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2020-10-15

「伝説へのスタート」まで2週間! 大橋会長が井上尚弥の現状を報告

ZOOM会見より。穴がなく、ガードの堅いマロニーをどう崩すか。本人、陣営とも油断はないが自信もある様子だ

 10月31日(日本時間11月1日)、アメリカ・ラスベガスのMGMグランド・カンファレンスセンター“ザ・バブル”で開催されるWBAスーパー・IBF世界バンタム級チャンピオン井上尚弥(27歳=大橋)の防衛戦(vs.ジェイソン・マロニー=29歳、オーストラリア)までおよそ2週間。日曜日の渡米まで3日と迫った15日、現在の状況を大橋秀行会長がオンラインで報告した。


「いつもどおり。攻・走・守が全て揃っていて完璧です」。大橋会長は、自信満々に言い切った。「攻守」だけでなく、「走」が入っているところがポイントだ。この1年、本誌の取材時にも披露してくれ、また大橋会長自身が日々感じ取ってきていた井上尚弥の“変化”。それは、「フットワーク、サイドステップの速さ」である。「攻守」の間に「走」が挟まっているのは文字どおり、“攻撃にも防御にもつながる”架け橋としての“足”。昨年11月のWBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)決勝、ノニト・ドネア(フィリピン)戦でも魅せた、華麗な足さばきだ。
「基本に忠実で、ガードがしっかりしている。穴のない選手」のマロニー。そんな相手だからというわけではなく、「足が機能することこそ、尚弥の持ち味」と大橋会長は常々語る。元々ハイレベルで、引き出しの多かった尚弥の長所が、この1年でさらにグンとスケールアップしていると大橋会長は実感しているのだ。

 それに加えて井上尚弥自身、マロニーをしっかりと研究しており、「ミットを持つ太田(光亮)トレーナーに細かく指示を呈している」。仮想マロニーに扮した太田トレーナーの打ち方、コンビネーション、距離の取り方に、本人のイメージが重なったトレーニングを積んできた。

「ワクワクする気持ちも大きいけれど、無観客だったり、向こうへ行ってからの行動制限があったり。いままでとは違う緊張感がある。けれども、尚弥は注目されるプレッシャーを楽しんでる印象で、悲壮感がまったくない。私の立場としてはすごく楽だし、頼もしいかぎり」と大橋会長。そして、あらためて今回の試合が「伝説へのスタート」と語る。
 バンタム級4団体制覇、スーパーバンタム級に上げての4団体制覇、さらにフェザー級……。大橋会長は「今回を皮切りに、いろいろな可能性が広がる」と、井上尚弥のさらなる無限の可能性を表現した。

文_本間 暁

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