは、ベアーズがコイントスに勝ち、後攻を選択。ラムズが3&アウトでパント、ベアーズは16ヤード地点からオフェンスを開始した。QBウィリアムズは4thダウン1ヤードの場面では3ヤードのキープでドライブを継続した。

ラムズのOT最初のオフェンスは無得点だったので、もうFGで良かった。しかし、QBウィリアムズはセカンドダウン8ヤードの場面で、無造作に投げたロングパスを、ラムズFSのカム・カールにインターセプトされた。カールはディープを守っていたが、その存在が全く目に入っていなかったかのような不注意なパスだった。

【ラムズvsベアーズ】オーバータイムでベアーズQBウィリアムズのパスをインターセプトしたベアーズDBカール=photo by Getty Images
このインターセプトの後、ラムズのスタフォードは3本のパスを確実に決めてドライブを重ね、Kハリソン・メビスの42ヤードFGで勝利を決めたのだった。

ラムズのQBスタフォードはパス20/42で258ヤードだったが、4サックを喫した。WRプカ・ナクアはワイルドカードではパンサーズ相手に111ヤードを記録したが、この試合では半分の56ヤードレシーブに留まった。

ベアーズのQBウィリアムズはパス23/42で257ヤードを獲得。TDパスは2本で、0本のスタフォードを上回ったが、3INT(スタフォードは0INT)が命取りとなった。
【ラムズvsベアーズ】超絶の同点TDパスを決めながら、不注意なインターセプトで敗れたベアーズQBウイリアムズ=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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