close

2020-10-12

【アメフト】日大、3年ぶりのTOP8で宿敵・法大を倒す オフェンス躍動、QB林がパスで4TD 

【日大vs法大】4Q5分、2点差に詰め寄られた直後の日大のオフェンスで、RB川上が73ヤードのランTD、法大を突き放す=2020年10月11日、撮影:小座野容斉

全ての画像を見る

 アメリカンフットボールの関東大学リーグ1部TOP8は、10月11日の開幕節で、日本大学フェニックスと法政大学オレンジが対戦、3年ぶりにTOP8に復帰した日大が点の取り合いを制して法大を破った。

 日本大学フェニックス○44-34●法政大学オレンジ(2020年10月11日)
 
 甲子園ボウル出場34回の日大と、17回の法大。関東の覇を競ってきたライバルの秋シーズン66回目の対戦は、オフェンスのビッグプレーの応酬となったが、パスとランのバランスが取れた日大が、最後まで主導権を手放さなかった。

 先制したのは法大、第1クオーター(Q)3分、OLの巧みなブロックを生かしたRB星野凌太朗が61ヤードを独走してタッチダウン(TD)を奪った。日大はすかさず反撃、RB秋元旻宰の力強いランで前進し、1Q5分、QB林大希がWR林裕嗣へTDパスを決めて同点とした。

【日大vs法大】1Q5分、日大QB林のパスを受けたWR林が同点のTD=2020年10月11日、撮影:小座野容斉
【日大vs法大】1Q5分、日大QB林のパスを受けたWR林が同点のTD=2020年10月11日、撮影:小座野容斉


 日大は第2クオーターにフィールドゴール(FG)を決め逆転。さらに、QB林が2Q5分と10分に、2本のTDパスを決めて23対14とリードして後半へ折り返した。

【日大vs法大】2Q7分、法大RB阿部が20ヤードを走ってTD=2020年10月11日、撮影:小座野容斉
【日大vs法大】2Q7分、法大RB阿部が20ヤードを走ってTD=2020年10月11日、撮影:小座野容斉

 第3クオーター、法大ディフェンスのアジャストで、パスが決まらなくなった日大QB林だったが、勝負所でWR林へ巧みなパスを決めて前進、2Q6分にRB秋元のランでTDを奪って、リードを16点に広げた。

 法大は、第4クオーターに猛反撃。QB平井将貴が、WR神優成にエンドゾーン右隅ぎりぎりのTDパスを決めると、次のオフェンスでも、RB星野がスクリーンパスから右サイドライン沿いを快走し63ヤードのTD、日大のリードは30-28と、わずか2点となる。

 しかし日大は4Q5分、2枚看板のRB川上理宇が、外をまくるランで73ヤードを走り切ってTD、さらに、8分にはQB林からWR林へのTDパスも決まり、再びリードを16点に広げた。法大は平井がTDパスを決めて、さらに追いすがるが、残り1分を切ったところで日大DB小松泰登が平井のパスをインターセプト。熱戦に終止符を打った。

【日大vs法大】2Q5分、右に流れた日大QB林がエンドゾーン右端ぎりぎりにTDパスを決める=2020年10月11日、撮影:小座野容斉
【日大vs法大】2Q5分、右に流れた日大QB林がエンドゾーン右端ぎりぎりにTDパスを決める=2020年10月11日、撮影:小座野容斉


【日大vs法大】力強い突進で、序盤からオフェンスをけん引した日大RB秋元=2020年10月11日、撮影小座野容斉

【日大vs法大】力強い突進で、序盤からオフェンスをけん引した日大RB秋元=2020年10月11日、撮影:小座野容斉

 日大は、秋元、川上の両エースRBに加え、柴田健人も良く走り、ランで273ヤードを記録。QB林は、後半パスの精度が落ちたものの、インターセプトなしで240ヤード4TDと勝負強さを見せた。ラン、パス共に13回ずつファーストダウンを更新したバランスの良さだけでなく、法大がTDやFGを決めるたびに、直後のオフェンスシリーズでTDを返し、モメンタムを相手に与えなかった。

 次節(10月31日、11月1日)、日大は中央大学と、法大は東京大学と対戦する。
【写真・文 小座野容斉】

【日大vs法大】後半最初のオフェンスプレーで、法大はQB平井がエースWR神にロングパス。日大DB阿部が手を伸ばしてパスをカット=2020年10月11日、撮影小座野容斉

【日大vs法大】後半最初のオフェンスプレーで、法大はQB平井がエースWR神にロングパス。日大DB阿部が手を伸ばしてパスをカット=2020年10月11日、撮影:小座野容斉

両校監督のコメント


日本大学・橋詰功監督

(3年ぶりのTOP8、強敵・法政を倒した今のお気持ちは?)

