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2020-10-14

【箱根駅伝予選会】中央大、順天堂大らが上位通過候補 

今回は陸上自衛隊立川駐屯地内の周回コースで争われる(写真は前回、撮影/椛本結城)

10月17日(土)、第97回箱根駅伝予選会が開催される。今回は従来のコースから変更になり、東京・陸上自衛隊立川駐屯地内の周回(ハーフマラソン)に変更になった。10月5日(月)に発表されたエントリーリストを基に、予選会の行方を占う。激戦を制し、来年1月の箱根路に進むのはどの10校か!?

 見せるか名門の意地

箱根駅伝本戦で優勝10回を超えるのは5校だが、このうち早稲田大を除く、次の4校が予選会に出走する。過去の結果は以下の通り。

中央大  (13回出走 → 12回通過)
順天堂大 (13回出走 → 11回通過)
日本体育大(13回出走 → 13回通過)
日本大  (11回出走 → 9回通過)

 不思議と予選会に回った回数が似通っている。さすがに名門校は取りこぼしが少なく、地力を見せている。

10月5日(月)に今予選会の出場者が発表されたが、中央大、順天堂大が上位通過候補か。中央大は10000m28分台の選手が4人エントリーし、前回の本戦12位のメンバーが7人、前々回を含めると8人もそろう。ここに28分35秒65の自己ベストを持つ吉居大和(1年)が加わる。

中央大は箱根本戦の経験者が8人エントリー
中央大は箱根本戦経験者が8名エントリー(写真/両角昭男・陸上競技マガジン)

順天堂大もハイレベルだ。10年程前、常勝軍団と言われた駒澤大の大八木弘明監督が、「10000m28分台の選手を10人そろえたい」と語っていたが、7人がエントリーした順天堂大はその域に迫る。3000mSCで日本歴代2位の三浦龍司(1年)も戦力になりそうだ。

エースの貯金と選手層で戦うのが日本体育大と日本大だ。日本体育大は前回個人14位でチームトップの藤本珠輝(2年)、本戦で1区3位の池田耀平(4年)ら力のある選手のほか、経験者も豊富だ。日本大は1時間2分台の自己ベストを持つチャールズ・ドゥング(2年)に加え、横山徹(4年)らハーフマラソン1時間3分台が5人いる。2校はトップ争いに届かなくても、堅実に走れば通過は濃厚だろう。

中央学院大は前回の本戦で主力の高橋翔也(4年)らが欠場し、1分59秒差の11位で6年連続シード権を逸したが、戦力は豊か。高橋以外に前回の本戦で1区5位の栗原啓吾(3年)、6区5位の武川流以名(2年)ら派手さはないが、力のある選手が多い。トップ争いに食い込む可能性も十分だ。

至近20年間の予選会に神奈川大は14回出走。落選は1回だけで安定した戦いぶりは定評がある。小笠原峰士(4年)、川口慧(3年)の28分台コンビのほか、本戦で5区6位の井手孝一(4年)らで、堅実な戦いを見せそうだ。

今大会の形式は、各校12人が自衛隊立川駐屯地内でハーフマラソンを走り、上位10人の合計タイムで争われる。今季は各競技会の開催数が少なく、資料に乏しいが、以上の6校は大きな取りこぼしがなければ、有力通過候補だ。

 残る4枠は混戦か

前回の本戦で13位の拓殖大、15位の法政大、19位の国士舘大、20位の筑波大はどう踏ん張るか。

留学生の貯金がポイントの拓殖大はジョセフ・ラジニ(2年)、国士舘大はハーフ59分台のライモイ・ヴィンセント(3年)の活躍がカギか。総合力で戦う法政大、筑波大は調整力などがポイントになりそうだ。 

復活を目指すチームも多い。前回、初出場から連続出場が33回で途切れた山梨学院大、同11回の上武大は何としても復活を果たしたい。山梨学院大は主将の森山真伍(4年)を軸に、巻き返しに最も近いチームと言えそうだ。上武大は岩崎大洋(4年)、9月に28分38秒47の自己新をマークした村上航大(3年)らの粘りで活路を開きたい。前回の予選会で15位と不覚をとった城西大は実力のある菅原伊織(4年)ら、各選手が額面どおりに走れば復活も可能だろう。本戦で優勝4回を誇る大東文化大は、チーム全体の走力アップが必至だ。前回の18位から、どこまで浮上するか。 

このほか、復活を目指すのはグリーンがチームカラーの専修大、東京農業大、亜細亜大だが、いずれも老舗校ながら、近年は本戦から離れている。古豪・中堅の意地を見せられるか。 

初出場を目指すのは、2年連続次点の麗澤大だ。前回は26秒差でプラチナチケットを逸したが、今回は総合力で入選ラインに絡んでいけるか。同12位の駿河台大は10000m27分45秒99のジェームズ・ブヌカ(3年)で大きな貯金が期待できる。続く選手がどこまで粘るか。麗澤大と共に、初出場は決して不可能ではないだろう。高校時代5000m14分35秒以内の選手が9人も入学した立教大は、まだ時間がかかりそうだが、前回の23位からどんなジャンプアップを見せるか、注目だ。
※陸上競技マガジン10月号より一部加筆して転載。

文/出口庸介、編集部

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