
明治安田生命J1リーグ第20節で暫定2位のセレッソ大阪と首位川崎フロンターレが激突。先制した川崎FにC大阪が追いついて緊張の糸が張り詰める好ゲームになったが、川崎Fがチャンスに決めきって勝ち点差を14にまで広げた。
上写真=交代出場の三笘が一気に3点目を奪った。あっという間に2点差にした(写真◎J.LEAGUE)

フロンターレ強し。それを改めて証明した試合になった。
暫定2位と首位の決戦は、アウェーの川崎フロンターレが相変わらずの攻勢で幕開け。縦横斜めと自在のパスで左右バランスよく攻めていった。しのいだセレッソ大阪もカウンターを中心に逆襲。15分のFK、16分のCKなど、セットプレーで惜しいチャンスを作りながら、互角の戦いでファンを喜ばせた。
片方が攻め、片方が守ると、今度はもう一方が攻めてもう一方が守る。攻守のターンを順番に入れ替えながらのバスケットボールのような戦いが続いたが、先にスコアを動かしたのは川崎Fだった。37分に右から脇坂泰斗が送ったCKが逆サイドに流れ、齋藤学のセンタリングもクリアされる。しかしこのボールを登里享平がダイレクトで右へ送ると、脇坂もダイレクトで強烈なセンタリング、これがC大阪の瀬古歩夢に当たってゴールに飛び込んだ。
C大阪にとっては不運なゴールだったが、62分に同点に追いついたことで緊迫感は高まった。右からの松田陸のアーリークロスが絶品で、相手のCBの間に潜り込んだ奥埜博亮の頭にぴたり。斜め後ろから来たボールをゴール左にきれいに流し込んだ奥埜のヘッドの技術も高かった。
ここから球際の強さでボールを刈り取り始めたC大阪が徐々にペースを握りかけたところで、川崎Fが牙をむく。鬼木達監督が「焦れずに戦ってくれた。メンタルの勝利だと思います」と話したように、同点に追いつかれてもじっくりと相手を見極めて、チャンスを一気に決めていった。
まずは83分、右CKがこぼれたところを旗手玲央が強烈なダイレクトシュート、GKキム・ジンヒョンもよく反応したが、ボールをこぼしてしまい、交代で入ったばかりのレアンドロ・ダミアンが最初のタッチで蹴り込んだ。その1分後、川崎Fらしい細かいパス回しで翻弄し、ペナルティーエリアの中に入って奪われかけるものの山根視来が粘ってつなぎ、最後は三笘薫が押し込んで、あっという間に3-1とした。
C大阪も交代選手を使いながら攻撃にパワーを使ったものの、このまま試合終了。ここで勝って少しでも近づきたかったが、これで勝ち点差は14ポイントになった。ロティーナ監督は淡々としながら「いい攻撃もできていて落ち着いてプレーして同点に追いつき、拮抗した試合になったが、コーナーキックがこぼれたところからの最初の2失点が痛かった」と振り返った。「フロンターレの強さは分かっていたが、これだけ差が出るのは日本のリーグではとても珍しい。彼らに勝つにはすべての試合ですべてのことがうまくいく必要がある」とも話した。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
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