我々が、少しづつ進んできたことを、皆さんに見ていただく良い機会だと思って戦いました。すべてが上手く行ったわけではなく、法政さんが良いチームであることも含めて、苦しい内容ではありましたが、我々がここまでやってきたことが表現できたかなと思います。

ここまで来れたこと、思い切りフットボールができるようになったことについて、支えていただいたすべての方に感謝したいと思います。その気持ちが一番強いです。

(今日の選手の活躍は?)

僕は贅沢なので、もっともっとすべてがうまくいくと思ってきたので、なかなかそこまでは、行っていないと思います。でも秘めていたものは十分に発揮はしてくれたかなと思います。

(今日の試合で、選手が最も成長したと思う点は?)

試合中、僕がヒマやったなと。(個別には)ほとんど何もしていません。それでも試合が流れていく。落ち着いてサイドラインにいることができました。

最初の頃は、試合中に、僕がサイドラインでワイワイと選手たちに話していて、フィールドの反則プレーを見逃してしまい、審判から「今の(相手の)反則(取るかどうか)、どうします」と尋ねられても「何のことですか」ということになっていたほどでした。

(第4クオーター、8点リードの場面で、自陣で4thダウンギャンブルをしましたが、橋詰さんの判断ですか?)

はい。私の判断です。我々は挑戦者なので、攻める気持ちを最後まで忘れてはいけないと思って判断しました。

【日大vs法大】戦況を見つめる日大の橋詰監督。選手たちの成長で「落ち着いてサイドラインで見ることができた」と語った=2020年10月11日、撮影:小座野容斉


法政大学 有澤玄監督

(残念な結果でした。大きなポイントとなるゲームだったと思いますが)

そうですね。コロナ禍の中で本当に(リーグ戦が)できるのかどうかという中で、(チーム練習を)始めるのが遅くなって、2つに(ブロックが)分かれた段階で日大とはやりたかったので、最高の舞台かなと。こうやって連盟やその他の方々の協力も含めて、こうやって日大とガチガチの試合ができるというのは、選手も良かったと思うし、チームとしては最高の舞台でした。プライドというテーマで試合に臨んで、チームはいい感じで出来上がっているかなぁと思っていたのですが。

(キャッチアップできそうな雰囲気がありましたが)

でも、あれだけタックルミスがあったら勝てません。フィジカル負け? フィジカルなのかメンタルなのかわかりませんけど、(原因は)気持ちの部分なのかな。タックルをもう一度見直さなければいけないかなと思っています。僕は最後はブロックとタックルが勝負を決めると思っているので、まさにその通りで、あれだけタックルミスをしたら勝てません。

(QBの平井くんの評価は?冷静で視野が広くて、投げていた)

QBは他にもいるんですけど、平井は上手くなっています。QBはよくやってくれたと思います。

(レシーバーも背が高くて、パッとした選手がいる)

あれはもったいないですよね。個人的にはもう少しいけるかなというのはあります。僕がなめていたのかもしれません。

(日大の印象はどうですか?)

すごくいいと思います。何がいいかというと、気持ちがいいですね。ああいう気持ちが入っているフットボールができるのはいいと思います。(我々も)ああいうフットボールをしなければいけないなと思います。

(日大は変わったなと言う印象はありますか。前にトップ8にいた時と比べて)

僕自身があまり、前の(日大の)チームとやっていないんです(有澤監督は、2017年から法大を指揮)。変わったなという印象はないのですが、ちゃんと仕上げて来ているので、橋詰さんはすごいなと思います。去年の春もやっているんですけど。それとは全然違います。

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事