※世界ソフトの解説を務める山根佐由里さん
写真◎榎本郁也
8月2日(木)から12日(日)まで、千葉県で開催されている『第16回世界女子ソフトボール選手権』。ソフトボール・マガジンWEBでは、テレビ東京で解説を担当する山根佐由里さん(元日本代表)に、各試合を振り返っていただく。本日は第5戦のベネズエラ戦です。
この試合で日本は初失点を喫しました。本音を言えば、全試合完封でいってほしかったという思いもありますが、勝股美咲選手にとっては初めての大舞台。にも関わらず、世界大会で先発で投げているのですから、これからが楽しみな投手だと思います。
ただ、日の丸を背負っている以上、初回からどんどん攻めていってほしかったですね。前回のボツワナ戦もそうでしたが、立ち上がりの不安定さが目立ちました。そこは彼女自身も自覚していると思うので、これから経験を積んで良くなっていってほしいです。
具体的に言うと、最初はチェンジアップのコントロールが定まらずに苦しんでいました。しかし、4回を3人で仕留めてからは良いリズムに乗っていけた印象です。結果的に11個の三振を奪っていますが、取るべきところできっちり取れたところが良かったと思います。
7月のUSAインターナショナルカップではライズで三振を取ったという話を聞いていますが、相手も今回は高めをしっかりと見てきていたので、前回のようにはいかなかったのかな。だた、途中からチェンジアップでカウントを稼いだり、決め球として使ったり、空振りを取ったり、チェンジアップを上手に使っていました。そこは素晴らしかったですね。
初回表に1点取られて、その裏に山本優選手の3ランで3点返して、3回表にまた1点取られてと、試合がどちらに転ぶか分からない状況でしたが、そんなときに渥美万奈選手がタイムリーを打って、藤田選手が一発を決めてくれました。あれで一気に日本に流れがきました。
点を取られても、その後に打つべき人がきちっと打っていましたね。そして、これはこれまでの試合でも感じていることですが、打線がしっかりと”線”になっています。どうしてもホームランに目がいきがちですが、つないだ結果のホームランなので、良い打線を形成していると思います。
カナダは昨日の中国戦で7得点を挙げるなど打線が活発になってきています。まずは一番バッターに気を付けて、そして一発にも気を付けてほしい。競った試合が予想されるので、守備では失策で相手に流れをあげないように、攻撃では少ないチャンスをしっかりとものにしてほしいと思います。
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